第14話 本職②
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名前は事前に調べてあったバス停まで向かった。
山と言っても、僻地にあるわけではない。バスが2時間に一本程度は出る道路が近くを通っている。
時間も調べてあったため、すぐに到着した。
乗客は名前も含めて3名。すでに名前以外の2人が組織のメンバーということも視野に入れながらバスで過ごす。
しかし、2人は一般人だったようだ、すぐにバスから降りていった。
バスに揺られること15分。
さすがに取引場所の近くまでバスで行き過ぎるのは無防備すぎると、数停留所前で降りて歩くことにした。
『暗っ』
夜の山道は街頭が殆どない。携帯の明かりを懐中電灯代わりにして歩いていく。
しばらく道なりに歩くと、“〇〇山登山口”という看板が見えた。
『ここかな・・・』
周りをキョロキョロしながら進んでいく。
すると、前からスラリとした女性が現れた。
突然暗闇から現れたためビクッと肩を震わせてしまったのは内緒だ。
「アンタが“ロビン”?」
『・・・そうですけど』
上から下までジロジロ見てくる女性に不審な目を向ける。
「あの“ロビン”がこんな小娘だったなんてね。ボスが小屋で待ってる」
『こんな所にボスが来てるんですね。無防備じゃないですか?』
「無駄口を叩くな、カバン、スマホをこの中に入れろ」
女性が持っていたスーツケースを開く。
きっと電波を遮断するような作りになっているのだろう。
ここまでは想定通りだ。持っていたカバンと、スマホをスーツケースに入れた。
『ちゃんと返してくださいよ』
「お前の態度次第だ」
基本的に上から目線でイライラする。しかしそれを表に出さずずっと余裕そうな雰囲気で返答していた。
「盗聴器、発信機の類が無いか確認する」
服をパンパン叩かれ、不審なものが無いか確認される。だいぶ力が強くて痛い。
「この眼鏡は・・・ちゃんと度が入ってるな。コンタクトも、無しと」
眼鏡にして良かったと思った。
博士がコンタクト型の発信機を開発しようと言っていたが、そっちのほうが怪しまれやすい。
『ハッカー集団っていうだけあって、そういう所しっかりしてるんですね』
「馬鹿にするな、お前がいなければ私たちが世界一のはずなんだ」
別にこちらは競っていないのだが。
勝手に対抗意識を燃やされても困るが、その話をしたら面倒なことになりそうだとスルーした。
「では、ボスの所へ行くぞ」
女性はスーツケースを引き、先導していく。名前もそれに続く。
15分ほど歩いただろうか。
その間に何人か組織の人間に会った。見張りをしているようだ。
そして1つの小屋に着く。
小屋の周りは組織のメンバーがたくさんいた。全員名前を見るとジロジロ見定めるような視線を送ってくる。
「ボスは中だ、入れ」
ボス「待て」
女性がドアを開けようとすると、中から低い男性の声が響く。女性が固まる。
ボスは怖いのだろうか。
ボス「もう一度検査しろ。“ロビン”からまだ微弱な電波が出ている」
女性はギンッと名前を睨む。
失敗したのが悔しいのだろうか。
とにかく、すでに電波を受信する機械を持っており、それで居場所を突き止められる可能性があるとバレているようだ。
『・・・はい、面倒なので白状します。コレ、ですよ』
眼鏡を取り、アピールするように手元で回す。
女性は眼鏡を奪い取りスーツケースに入れようとする。
『(あ、ラッキー)』
ボス「おい、そこで入れるつもりじゃあねぇだろうな」
そこで眼鏡を入れてくれれば、安室にこの小屋の場所をすぐ知らせることができたのに、と残念に思う名前だった。
ボス「どっか遠くに捨てさせろ」
『え』
博士に謝らなければ。きっともう眼鏡とはオサラバです。
見張りの1人が眼鏡を持って遠くに行ったのを確認すると、女性は睨んできた。
「チッ・・・恥をかかせやがって」
ボス「そんなことはどうでも良い。入ってこい」
もう発信機の類は無いとわかったのか、中に入るよう促される。