第17話
夢小説設定
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服「地雷亜(やつ)は俺たち御庭番が打ち損じ、世に放っちまった化け物だ」
だから後輩の自分がその責任を負わなければならず、地雷亜を張っていたところだったという。
服「だが、俺ァあんな変態とやり合うのご免だね。悪いこたぁ言わねぇ、お前さんらもやめときな。
地雷亜の忠誠心とは、獲物に対する忠誠心。そしてその歪んだ忠誠心は今、弟子のあの女に向かっている」
手塩にかけて育てた作品(餌)を自ら壊した時に至上に喜びを感じると。
そんな話をしていると、外から悲鳴が聞こえてくる。
何事かと外を見に行くと、人々が逃げ惑っていた。火事だという声と黒い煙、そして宙を這う炎が見える。
蜘蛛の巣を這う火のように。
『地雷亜の、糸?』
服「ああ。ここも蜘蛛の巣の中だったようだ」
銀「願ったり叶ったりだよ」
『まぁ、そうだね』
銀「蜘蛛の巣にかかっちまった獲物が生き残る唯一の術を教えてやろうか。
蜘蛛を食い殺すんだよ」
その時、新八らも合流してくる。
晴太は銀時の荷物を持ってきて、母が逃げてくれと言っていたと伝える。
しかし、銀時は逃げる気はなかった。
晴太から服や木刀を預かると、新八と神楽に消火の手伝いに行くよう伝えた。
神楽は銀時が地雷亜と戦いに行くとわかり、引き止めようとするが銀時はそれを拒んだ。
銀「気に入らねェ、全くもって気に入らねェ。
地雷亜(ヤロー)だけは死んでも師匠なんぞと名乗らせねェ」
『・・・私も行くよ。餌にするために拾って育てるなんて、最低にもほどがある』
銀「・・・・」
銀時は名前には来て欲しくないと思っていたようだが、自分と重ね、昔のこと、そして今の真選組でのことを思うと強く引き留めることは出来なかった。
銀「蜘蛛退治、行くぞ」
『うん。虫は昆虫以外受け付けないから』
銀時と名前は吉原中に張り巡らされている糸を辿りながら地雷亜のいる場所へと向かった。
糸が出ている先に地雷亜と月詠がいると確信して。
吉原にあるとある古い建物。
地雷亜に囚われている月詠は、そこで蜘蛛の巣のように壁から這っている糸に拘束されていた。
月「地雷亜、頼む・・・もうやめてくれ。わっちが悪かった・・・もう誰も頼ることもしない、もう誰とも関わることをしない・・・だから、わっちの大切な仲間を・・・これ以上傷つけないでくれ」
月詠は仲間を護るために私を滅すると言っていた。
しかし、それは地雷亜が望んだ答えではなかった。
地雷亜は月詠に、自分のように全てを捨て公のために私を滅することを望んでいるのだ。仲間のためなどではない。
地雷亜は自分の思想を受け継ぎ、自分と同じようになって欲しい、ならなければならないと月詠に押し付けていたのだ。
そして自分のようになった月詠こそ最高の作品であり、殺す価値のあるものだと思っていた。
地雷亜は自分のようにならない月詠の顔を何度も何度も殴りながらその思想を叫ぶ。
地「どうしたら俺のようになれる、どうしたら俺のように強くなれる。
・・・そうだ、皮をはごう」
自分と同じように顔を無くせばもう誰も月詠に気づかない、そうすれば自分と同じように強くなれると言う。
地雷亜は月詠の顔にクナイを少しずつ近づけ、頬に滑らせる。そして顔の皮を剥ごうと先端を刺す。
ビシャァア
月詠の顔には血飛沫が飛ぶ。
しかしそれは月詠自身のものではなかった。
ブシィイ
ズバッ
月詠の顔の脇からは木刀が見えていた。
その木刀が地雷亜の右手に刺さっている。
さらに後ろから月詠を拘束していた蜘蛛の糸が切られた。
床に足をついた途端膝から崩れ落ちそうになる月詠。しかしそれは名前によって支えられ、倒れ込むことはなかった。
銀「その手で触んじゃねェ。そのうす汚ねェ手で、この女に触んじゃねェ」
地「お、お前らは・・・」
月「ぎ、銀時・・・名前・・・」
銀時はそのまま木刀で隙のできた地雷亜を吹き飛ばす。
銀「死にゃあしねェよ、俺ァ」
『誰も死なせないよ』
名前は月詠を部屋の端に連れていきながら話をする。
銀時は月詠に背を向けたまま静かに語りかけるように言う。
銀「もうこの吉原で誰も死なせねェ。俺たちゃな、お前を孤独(ひとり)にはしねェよ」
月「・・・・」
地「ククク・・・よもやあれほどの手傷を受けながらも生きていようとは」
名前は立ち上がり、銀時の隣へ向かう。
月詠は2人に「待て!」と叫ぶ。また逃げろとでも言うつもりなのだろう。
『1人で何もかも背負わないで。助けを求めて良いんです、人に縋って良いんです』
銀「てめーが醜いツラで泣いてる時はそれ以上汚ねェツラで泣いてやる、てめーが腹抱えて笑ってる時はそれ以上バカでかい声で笑ってやる」
そういう仲間が月詠にはいるはずだ。
肩を貸して荷を負うて隣で歩いてくれる仲間が。
それを捨ててまで生きて何になるというのだ。
銀「小汚くても自分(てめー)らしく行きてくことのほうがよっぽど上等だ」
地「クク・・・わからんのか、月詠にとっての荷はお前たち以外の何者でもない。
お前たちがいなければ月詠はこんなに苦しむこともなかった、お前たちがいなければ醜くなることもなかった」
『月詠さんは醜くなんかない、貴方のその顔と脳味噌の方が醜い。虫唾が走る』
地雷亜を睨みつけながら話す名前。
何を言っても反抗してくる銀時と名前に、地雷亜は怒りを露わにした。
地「全ては貴様らが消えれば済むことだァ!」