【JE】3万Hit記念
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30000Hit記念小説は、全作品“春”をテーマにしています。
『桜綺麗だねぇ』
杉「そうだね」
『あ、あの木登りやすそう』
杉「どんな視点?」
寒い冬が終わりを迎え、ポカポカ暖かい陽気が続いた。関東の桜は満開で、どこもかしこも花見客でいっぱいだ。
名前と杉浦は、家に近い所の川沿いを歩いている。そこにはたくさんの桜の木が植えてあり、春には綺麗なピンクのトンネルとなる。
『ねぇ、今度八神さんたちとお花見しようよ』
杉「いいね。九十九くんも誘っておくよ」
『うん!じゃあ八神さんたちに予定聞いとく!』
2人はそれぞれの事務所の所員を誘うことに。
八神と海藤を誘う名前。花見の誘いはもちろんOKだった。お酒とつまみを何にするか考える2人は遠足に行く子どものようで笑ってしまった。
『あ!東は?』
海「あいつ花見とかすんのか?」
八「海藤さんと名前ちゃんが来るって言ったら来るんじゃねぇ?とりあえず電話してみるわ」
あの顔つきと態度で花見をする東の姿が想像できず、3人はクスクス笑っている。
八「・・・ってことだけど、東は行くか?」
東《気は乗らねェが、その日は空いてるからな。まぁ、顔だけ出すぜ》
相変わらずツンデレの東の言葉に、海藤と名前は吹き出した。それが電話越しに聞こえていたようで、「マジで行かねーぞ」と言われたため謝った。一緒に花見に行きたい。
結局来てくれることになり、待ち合わせの話に。
『私と文也くんの家が一番近いから場所取りしとくよ』
八「ああ、頼んだ」
海「木の上とかはやめとけよ?」
『ははっ、東だけ木の上でも面白そうだけど』
きっと怒鳴って帰ってしまうだろう。
いない所でイジられる東は、シャルルで大きなクシャミをしていたそうだ。
ーーーーー
花見当日
『まだ桜散ってなくて良かったね』
杉「そうだね」
2人は、みんなと花見をする場所取りに向かっていた。
ピークの時期は過ぎたようだが、まだ人がたくさん来そうだ。名前たちの他にも場所取りに来ている人がいる。
『あ、あそこ空いてるよ』
空いてる場所を見つけると、そこにレジャーシートを敷き、持ってきた荷物などを置いておく。
待ち合わせの時間まであと1時間半ほどだったため、2人で世間話や携帯ゲームをしながらのんびり待つことに。
しばらくして
『トイレ行きたくなっちゃったな』
杉「あっちにあったよ」
『ありがと、ちょっと行ってくるね』
杉「気をつけてね」
トイレに着くと、少し混んでいた。これから花見デートなのだろう。メイクを直している人も多い。
トイレから出られたのはそれから15分後だった。
『文也くん心配してるかな』
トイレが混んでいることは連絡しておいたが、ここまで時間がかかるとは思っていなかった。
自分たちが場所取りをし、杉浦がいるであろう場所を見ると、
『うわ』
「ねェお兄さん、私たちと一緒に花見しない?」
「超イケメン!桜もお兄さんも見て幸せになりたい!」
杉浦が女性数人に絡まれ、逆ナンされているのを見つけた。
まぁ、顔が良いからなぁ、年齢の割に童顔だし。
杉「僕、可愛い彼女いるから大丈夫。今トイレ行ってるだけだし」
何の嫌味もなく返事をする杉浦に、大人になったなと思いつつ、“可愛い彼女”と言われて少し嬉しい気持ちもありつつ、でも助けに行かねば、と歩き出した。
女性たちは杉浦に断られても食い下がっているようだ。
杉浦は面倒そうにため息をついている。
『あ、あのっ』
名前が女性たちの近くに行き声をかけると、女性たちは振り向く。
『私の彼氏に何か?』
「あー、アナタが“可愛い彼女”?」
「ふーん」
杉「ほら、彼女帰ってきたから退散してくれない?2人の時間楽しみたいんだけど」
女性たちは名前を上から下までじーっと見ると、クスクス笑いながら話す。
「こんな子どもみたいな子より、私たちとの方が楽しめる気がするけどなぁ」
「桜と一緒に良いもの見たいでしょ」
1人の女性は、自分の豊満な胸をアピールしながら話す。名前にはそれは無いので、ぐぬぬ、と拳を握る。
杉「あーもー、品が無いなぁ。ナンパがうまくいかないのそういう所じゃない?僕は彼女と友だちと桜を見に来たの。品の無い桃には興味ないからさ」
帰った帰った、と追い払う杉浦。
女性たちは苛立ちと羞恥に悔しそうな顔をすると踵を返していった。