第15話 追跡者①
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しばらくして、警視庁に一本の電話がかかってきた。殺人事件の容疑者らしき人物に心当たりがあると。ちょうど目暮警部から連絡があったようで、そのような電話がかかってきたことを伝えた。
目暮警部らが追っていた人物は、肩を痛めていたようで、殺人事件を起こすことは難しいと判断し、今回の事件とは関係ないという扱いになった。
ブー・・・ブー・・・
『(新一・・・?)』
その時、名前の携帯にコナンから電話が入った。小五郎と松本管理官に声をかけ、会議室から出て誰もいないところで電話にでることにした。もちろん“コナンから”とは言わず。
『もしもし』
コ《あ、姉さん今大丈夫!?》
誰もいない場所に来て電話に出たことを伝えると安心したように話し出す。
コ《さっきベルモットに接触した》
目暮警部たちが追っていた容疑者をコナンも張っていたらしい。警官らが容疑者を捕らえようとしている時に不審な人物を見かけたため追っていったらベルモットだったという。
『何で殺人事件の容疑者なんかの所に?』
ベルモットは、一般人のフリをしている組織の一員NOCが被害者の中にいたと言っている。
NOCである被害者は、保険のためか、NOCリストのデータが入ったメモリーカードを持ち歩いていた。そして犯人が被害者を殺害した時に、そのメモリーカードをNOCリストのデータだとは知らず持ち去ってしまったようだ。
犯人が警察に捕まり、メモリーカードのデータを見られたら組織は痛手を負う。そのため、そのメモリーカードを奪取するために動いているとのことだった。
コ《それで、今本当に周りに誰もいない?》
再度確認するコナン。何かあるのだろうと周りを見、自分に盗聴器などが付いていないか確認してから大丈夫だと答える。
コ《この捜査会議に出席してる捜査官に、ベルモット以外にも潜入している組織のメンバーがいる》
『!!』
コナンの推測だけではなく、ベルモットから直接聞いたから確定だろうと言う。そして潜入している幹部のコードネームは“アイリッシュ”だということだ。
コ《あと、ロビンが日本にいると確信して探し始めているとも言っていた》
ベルモットはコナンが工藤新一だとわかっている。そしてその工藤新一にロビンのことを伝えるということは、名前がロビンであると気づいているのだろう。
ベルモットは相変わらず何を考えているかわからない。
『さっき会議室にいたメンバーで話してたんだけど、松本管理官は一番に私に“情報屋”っていう言葉を出した。その後横溝警部の弟さんの方はロビンの名前を・・・。
考えすぎかもしれないって思ったけど、やっぱり私探られてるのかな』
コ《警察関係者に近しい人間から探りを入れてるのかもな。だからまずおっちゃんと姉さんが呼ばれた》
不思議だと思っていたのだ。なぜ普通の殺人事件に、昔は警察官だったが今は一般人の毛利小五郎と、ただの一般人の自分が捜査会議に呼ばれたのか。
松本管理官が呼びたいと言ったのか、他の誰かが推薦したのかわからなかったが、呼んだのは潜入したアイリッシュだったのだ。
小五郎と名前は水無怜奈の一件で一度組織の目に触れているため、候補に入れやすかったのだろう。
そして毛利小五郎はきっと違うだろうと思ったアイリッシュは名前に的を絞り、探りを入れ始めた。
コ《バレねぇよう気をつけろよ》
『わかってる』
コナンは、相手の出方によっては捜査会議のメンバーから降ろしてもらったほうが良いのではと言うが、急に降りたほうが怪しいだろう。
電話を切ると会議室に戻った。戻った時に特に怪しい動きをする人物はおらず、そのまま話し合いに参加した。
ーーーーーーー
その日の夜、マンションの方に帰ってきた名前は、沖矢に電話を入れていた。
『もしもし』
昴《はい》
『あ、昴さん、名前です』
名前は電話口で、黒の組織がロビンを探し始めていること、その探る対象に入ってしまっていることを伝えた。
昴《ホォー・・・》
『なので、落ち着くまで私はマンションの方に帰ります。だから昴さんも必要に応じて阿笠博士の家に行くとか、ホテルに行くとかしてください』
沖矢はそれを静かに聞いている。
昴《わかりました、気をつけてくださいね》
『はい。なるべく早く片付けます・・・・え?』
話の途中で困惑した声を出す名前に、昴はどうしたのか尋ねる。電話中に、開いていたパソコンが異変を訴えたのだ。
『・・・誰かにパソコンをいじられました』
昴《組織ですか?》
『多分・・・』
ハッキングなどに対策するソフトを自作して守りを固めているため、侵入しようとしている時点でパソコンが知らせてくれ、撃退、相手のパソコンにウイルスを仕込むプログラムも組んでいる。
しかし、このタイミングでいじられたことが問題だった。きっと捜査会議に出席した捜査官の中に潜んでいる組織のメンバー、アイリッシュがやっているのだろう。
捜査会議を抜け出してコナンと電話した時に何かされたのだろうか。
沖矢にはしばらく連絡できない旨を伝え、電話を切った。
『・・・わざと家を教えるか・・・』
実家には沖矢もいるため迷惑をかけられない。うまく自分の居場所を敵に伝え、工藤邸には向かわないよう仕向ける策を練った。