【名探偵】3万Hit記念
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※3万Hit記念小説は、全作品“春”をテーマにしています。
安「名前さん、恋人になってくれませんか?」
『え?嫌です』
安「ああ、言葉が足りませんでしたね。探偵として仕事があって、恋人役が欲しいんですよ」
『嫌です』
とある日の昼下がり。
少しだけ時間が欲しいと安室に言われ、指定された公園へ向かうといきなりそんなことを言われた。
『安室さん個人に探偵の仕事が入ることあるんですね』
毛利の弟子になったと聞いた時から、基本的に毛利とともに依頼をこなしているのだと思っていた。それかバーボンとして探るためだとか。
しかし、そうではなかったらしい。
極たまに仕事が入ることがあるようだ。
『梓ちゃんで良いじゃないですか』
安「2人ともバイトを抜けるわけにいかないでしょう」
『蘭ちゃん』
安「さすがに未成年は・・・」
公安として、さすがにそれはできないと思ったのだろうか。日本のためならどんな手でも使うのに。
『じゃあ、一回話だけ聞きます。それから決めてもいいですか』
しかし、話を聞いてしまったが最後、結局安室の話術でその話を引き受けることになってしまった。
話も聞かずに去れば良かった。
ーーーーーー
お仕事当日
『こんにちは』
安「こんにちは名前さん、今日も可愛いですね」
『あ、帰ります』
安「待ってください、もう仕事は始まってるんですから」
待ち合わせ場所に着くとすぐ愛の言葉を囁く安室。
一瞬固まってUターンしようとしたらガシッと腕を掴まれた。
今日はもしかしてずっとこんな感じなのかとゲンナリする。
『えっと、浮気調査でしたっけ。日帰りペア旅行ツアーに婚約者が他の女と申し込んでいた・・・』
安「ほら、あの方が捜査対象です」
安室の視線の先には20代後半くらいの男性が。隣には若い女性。あの人が浮気相手ということか?
『もうアウトじゃないですか?』
安「まぁ、兄妹という可能性もありますし」
『ふーん。それを確かめるってことですね』
監視カメラから情報をもらえばいいじゃないか、と思ったが依頼主はもっと鮮明な、決定的な現場の写真などが欲しいのだろう。探偵とは大変な仕事だ。
安「さて、バスが来ましたよ」
ツアーのバスが来ると、捜査対象の2人の斜め後ろの席をとった。
探偵は安室なので、名前が窓側だ。
安「乗り物酔いとかは?」
『大丈夫だと思います』
こういう所で気遣いができるのは感心するが、なぜ突然人の気持ちを考えずにグイグイきてしまう行動に出るのかが不思議でならない。
安「ふふ、そんなに見つめられると仕事になりませんね。あ、席反対のほうが良いですかね、そしたら僕は名前さんと2人両方見られますから」
じっと安室の方を見てしまっていたらしい。笑いながら話しかけてきた。
それにしても・・・
『近いですね』
安室の車に乗っている時よりも密着している。自分が小柄でなければ肩同士がくっついていただろう。
安「僕はこのままバスの中でも良いですね」
『・・・目的地まで寝ます。お仕事頑張ってください』
自分はただツアーに来ただけだ、浮気調査なんて関係ない。バスの中で寝ていても変わらないだろう。
そう思い、バスの揺れを感じながら目を閉じた。
安「名前さん、起きてください。最初の目的地ですよ」
『んぅ・・・』
安室に揺さぶられ、起きる。
今日は桜の名所巡りというツアーだったはず。
周りに桜が見えるところがあるのか、とバスの窓から外を見ると
『わぁ・・・』
辺り一面が濃いピンクに染まっている。
バスが停車し、ガイドの人がこの辺りの地域の説明をしながら先頭に立って歩き出した。
安室と名前は、後ろの方をついていく。
『芝桜ですか』
安「ええ」
『ソフトクリーム食べたい』
景色が良いところに来ると何故かソフトクリームが食べたくなる。名前が呟くと、安室はクスッと笑って自由時間に食べに行こうと言っていた。
『調査は?』
安「調査ばかりしていては怪しまれてしまいますから」
芝桜のある大きな公園を一回りすると自由時間となった。
2人は、調査対象の男性を司会に入れながら動く。
『普通に手、繋いでましたよ』
安「ええ。ばっちり小型カメラで撮りました」
とりあえず1枚は写真をゲットしたから、とソフトクリームを買いに行くことにした。