第16話
夢小説設定
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男は銀時の胸にクナイを突き立てようとするが、銀時は咄嗟に自分の足に刺さっていたクナイを引き抜き、その攻撃を防いだ。
『はぁ!』
ガキィン!
男はまだ銀時に向かってクナイを投げようとしていたため、名前は刀でクナイを弾きそのまま男に向かって振り下ろした。
男はすぐに後ろに飛びのけた。
飛びのけた先には銀時がおり、木刀を振る。
しかしそれもクナイではじき返されてしまった。
「なるほど、その手負いでその身のこなし、流石は鳳仙を倒しただけはあるな」
鳳仙の名前が出るということは吉原の関係者なのだろうか。
男は銀時と名前に向かって話すと、次は月詠に目を向ける。
「背中を預けられる存在、護るだけではない護ってくれる存在を初めて見て、捨てたはずの女が己の内に蘇ったか。
それとも、惚れたか、この男に」
男は、女を捨てることもできない奴に何も護ることはできないと言う。
「その傷の痛み、忘れたか」
男は、名前が刀で斬りつけた額に手をかけ、ビリ、と破り始めた。
3人はいきなりのことに目を丸くする。
「己かわゆさに己を護る者が、どうして何かを護ることができる」
男は次々と皮膚をはがしながら自分の価値観について話していた。
滅私奉公。男の考える“公”とは、己が信じ護るべきものだという。
「太陽のように人の上に輝けなくても、人知れず地を照らす月の美しさを俺だけは知っている。俺だけは見ていてやる、俺だけは・・・お前を護ってやる。
そう、俺は護りに来たのさ、かつての美しい月を」
『(なんか、気持ち悪い)』
美しい月、月詠のことだろうか。
しかし男が見ているのは今の月詠ではない。視線はどこか月詠の後ろを彷徨っている。
ビリ・・・
顔の半分が破られる。そこで月詠はハッとした。
月「し・・・師匠!?」
3人が戦っていたのは、初代百華頭領で月詠の師匠だった地雷亜だった。
地雷亜は月詠と行動を共にしていた頃は、己を捨てるために顔の皮膚を剥がし包帯を巻いた姿だった。分からないのも無理がないだろう。
しかし、月詠はなぜ生きていたのか問う。4年前の吉原の大火で亡くなったと思っていたようだ。
地「月詠、お前は私が心血を注いで作り出した一番の芸術品だ」
『・・・』
地雷亜は月詠のことを人として見ていなかったのだろう。
昔の誰にも依ることなく日輪を護り続ける月詠に、いや、作品に想いを馳せていた。
私を滅し公に奉じる時美しい姿を浮かび上がらせるが、師である自分がいてはそれは完成し得ない、師にも頼ることができない孤独に耐える強い心を持って初めて己を捨てられる。
だから自分は死んだふりをしていたという。
地雷亜が死んだと思わせ、孤独を感じさせることで月詠は完成する。
地「それで終わりになるはずだった。お前さんたちが現れるまではな」
ガッと月詠の首を掴み持ち上げる地雷亜。
『月詠さん!』
名前は刀を薙ぎ地雷亜に攻撃するが、すぐクナイでガードされ弾かれた。その後に銀時も木刀で攻撃するも避けられてしまった。
地「お前に必要なのは依るべき所頼るべき者ではない、孤独とその剣を向ける敵だけだ。見ていろ月詠、今お前の目の前でお前を護る者は消える」
そして自分自身が月詠の新たな敵になると言う。
月「逃げろォォォ!!」
その瞬間、地雷亜の背中からクナイが無数に飛んでくる。着物の中に隠していたのだろう。
そのクナイは仲間の浪士にも刺さってもお構い無しのようだ。
銀時と名前は必死に刀と木刀でクナイを弾き落としていく。全部のクナイを弾いた後地雷亜を見ると宙に浮いていた。
そして
ジャガガガガ
宙を走りながらクナイを振ってくる。
『万事屋さん!背中向けちゃダメ!』
銀「ああ、わかってらァ」
素早く動く敵には背中を取られやすい。2人以上味方がいる場合は背中を合わせて戦うのが良い。
銀時と名前は背中を合わせお互いの目の前に地雷亜が来た時に攻撃を繰り出すがどれも躱されてしまう。そして様々な方向からのクナイで幾つも傷を負っていた。
銀「ぐっ、軌道が、読めねェ!」
『っ、わ!?』
突然刀を持っていた腕を何かに掴まれたような感覚に陥る。地雷亜は銀時の方にいるはず。
そしてグアッと宙に投げられる。
銀「名前!!」
ザシュッ
『ぐっ!!』
宙では体勢を整えることができない。しかも刀を持っている腕はまだ動かない。
肩から胸元にかけてクナイで斬りつけられてしまった。ドシャっと背中から落下する名前。背中の傷も開き痛みに顔を歪めた。