第3話
夢小説設定
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名前は迷子の男の子と手を繋ぎ、母を探しに向かった。しばらく歩いたが見つからなかったため、少し人混みから離れ、男の子を探している女性がいないか見る。
すると、遠くから「夏之介ー」と誰かを探す声が聞こえた。
『きみ、“なつのすけ”くん?』
「うん」
『多分お母さんかな。近くまで来てるよ』
「ほんと!?」
再び男の子、夏之介と手を繋ぐと声のした方に歩いて向かった。
近づいてくると、「ウチの息子見ませんでしたか?」「夏之介ー!」と探す声が大きくなる。
「あ!かあちゃんだ!」
男の子は名前の手を引きながら母の所へ急いだ。
名前は微笑みながら一緒についていく。
「かあちゃん!」
「夏之介!!」
親子は無事再会することができた。母は目に涙を浮かべながら夏之介を抱きしめる。
夏之介が、名前が母を探してくれたことを伝えるとこちらに来てお礼の言葉を述べていた。
「ありがとうございます」
『いえいえ、はぐれないように気をつけてお祭りを楽しんでくださいね』
「はい」
「ありがとう、警察のお姉さん!」
去っていく親子に手を振り、将軍の所に戻ろうとした時
ゾクッ
『!?』
バッ!
ガシッ・・・・
後ろから背筋が凍るような気配を感じ、刀を抜こうとする。しかしそれは叶わず腕を誰かに掴まれてしまった。
「警察のお姉さん、ねェ・・・」
『・・・・誰?』
「クククッ、お前らは今、誰から将軍を守ろうとしてんだ?」
『まさか・・・・高杉晋助・・・あっ!』
グイッと掴まれている腕を引かれ、顔を合わせられる。左目を包帯で隠しているが端正な顔立ちだ。
刀を抜けない悔しさに歯ぎしりをすると高杉は面白そうに笑っていた。
高「・・・・本当に記憶が無ぇんだな」
『え・・・』
高「名前・・・俺はお前の過去を知っている」
過激派の攘夷浪士が自分の過去を知っているというのはどういうことだ、と頭の中が既にパニック状態だ。ここから先は聞きたいが聞いてはいけない感じもある。
そんな名前の様子をわかっているようで、高杉は口角を上げながら話を続けた。
高「お前は昔、攘夷戦争に参加していた攘夷志士だ」
『・・・・え・・・』
攘夷戦争・・・10年前まで行われていた、天人及び幕府軍と、天人相手に弱腰になる幕府に危機感を抱いた攘夷志士との戦いだ。
それに参加していた・・・?
『嘘・・・嘘だっ』
そんなものに参加していたら・・・自分は、真選組などやっていられない。
幕府を倒すために人や天人を倒していた人間が幕府側の役人になるなどあってはならないのだ。
『私に嘘を言って、何を企んでるの』
高「・・・そう捉えるか。残念ながら嘘じゃねぇ」
『信じない!貴方みたいな危険な人間の話なんて!
もう、離してっ』
グッと腕を引き、拘束から逃れようとするが全く逃れられない。相手も白くて細い腕なのに、全く動く気配が無かった。
周りの人々は、高杉と名前の様子をちらりと見るが、喧騒で何を話しているのかまでは聞こえていないらしい。痴話喧嘩くらいにしか思っていないのか素通りしていく。
高「クククッ、あくまで幕府の犬に成り下がるというわけか」
ガッ
『っ!?』
高杉は名前の首筋に手刀を食らわせる。
いきなりの強い刺激に名前は意識が朦朧としてくる。
ドサ・・・
高「まぁいい。思い出したら真選組(そこ)にはどうせいられないんだ、今はまだ仮初の苗字名前を演じるがいい・・・“紅風姫”」
『(紅、風・・・姫・・・・・・?)』
そこで名前の意識は途絶えた。
高杉は名前を抱き留めると、怪しまれないように抱き上げ人気のない場所へ連れて行った。
出店の裏、人が通らないような岩陰に名前を下ろすと、名前の顔を一撫でしてその場を離れた。
高「用が無ければ連れて帰りたかったんだがな・・・」