第10話
夢小説設定
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『へー、刀いっぱい』
真選組屯所には、大量の新しい武器や刀が送られてきていた。遠方に出張に行っていた隊士が戻ってくるのだ。
それに先立って荷物だけが先に送られてきたというわけだ。
沖「俺はこれが良いでさァ」
隊長格など実力のある隊士から刀を選ぶことになった。沖田が選んだのは、デジタル音楽プレイヤー付きの刀。
なんとも沖田らしいものを選んだものだ。
近「俺は実用的なやつにするか」
そう言って手に取ったのは、デジタル音楽機器の機能も付いているが、更に柄の先に特殊な金具を付けることで、部屋を掃除するコロコロとしても使えるらしい。
『(コロコロの機能いる?)』
最先端すぎてついていけないと思った名前だった。一応良い刀がないか見てみたが、ピンと来るものは無かった。
近「名前ちゃんは貰わないのか?」
『私は鉄子ちゃんに打ってもらった刀があるから』
どんな最先端の刀でも、信頼のおける刀鍛冶に打ってもらったものの方が良く見える。
近藤が貰ったものは結構な値段がするようで、隊士たちも感動していたようだった。
沖「すげーや近藤さんかなわねーや。ちょっとだけ素振りさせてもらってもいいですかね」
近「ん、別に良いけど」
近藤は照れくさそうに沖田に刀を貸した。
沖田はその刀を持つと、
沖「ふん!!」
バギン!
岩に向かって思い切り振り抜いた。いくら高くて最先端の刀でも岩は斬れない。刀が真っ二つに折れてしまった。
沖田は岩でも斬れると思ったと言い訳をしていた。
近「オメェェエ!絶対わざとだろ!俺の虎徹ちゃんに嫉妬して・・・」
名前は沖田と近藤のやりとりに苦笑いをし、土方の方を見た。土方も新しい刀には興味がなかったようで、浮かれている近藤らに呆れながら煙草をふかしていた。
近「伊東鴨太郎くんの帰陣を祝して、かんぱーい!!」
「カンパーイ!」
真選組は、今宴会の最中だった。遠方に出張に行っていた隊士、伊東鴨太郎が戻ってきたのだ。
伊東鴨太郎は、真選組に入って1年ほどだったがその頭の良さと剣の腕で、近藤に“参謀”と言われるまでになった男だ。インテリらしくメガネをかけている。
近「いやぁ〜、伊東先生、今回は本当にご苦労でした。しかし、あれだけの武器、よく幕府のケチどもが財布の紐を解いてくれましたな〜」
近藤は伊東にお酌しながら話す。
それに対し、伊東はケチとは利に聡いということだから、真選組への出資で生まれる幕府への利を説いたのだと話す。
伊「最も近藤さんの言う通り、地上で這いつくばって生きる我々の苦しみなど意にも介さぬ頑冥な連中だ」
日々強大化していく攘夷志士の脅威をわかりやすく説明するのには苦労したという。
近「アハッアハハハ!違いない、違いないよ!ガンメイだよね〜アイツらホントガンメイ〜」
汗をかきながら伊東に賛同する近藤。“頑冥”の意味が分かっているのかと思いながら見ていると、沖田にもその意味を聞かれ、「子どもは黙ってなさい!」と逃げた。
伊東は、今の幕府に不満があるようだ。このままでは国が滅ぶと。
伊「我々はこんなところでいつまでもくすぶっているわけにはいかない。
そう思うだろう、苗字局長補佐」
『え、あ、まぁ・・・』
上の立場にいる以上、幕府との関わりも多少は出てくる。伊東の次くらいに幕府とのやりとりをさせられている身として、幕府への不満はやはりある。
しかし真選組が上に行くことは考えていなかった。
伊「僕らはもっと上を目指して邁進しなければいけない!そしていずれはこの国の中枢を担う剣となり、この昏迷する国を救うことこそが、この時代の武士として生まれたものの使命だと僕は考える!」
熱弁する伊東。近藤の後ろに立ち、肩をポンと叩きながら更に続けた。
伊「そのためならば僕は君にこの命を捧げても構わないと思っている!近藤さん、一緒に頑張りましょう!」
近「うむ、みんなガンメイに頑張るぞ!」
「いや、頑冥の使い方間違ってます」
近藤はやる気満々だが、チンピラ上がりの隊士や昔からいる隊士には伊東の考え方や扱われ方に不満を覚える人も何人かいる。
現に今も、伊東を睨みながら何かコソコソ話している人がいる。
そんなことはつゆ知らず、伊東は次に名前の肩に手を置き話す。
伊「苗字さんも僕たちと真選組を大きくしていくために頑張りましょう。苗字さんも僕と同じで剣の腕も良いし頭も切れる。その力を国のために使いましょう!」
『は、はい』
「名前さんもあの伊東さんに押されちまって。きっとああいうタイプ苦手だもんな」
伊東は土方の方には行かなかった。昔から2人は反りが合わなかったのだ。
伊東は上に上がりたくても土方がいて上がれない、土方は新参者でありながら近藤に気に入られ上の地位を手に入れようとする伊東が気に食わなかった。
そんな土方が伊東に助けられたという話を聞いたのは翌日のことだった。