第15話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
通「位置について・・・よーい、どん松五郎!」
ワアアアア!
とオタクたちは勢い良く走っていく。
『う”わ”ァァ!』
「名前さん!お気を確かに!!」
『無理無理!怖いもの!視野が狭くなってぶち当たってくるオタク怖いもの!』
名前は後ろから走って襲いかかってくるオタクに揉みくちゃにされガタガタ震えていた。
「ゆっくり行きましょう、最初に飛ばすオタクたちはきっと失速しますから」
『うん・・・』
グスンと半泣きになる名前を慰めながら、名前のチームはゆっくり走り出した。
山「局長が走ってくれてるから、俺たちのチームは決勝に残れると思います。無理せず行きましょう」
横から声をかけてきたのは土方と同じチームの山崎だった。トッシーが立ち上げた通選組の正装である赤いハチマキにジーンズのベストを着ている。
『よし、何かあったらザキを盾に使う。みんな、先に走って』
「「「はい!」」」
山「ええ!?・・・まぁ、俺もあんまりレースに乗り気じゃないから良いですけど」
名前の一声で、名前チームのメンバーは走り出した。名前と山崎はのんびり歩いて最後尾を行く。
しばらく歩くと、見知った顔がいた。
『あ、万事屋さんだ』
銀時、新八、そしてタカチンと呼ばれるリーゼントの男の人だった。
3人で肩を組んで歩いている。
銀「お、おう、名前と山崎か。き、奇遇だな」
挙動不審の銀時。このような場で会ったことが恥ずかしいのだろうか、いや、そんなことを恥ずかしがるような男は壇上に出て下品なことなど言ったりしない。
新「名前さんたちもお通ちゃんの公式ファンクラブを狙って参加してるんですか?」
山「副長を解放するためーとか言われて」
『チームは違うけどね。あんなダサい服着れないし』
銀「そ、そう。じゃあ俺ら先急ぐんで」
名前は神楽の姿がないことに気づいた。
きっと先に走らせて自分たちは後からゆっくりゴールするつもりなのだろう。
先ほどから様子がおかしい。名前は銀時たちの前に回り込んで様子を見ようとする。
銀「あぁ!ダメだよ、俺らちょっと服が破れちゃって、前に行くと見えちゃうよ。色々。ま、名前になら見せてもいいけどね」
『・・・オタクよりセクハラする人のほうが無理だよザキ。セクハラする人なんて絶滅すればいいんだ』
銀時は名前が後ろに下がったことで安堵していた。
前に来てほしくない理由があり嘘をついていたようだが、他のものを犠牲にした気がする。
のんびり歩いていると電気屋の前を通る。店頭に置かれていたテレビではちょうどお通の公式ファンクラブの番組が流れていた。
《先頭を走るは少女と偉丈夫、寺門通親衛隊と通選組のメンバーであります!》
テレビには近藤と神楽がお互いに負けじと走っている映像が流れている。
『近藤さんと神楽ちゃんすごいね』
《あっ、ちょ、違・・・違うよ、そっち・・・》
近藤と神楽は、トップ争いが白熱するあまり道を間違えてしまったようだ。しかも叫びながら走っているため、スタッフの声も聞こえず、そのスタッフもなぎ倒しながら走っている。
《ものすごい勢いでコースアウトしていく!みるみるトップから離れていきます!天国から地獄!これはマズイ!早くチームのメンバーがなんとかしないと両チームとも予選敗退は免れません!》
それを聞いた銀時と新八は、もう1人を引きずりながら走り出す。山崎と名前もなんとなく並走しているとあることに気づいた。
山「旦那旦那、うしろうしろ」
『うわ』
引きずられているタカチンの足にゴミが引っかかり、後ろが大変なことになっていたのだ。
その後も、死肉をあさりに来たような目をした野良犬に噛みつかれていたり、鎌を持ったおじさんや羽根の生えたおばさんもぶら下がっていた。
『もうその人お迎え来てるじゃん。天国と地獄から』
銀「そそそそそそんなことないって!実家のお父さんお母さんだから!」
新八が必死に死神と天使、もとい実家の父母を引っ張り剥がそうとする。
すると、ズボボとタカチンの履いていたズボンが下着ごと脱げてしまった。
名前の目の前にはタカチンのタカチン。
『い”や”ァァァァ!!!』
山「うぎゃァァァァ!!」
山崎を勢い良く引っ張り盾にする。ほぼタカチンに山崎がくっついて悲鳴を上げていたがそんなこと構っていられない。
銀「仕方ない、背に腹は代えられない。新八、追い上げは任せた!俺はタカチンを一旦病院に連れて行く!」
タカチンはやはり怪我をして意識を失っていたようだ。
予選のルールではチームのメンバーのうち1人でも棄権者が出たら即失格となる。
銀時たちは、タカチンが棄権にならないよう誤魔化しながら走っていたのだ。しかしそれももう無理だと思ったのか、銀時がタカチンを背負って病院に向かっていった。
山「終わったね、新八くん。あんな状態で戦線に復帰できるわけがない」
しかし新八は諦めなかった。銀時が戻ってくると言ったら戻ってくるんだと信じて1人先に走っていった。
山崎と名前は特にペースアップすることなく走り続ける。するとすぐに銀時が追いついてきて隣を走る。
『え、早くない?万事屋さん、あの変態どうしたの?』
銀「治療が終わったらすぐ駆け付けるって」
タカチンを変態呼ばわりしたことはスルーし、銀時は走り続けていた。そして少し走った時、
銀「あ、来た。おーい、こっちこっち」
『!?』
あの変態が帰ってきたのか、と身構える名前。
しかし、やってきた人物を見て名前は目を丸くした。
銀「いや〜、良かったな〜、大事にならなくてよォ。そもそもお前はひ弱すぎんだよ。もっと身体とか鍛えないとダメだぜ。
なァ、タカティン」
山「『誰ェェェ!!』」
そこにいたのは、サングラスをかけた金髪外人。銀時よりも1.5倍くらい身体が大きい。そしてヒゲも胸毛もあるダンディな見た目だった。
山崎はその人はタカチンではないとツッコミを入れまくる。よく全てのボケにツッコめるなー、と名前はボーッと見ていた。
山「これは明らかな不正ですよ!大会側に報告させてもらいますから!みんなマジメにやってんのに見過ごせませんよ」
銀「みんなマジメ?オイふざけたこと言ってんじゃねーぞ、おうコラ。お前タカチンがなんであんな重傷負ったか教えてやろうか、あん?」
タカチンは、沖田が乗ったタクシーに轢かれて重傷を負ったという。公式ファンクラブの座をかけた真剣勝負。タクシーを使ってゴールしてはいけないというルールは言われていなかったが、暗黙の了解でタクシーなど使ってゴールまで行くのはご法度だろう。
『替え玉と同じくらいヤバい不正してるね』
山「でも、本当に沖田さんが近くまで行ったかはわからないじゃないですか!」
銀「あーそう、口答えするの。ふーん。
タカティンはマラソンで苦難を乗り越えて変わっちまっただけだからなァ」
ウィィィ・・・
銀時は懐からバリカンを取り出す。
山「え、ちょ、旦那?待って、え、
ぎゃぁああああ!!」
山崎は銀時によってモヒカンにされてしまった。
タカティン同様マラソン中に見た目が変わったということにするのだろう。
銀「な?マラソン中に成長しただけだもんな?」
山「はい・・・」
銀時の真っ黒な笑みに、頷くしかない山崎。不憫だ。
銀時はタカティンと一緒に走っていく。
山「名前さん・・・俺、棄権してもいいですかね?」
『土方さんに殺されてもいいなら』
山「ですよねー」
山崎はモヒカンのまま名前とともに走ることにした。