第20話
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結野衆の前に現れたのは、ライバルである巳厘野家だった。
新「あれが、結野アナの元旦那さん・・・」
外「そう、結婚したとはいえ全く心も開かれず、手も握らないまま晴明様に妻を奪われた男、巳厘野道満」
『それは、その人の人格もあったんじゃ・・・』
いくら政略結婚でも、性格が良ければ結婚生活はしっかり続くのではないだろうか。
しかもその怨恨で天気予報を外れさせる嫌がらせをするなんて、やはり人格に難があると思ってしまう。
晴「うぐぐ・・・道満・・・」
道「クククッ・・・アッハハハハ!晴明、どうやら今日も俺の勝ちのようだな!」
見下すように笑い、天気予報を外してしまった結野アナをバカにするように話す道満。そういうところが結野アナに受け入れてもらえなかったのだろう。
晴「道満貴様ァァァ!」
晴明は怒りの声をあげる。そして懐から何か板を出し、力を込めて道満に向かって飛ばした。
晴「回覧板じゃァァァ!!」
『もう引っ越しましょうよ・・・』
回覧板を渡すだけでもそんなに喧嘩腰になるのであれば絶対に引っ越したほうがいい。変なプライドがあるのだろうか。引っ越したら負けとか。
道満は、晴明が飛ばした回覧板を片手一本で受け止め、安安と読み始めた。町内会で松茸狩り旅行があるようだ。
道「俺はもう昔の俺ではない。貴様ら兄妹に復讐せんがため生まれ変わったんだよ。晴明お前は欠席か、なら俺は出てやる」
『嫌なお隣さん・・・』
道「雨はやまぬぞ、晴明。たとえクリステルがお天気お姉さんを首になろうと、貴様ら結野家が滅亡しようと・・・もうこの雨はやまん」
巳厘野家に、巳厘野道満の顔に泥を塗ったこと後悔させてやると言って家に戻っていく。
道満が見えなくなると、限界が来た晴明はその場に倒れ込んだ。
倒れている結野衆の人を部屋につれていき寝かせると、新八、神楽とともに外道丸らと話す。
神「みんなやられちゃったアル」
外「ただのご近所トラブルではないでござんす。千年にもわたる結野家と巳厘野家の深き因縁が絡んでおりますゆえ」
それに巻き込まれる結野アナが不憫だ。
しかも結野アナは、晴明と道満が争っていることを知らない。
外道丸と不知火が情報をシャットアウトしているとのこと。優しい結野アナは、このことを知ったら家のためにとまた道満の元へ向かうだろうと。
不「俺は結野家と巳厘野家の争いなんてどうでもいい」
外「でも、クリステル様のあんな寂しそうな顔を見るのは、もう御免でござんす」
新「大事に思ってるんですね、結野アナのこと」
外道丸と不知火は、使い魔としてではなく友人として接してくれたただ1人の陰陽師だという。
やはり万人に優しいのだろう、そんな結野アナに心を開いてもらえなかった道満に同情すらし始めてきた。
『そっか・・・』
不「主!嫉妬しないでくださいね!クリステル様はとても良い主ですが、俺が愛してるのは主です!」
『してないから。ちょっと雨にうたれてなよ』
名前たちは晴明と銀時のいる部屋に向かった。
2人は結野アナの話をしているようだ。部屋には入らずにその話を聞いていた。
晴明に道満から果たし状が届いていたらしい。
“式神タッグ呪法デスマッチ”
という戦いでこのお天気戦争の決着をつけようと。
『式神タッグ呪法デスマッチって?』
不「陰陽道における決戦方式の1つです。両陣営から術者を4名選出し式神を召喚し、術者と式神がタッグを組み敵陣営と戦い戦の勝敗を決する」
『へぇー。でもワナっぽいけど。結野衆の人はさっきみんな倒されちゃったし』
しかし晴明は1人でも行くつもりなのだろう。
銀時は、そこまでして結野アナを護ろうとしているのは負い目のためなのかと問うが、違うようだ。
幕府のために結野家の格式に縛られている自分と、人々のために生き生きと力を使っている結野アナを比べてしまっていたという。
結野アナは雨の日も風の日も笑顔を振りまき、人々に笑顔と天気を伝えることで、その手で江戸を護っていたのだと気づいたと。
晴「わしなんぞよりよっぽど偉大な陰陽師なんじゃと。あいつはな、わしの・・・結野衆の・・・誇りなんじゃ」
そう言って1人で雨の中外へ出る晴明。
銀「やむかね雨は」
残された銀時は、後ろに来ていた外道丸に問う。
外「さぁ。あいにくあっしは天道は読めないでござんすから。ただこれだけは言える、晴明様は死ぬでござんす」
以前と比べて道満は数段強くなっているようだ。顔に刻まれた邪印は外法に手を出したのかもしれないという。
それにかわって晴明は、江戸守護のために江戸中に式神を張り巡らせているため力を分散させている。いくら最強の陰陽師といえど、その状態では道満に勝てないと。
銀「俺たちがいけば?そいつは変わるのか」
『万事屋さん・・・』
銀時は晴明を助けに行くつもりのようだ。結野アナの一ファンとして、結野アナの笑顔を取り戻したいというだけではないだろう。
銀「(妹・・・か)」
『・・・なんですか?』
銀「いんや、別に」
外「・・・・・・銀時様、こういっちゃなんですが、これ以上この件に深入りするのはよしなんせ」
外道丸と不知火が結野アナによってつかわされた理由は、銀時たちを敵から護るためではない、止めるためだという。
妙な件に深入りしないように伝えるためだと。
不「主も。もう家に帰ってください。主と結婚したかったですが、クリステル様の命が第一なんです」
『結婚は最初から諦めて。・・・でも、雨、やまなくなるよ』
晴明が死ねば、結野アナはどうなるのだろうか。
また道満の元へ帰らされるのか。
兄も亡くし、行きたくもない場所で生き続ける。そんな結野アナの雨は降り続ける。晴れ間など見ることができなくなるだろう。
それをわかっている新八も神楽も晴明を助けに行きたいと言う。
銀「クク・・・てめェ最初から俺に仕えるつもりなんかなかったんじゃねーか。まァいいさ、人に仕えられるなんざ慣れてなくてね。そっちの方が息苦しくなってくらァ。
これで自由になれた」
よっこいせと腰を上げながら話す。
このまま晴明の後を追うつもりなのだろう。
ドッゴォォォ
そんな銀時の目の前に、外道丸の金棒が振り下ろされる。あまりの勢いに、金棒は地面に突き刺さっている。