第13話 本職
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カレーを食べ終え、帰ろうとすると携帯のバイブが鳴る。
ふと携帯を見ると“ロビン”の方のアドレスにメールが来ていた。
厳重にかけたパスワードを解除すると、
『!?』
名前は目を見開いた。
《目障りな渡り鳥へ》
送り主は不明、だが件名でわかった。最近“ロビン”を目障りだと思っている者は例の組織くらいだ。
周りをちらりと見て自分の近くに誰もいないことを確認するとメールを開いた。
《お前たちの計画は全て筒抜けだ。
現にお前が加担していることを知っている。
取引をしたい。
本日21時、神奈川県〇〇山の麓にある倉庫で待っている。
来なかった場合や、警察関係者に通報した場合人質にしている諜報員の命は無いと思え。》
その文面とともに、人質であろう人たちの写真が送られていた。
ポアロの壁にかかっている時計を見ると14時になるところだった。〇〇山は遠くはないが、タクシーや電車などを使って2時間以上はかかる。
きっと準備をさせないためにこの時間なのだろう。山の麓が取引場所なのも、発信器などの電気機器に電波が届かないようにするためかもしれない。
『(それにしても、何でロビンに?取引に行かない可能性の方が高いと思わないのかな)』
返信するのが正解かもわからなかったが、きっとどうにかなるだろうと思い、
『“わかりました”』
と返事をした。
何の取引だろうか。賄賂を渡すから見逃してくれなのか、寝返れということか。
安「・・・さん・・・名前さん」
『へ、あ、はい?』
突然名前を呼ばれ吃りながら返事をした。声をかけてきた安室は不思議そうに名前を見ている。
安「大丈夫ですか?」
『ええ。ちょっと考えごとしちゃっただけですよ』
そう言うと荷物をまとめてポアロを出た。
『さて、まずは家に帰らないとな』
工藤邸ではなくマンションの方に向かった。
どう出たものか、と考えながら歩いていると
安「名前さん!」
『!?』
大きな声で後ろから呼ばれビクッと肩を震わす。恐る恐る後ろを向くと、私服の安室が追いかけてきていた。
『な、何ですか?』
忘れ物でもしたのだろうかと鞄の中身を確認すると、忘れ物ではないと安室に言われる。
安「どうしても心配だったので・・・体調不良と言って早退してきました」
『え、ちょ・・・』
安「あっちの駐車場に車停めてあるので、送りますよ」
『いや、今日はホントにダメなんです!』
安「・・・・」
いつものように気を遣ってくれている、一緒にいたいのだろうと思い強めに拒否をする。
きっとここまで拒めば安室は引いてくれるはず。
しかし、安室は引かなかった。むしろ遊びではないとでも言うように真剣な表情で名前を見ている。
そしてそっと近づくと耳元で囁く。
安「何かに巻き込まれているんでしょう?手助けできるかもしれない」
『!』
安「ね?まずは話聞かせてください」
警察関係者に話をしたら、と組織に言われていたが潜入捜査をしている公安1人くらいには言ってもバレないだろう。あわよくば協力してもらえば良いのでは。
『・・・聞いたら協力させますよ?』
安「はは、臨むところですよ」
周りに人がいる所で話すわけにいかない。一度安室の車に乗ることにした。