第12話 探り探られ
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工藤邸に着くと沖矢がコーヒーを飲みながらサスペンスもののドラマを見ていた。
『ただいまです』
昴「おかえりなさい。随分ゆっくりでしたね、今日も帰ってこないかと思いました」
『色々ありまして』
マンションに帰る時には沖矢に連絡している。何かあったときに困らないように、あとは料理で使う食材の量を調節するため。
『赤井さん、私今日ここに帰ってきますけど、夕飯はいりません』
昴「わかった」
『安室さんとご飯食べてきます』
“安室”の名前を聞き、沖矢は片目を開いた。結構怖い。
『安室さん、多分自力で私が情報屋の“ロビン”だということに気づきました』
沖矢は、組織関係だったらどうすると聞いてきたが、公安として何か話があるということだったため、それに乗ったと言う。
『でも万が一があるじゃないですか。もし家に戻って来なかったら何かあったと思ってください』
公安は日本の治安を守るためなら一般人を犠牲にすることもあると聞く。
もしかしたら“ロビン”が危険だからと無き者にするかもしれない。
昴「わかった」
沖矢の返事を聞くと、名前は部屋に戻った。
コナンにも連絡をしておかねば、とメールを送る。既に学校は終わっている時間だったため、すぐに返事が来た。内容は思った通りのもの。
“危ねえから行くな”と。
コナンはまだ安室を信用していない。
組織として動いているのを誤魔化しているだけかもしれないという。
『ま、どうにかなるよ』
そう返事をして携帯を閉じた。
コナンが向かってきていても面倒だ。早めに待ち合わせ場所に向かいながらのんびりしよう。
ーーーーーー
19時半、〇〇公園
ベンチに座り、携帯をいじっていると
パッパーー・・・
車のクラクションの音が響く。ぱっと前を向くと、白のRX-7。
車に乗れということなのだろうか。疑念が浮かぶが、ずっと待たせるのも周りの目があり危険だ。
とりあえず車の方に向かってみることに。
名前が近づくと、安室が助手席の方に身体を移動させ扉を開けていた。紳士のようだ。
安「お待たせしました、どうぞ」
『・・・・盗聴器とか発信器の類は?』
安「ありませんよ。名前さんこそ」
『無いです。安全運転でお願いしますね』
安「ええ。もちろんです」
名前が乗り込むと、すぐに発車した。
安「さて、少しドライブでも良いですか?行きつけのお店は少し遠いので」
『そうですね、お昼ご飯遅かったのでゆっくりでも大丈夫ですよ』
ドライブしながら話をしようということなのだろう。
広い道路に出て運転が安定してくると、安室は話し始めた。
安「名前さんは僕の本当の職業とか、諸々知ってるんですね」
『ええ。赤井さんと面識ありますから、少しだけ教えてもらいました。バーボンのこととかも』
“バーボン”と名前を出すと、チラリ、とこちらを見られた気がする。
安「赤井か・・・。赤井との関係も聞きたいところですが、それよりも聞かなければならないことが山ほどある。
名前さんは、情報屋の“ロビン”ですね?」
『・・・・違う、と言ったらどうします?』
安「一応探偵をしているので、それらしく解明して差し上げましょうか」
安室は不敵な笑みを浮かべる。
安室は、今までの名前の気になった行動や言動をつらつらと上げていった。
推理力は父譲りかもしれないため深くは言及しないが、それを隠すような身の振り方。
毛利探偵事務所で事件が起きた時の盗聴器があるかもしれないとなった時の反応の速さ。
パソコンのパスワードを聞いた時の危機意識の高さ。
他の細かい視線や動きなども指摘された。気をつけていたつもりだが、やはり公安で潜入捜査をし、探り屋として動いているだけある。
安「それで、“工藤名前について教えてくれ”とメールをしたわけです。その頃にはほぼ確信していました」
『ポアロでまたメールが来た時にはさすがに引きましたよ』
安「それは認めるということで良いんですね?」
『ええ・・・私が“ロビン”です』