第8話 ミステリートレイン
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先程いた部屋の前まで来ると、何か物音がする。
有希子と名前は顔を見合わせ、頷き合うと先に有希子が部屋に入っていく。
有「あら、随分じゃない?お気に入りだったのよ?あのトランクに入れてたワンピ」
中にいた人物、火傷の男は部屋の窓からスーツケースを外に投げ出していた。ここが有希子たちの部屋だとわかっており、組織の邪魔をさせないようにしているのだろう。
有「もうこんな事は止めにしたら?シャロン」
火傷の男は顎に手を当てる。するとその顔はマスクだったようでビリッと剥がれた。
マスクの下から現れたのは綺麗な女性。
ベルモット、シャロン・ヴィンヤードは大物女優だったと聞く。
ベル「意外ね。あのボウヤが組織との戦いに母親の貴方と姉を巻き込むとは・・・」
『・・・・』
今まで黙って有希子の後ろにいた名前。ベルモットに名前を出されると顔を出して視線を交えた。
ベル「ふふ、貴方がバーボンの・・・」
『え?』
ベルモットが何か呟いたが、列車の音で聞き取ることができなかった。名前が聞き返すも再度同じことを言ってくれることは無かった。
有希子はベルモットと話を続けた。
今は新一チームが一歩リードしていることや、スペシャルゲストがいるかもしれないことを。
ベル「組織を煙に巻きたいようだけど、貴方たちに勝ち目は・・・」
有「大ありよ!だって新ちゃん、シャロンの弱み掴んじゃったもの!」
『(弱み?)』
有希子は、ベルモットは何か訳があり新一が薬で幼児化していることを組織に隠しているのではないかと考えている。
また、板倉卓というCGクリエイターになにかソフトを発注していたことも、幼児化を隠す訳と関係があるのかもしれない。
ベル「有希子、そこまでよ」
ベルモットは持っていた拳銃を有希子に向けた。貴方たちの作戦は読めているから手を引けと。
有「さ、作戦?何のこと?」
ベルモットは、灰原、シェリーが電車内で組織に見つかったとわかったら、解毒薬を飲んで元の身体に戻り、周りの知人たちを巻き込まないようにするだろうと推測した。
だから、解毒薬を飲んで元の身体に戻る前に保護し、有希子が変装して組織に殺されたフリをするつもりだったのだろうと言う。
『(組織の人間も頭が切れるんだね・・・)』
ベル「お姉さんがシェリーになる役だったのかしら?それとも何か他に役割が?貴方の声も聞きたいわ」
『・・・変装はお母さんが自分でする予定だった。私はそれの補助』
ベル「そうなのね。まぁ、この列車に組織が乗り込む情報をどうやって貴方たちが入手したか知らないけど、この貴方の部屋に彼女が匿われていないってことは、どうやらまだ彼女を保護できていないようね」
有希子は、先程ベルモットが外に捨てていたスーツケースに変装道具は入っていなかっただろうと伝えるが、ベルモットには洗面台の戸棚に入れていた変装道具もバレていたようで、処分されていた。
『組織もまだあの子を見つけてないんじゃないの?』
ベル「彼女を炙り出す準備ならもう整ってるわ」
焦ったような表情になる有希子をフォローするように問う。しかし反対にベルモットは勝ちを確信したように携帯を弄りながら返答した。
すると少しして車内アナウンスが響いた。
8号車で火事が起きたと。
どこで手に入れた情報かわからないが、火元である8号車の乗客は全員火事恐怖症だった。少し煙を出して仲間が「火事だ」と叫べば恐怖に駆られパニックを起こしながら前の車両に向かっていく。
ベル「ここでクエスチョン!彼女ならこの状況でどこに行くと思う?」
有「そりゃあ前の車両に逃げるんじゃ・・・」
『あの子なら、後ろに行きそう』
ベル「そう・・・彼女ならきっと火元の車両へ向かうはず。この煙が組織の罠だと読んでね」
灰原は他人を巻き込まないために1人で組織に立ち向かう気でいるようだ。
有「あ、電話・・・し、新ちゃん・・・あっ!」
『お母さん!』
ベル「動かないでよ、お姉さん?」
その時有希子の携帯に新一から電話が入ったが、通話にする前に携帯はベルモットに奪われてしまう。
ベルモットは有希子の口を塞ぐと、携帯の通話ボタンを押すと肩と耳で挟み、名前に拳銃を向けた。
名前は手を挙げ、抵抗の意志がないことを伝える。
ベル「あら、新ちゃんどうしたの?」
ベルモットの口から有希子の声がする。ベルモットは変装の達人だと事前に聞いていたが、ここまで本人になれるとは。
コ「母さんやべぇぞ!灰原がどこにもいねぇんだ!母さんと姉さんの所に行ってねぇか!?」
ベル「こっちにも来てないわよ!前の車両に避難したんじゃない?」
コ「じゃあ前の車両に行ってみっから、2人は作戦通りうまくやれよ!」
ベル「OK」
ベルモットは新一との電話を終えると通話を切る。そして自分の携帯が鳴っていることに気づくと画面を見て不敵に微笑んだ。
組織の仲間がシェリーを見つけたという連絡だった。
ベル「残念だけど、組織の勝ちのようね」
ベルモットと有希子、名前が睨み合っているとドン、という何かが爆発する音が聞こえた。
その音が聞こえるとベルモットは口角を更に上げ携帯を操作する。
するとドォオオオンと先程よりも大きな爆発音が轟く。
後ろの貨物車の連結が外れた後、その車両が爆発したのだ。
きっとそこに灰原がいたのだろう。
『え・・・哀ちゃん・・・』
有「ウソでしょ〜!?哀ちゃぁあん」
爆発したことを確認すると、ベルモットは満足気な表情で部屋を出ていった。