第3話
夢小説設定
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名前は夢を見ていた。
ー『待って、〇〇兄っ』
ー「いつまでもついて来んな、チビなんだからよ」
ー「おい、〇〇、その言い方は無いだろう」
ー『きゃうっ、っ、痛・・・』
ー「おい、大丈夫か?やっぱ帰れって」
ー『・・・大丈夫だもん、〇〇兄たちと、一緒がいいんだもん・・・邪魔しないから、迷惑かけないから・・・』
ー「チッ・・・」
ー『わっ、やだっ、おんぶなんて赤ちゃんみたいでやだ!』
ー「うるせぇ。てめーはまだガキだ。それは変わんねぇ事実なんだよ」
ー『・・・ごめん』
ー「あ?名前、寝てんのか?」
ー「寝ているな」
ー「なーにが迷惑かけないから、だ」
ー「名前も年上の俺たちに追いつこうと必死なのだろう」
ー「・・・護ってやんねーとな」
ー「ああ」
『ん・・・・』
名前が目を覚ますと、視界には見慣れた屯所の天井が広がっていた。
あとゴリラ。
『えっと、ここは動物園、かな』
近「あれ、名前ちゃん?幻覚が見えるほど辛い思いしたのかな?」
『いや、バッチリ現実見えてます。ゴリ・・・近藤さん』
近「今ゴリラって言おうとしたよね?まだ動物園にいるよね?」
名前が布団から起き上がると、近藤は心配そうな顔で何があったのか聞いてきた。
『・・・・高杉晋助に、会いました』
近「なんだって!?戦ったのかい?」
『いえ・・・刀を抜く前に、腕を掴まれて・・・』
名前は掴まれていた部分を擦る。今でも悔しさが込み上げてくる。あそこで素早く刀を抜ければ、と。
近「そうか。首と手首以外に痛むところは?」
『無いです。悲しいことに』
ただの一発で気を失ってしまうとは情けない話だと自嘲する。近藤は相手は男だから力では敵わなくて仕方がないとフォローしてくれたが、やはり納得はできなかった。
近「何か高杉に言われなかったかい?」
その質問に一瞬戸惑い、すぐに何も言われていないと答えた。名前の様子に少し不審感を覚えるが、仲間を疑うことを知らない近藤。
近「わかった、何かあったらすぐに言ってくれ」
そう伝えて部屋を出て行った。
近藤がいなくなると、名前は大きく息を吐いた。
嘘をついてしまったこと、高杉の話は信じていないがどこか頭の片隅で引っかかっていたことで心がざわついていたのだ。
自分は何者なのだ。
意識を完全に失う前に高杉に何か言われた気がするが、意識が混濁していて覚えていなかった。
「名前さぁあん!大丈夫ですか!?温かいお茶でもお持ちしましょうか!?」
「甘い茶菓子でも!」
「いや、煎餅の方がいいですか!?」
山「たこ焼き買ってきましたよ!また転んじゃってなぜか中身が減っちゃいましたけど」
しばらくして、祭りの後始末から帰ってきた隊士たち。名前が怪我をして先に帰っていると聞いていたようで真っ先に向かってきた。
近藤以外が勝手に名前の部屋を開けるのは局中法度違反になるため、襖の外から大きな声が響く。
『ありがとう。でもどれもいらないかな。ザキはその残りのたこ焼き鼻にでも詰めときなよ』
「「「ありがとうございます!!!」」」
名前の返事に何のお礼かわからないが述べ、隊士たちは戻っていく。
慌ただしい隊士たちに苦笑いを浮かべた。