第1話
夢小説設定
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パトカーの車内、天パナンパ男“坂田銀時”は、池田屋での桂との会話を思い出していた。
銀「ヅラ・・・どういうことだ、あれは・・・あいつは・・・」
桂「ああ。名前だ」
銀「生きてたのか・・・だが何で警察なんかに」
桂「・・・どうやら名前は記憶を失ってるらしい」
銀「記憶・・・俺たちのこともか?」
桂「ああ、俺のことも何度も追ってきた。敵としてな。演技などではない様子だった」
銀「・・・」
桂「記憶を思い出させるために過去のことを言うのは止めておけよ」
銀「何でだよ、あいつは俺たちの・・・!」
桂「名前は今真選組、警察だぞ。
もし、名前が“攘夷戦争に参加していた”など知られたらどういう扱いを受けるか、わかるだろう?」
銀「・・・・・」
桂「もう名前は、あの頃とは違う人生を生きている。違う人物だと、そう思うしかあるまい」
銀「(名前・・・・)」
パトカーが警察署に着くと、銀時はいつもの調子で悪態をつきながら取り調べに応じていた。
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数日後
「副長ぉおおお!局長が女にフラれたうえ、女を賭けた決闘で汚い手使われ負けたってホントかぁ!!」
真選組屯所では、その話題で持ちきりだった。
局長近藤勲が喧嘩に負けたということが信じられない様子だった。
土方は、真選組のトップである近藤が喧嘩に負けるわけないだろうと誤魔化すが、言いふらしていた沖田が「土方さんに聞きやした」と口角を上げながら話していた。
隊士たちは、近藤が負けたことが事実であると分かるとさらに大声で土方に詰め寄った。
土「うるせぇエエエ!」
土方はキレた。卓袱台をひっくり返し、会議中に私語をする奴は切腹だと言う。
土「まずは山崎てめぇからだ」
山「え”え”え”!?俺何も喋ってな・・・」
土「喋ってんだろーが、現在進行形で」
ドタバタと会議が繰り広げられていると、そこに近藤と名前が入って来た。
『もう、近藤さん、さすがにその顔じゃ笑われますよ、もう少し冷やさないと』
近「いいんだ、仕事とプライベートは分けないといけないからな。こんな怪我で仕事を休むわけにはいかん。
よーし、じゃあみんな、今日も元気に市中見回りに行こうか」
隊士たちが近藤を見ると、頬が大きく腫れていた。
何事も無かったかのように笑顔で隊士に挨拶をする近藤に、土方は溜息をついた。
案の定隊士たちは、尊敬する近藤の仇を討つと意気込み市中見回りに飛び出していった。
『あーあ。チンピラが街に放出されましたよ』
土「はぁ・・・俺らも行くぞ。あいつらより先に近藤さんをやった奴見つけねぇと」
外に出ると、早速電柱に紙が貼ってあるのを見つけた。
それは真選組隊士が貼ったもので、近藤を破った白髪の男に出頭を促すものだった。もちろん喧嘩腰の文章で。
ベリ・・・
それを剥がしながら、土方、沖田、名前は街を歩いていた。
土方は、近藤を破った男を見つけたら斬ると言っている。真選組の面子が立たない上、隊士たちが殺気立っておりこのままでは何を仕出かすかわからない。
『でも白髪頭ってだけの情報で探すの大変じゃないですか?』
土「近藤さん負かすくらいだ、ただ者じゃねえ。見ればすぐ分かるさ」
話しながら歩いていると、上から「おーい兄ちゃん、危ないよ」とやる気のない声が聞こえた。
それと同時に土方の上に落ちてくる木材の束。
土「うおわぁああ!あっ、危ねえだろーがァ!」
「だから危ねえっつったろ」
土「もっとテンション上げて言えや!わかるか!!」
木材の束を落とした男が、屋根の上から降りてくる。
男がヘルメットを取ると、土方は見覚えのある顔に声を上げた。
土「てめーは、池田屋の時の・・・」
『天パナンパ男だ』
銀「!・・・って、天パナンパ男って何」
銀時は名前を見てビクッと反応するが、桂に言われたことを思い出したうえ、“天パナンパ男”と呼ばれたことが引っかかったようでそちらにシフトチェンジしていた。
『天パナンパ男は天パナンパ男です』
銀「ただ言いたいだけじゃない?」
『そんなことないです、天パナンパ男さん』
銀「俺は万事屋やってる坂田銀時。覚えといて」
さすがに名前は教えてもいいだろう、と自己紹介をした。やはり記憶がないようで、その名前にもピンと来ていない様子の名前に寂しさを感じた。
『よろしくです、天パナンパ男さん』
銀「あれ、耳悪いのかな、名前ちゃんは」
土「オイ」
『耳は悪くないです。わざとです』
銀「わざとって言っちゃうと余計傷つくの知ってる?」
土「オイ!」
土方が声をかけているにも関わらず話し続ける名前と銀時。痺れを切らした土方は2人の間に入り、銀時を睨みつけた。
銀「えーっと、君、誰?あ・・・もしかして多串くんか?アララすっかり立派になっちゃって」
「おーーい銀さん、早くこっち頼むって!」
銀時は棟梁に呼ばれ、多串くんに挨拶をしてハシゴを登っていく。
沖「行っちゃいましたよ、どうしやす多串くん?」
土「誰が多串くんだ」
銀時の真似をして多串くんと呼ぶ沖田の頭を掴み、ツッコミを入れる。そして沖田から刀を借りるとハシゴを登って行った。
銀時の目の前に行くと、銀時が仕事をしていてもお構い無しに話し始める。
銀時は、始めは何を言われているか分からなかったようだが、女をめぐってゴリラのような男と喧嘩したことは覚えていたようで、「お前あのゴリラの知り合いか?」と聞いてきた。
チャッ
土方は沖田から預かった刀を銀時に投げ渡す。
そして銀時が受け取ったその時
ガキィィイン!!
土方が刀を抜き、銀時に襲いかかった。
銀時は咄嗟に刀を前に出し、斬られることはなかったがあまりの衝撃に屋根の上を転がった。
土「ゴリラだろーがなぁ、真選組にとっちゃ大事な大将なんだよ。名前、お前は避けとけ」
『はーい』
名前は2人から離れ、他の家の屋根に乗った。
そこには沖田と近藤がいた。
名前がこの屋根に来るまでに既に戦いは始まっていたようで、銀時の肩から血が噴き出していた。
今まで刀を抜かなかった銀時。さすがにマズいと思ったのか鞘から刀身を抜いた。
土方は楽しそうに刀を握り直し、銀時に向かっていく。
振り下ろした刀は銀時を斬った・・・・
かに思えたが、
土「(躱された!斬られ・・・)」
銀時は土方の真横で刀を振り上げていた。土方は斬られると冷や汗を流す。
ザゥン!
カラン・・・
銀時が振り下ろした刀は土方の刀身に当たり、刀を真っ二つにしていた。
銀時は終了だと言って棟梁に病院に行くと怒鳴っていた。
土「てめぇ、情けでもかけたつもりか」
銀「情けだァ?そんなもんお前にかけるくらいならご飯にかけるわ。
喧嘩ってのはよォ、何かを護るためにやるもんだろが」
土「護るって・・・お前は何護ったってんだ?」
銀「俺の武士道(ルール)だ」
『!』
ズキンッ
銀時は、死んだ魚のような目ではなくキラめいている目でそう言う。その瞬間、以前もあった頭痛が名前を襲った。
沖「フフ、面白ぇ人だ。俺も一戦交えたくなりましたぜ」
『(あれ・・・・前は・・・)』
沖田が銀時と一戦交えてみたいと言っている様子を見て、不思議に思った。自分たちがあの男と戦ったのは池田屋の時が初めてだ。
初対面の時、名前を知っていただけでなく「お前マジ強いんだって」と名前の刀を避けて言っていた。
真選組といえど女性。ほとんどの浪士は名前を女だと甘く見て初撃でやられ、確保されている。
銀時は名前の初撃を避けていた。素早い太刀筋にも関わらず、それが来ると理解しているかのように。
『・・・・近藤さん』
近「何だ?」
『あの人・・・もしかしたら、私の過去と、関わりあるかも』
先ほど考えたことを近藤に伝える。
「良かったじゃないか」と嬉しそうに言ってくれた。
『今度聞いてみようかな』
今度会ったら何故名前を知っているのか聞いてみようと思った。もしかしたら記憶を取り戻す手がかりになるかもしれないと。