第13話
夢小説設定
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『ん・・・・』
翌朝、目を覚ますとまだ嵐は治まっておらず、雨音と雷が鳴り続けていた。時計を見ると9時半を過ぎたところ。いつもであればセバスチャンかメイリンが起こしに来る時間だ。
しかし、セバスチャンもメイリンも来てくれないとはどういうことだ。
嫌な予感がし、簡単な着替えのみして屋敷の中を歩く。
すると、ジーメンスが使う予定だった部屋から話し声が聞こえてくる。何人もいるような声の数に不審に思い、そちらへ向かってみることにした。
『どうしたの?』
メイ「お嬢様っ・・・来ちゃいけねぇですだ!」
ジーメンスの部屋にはシエル、アーサー、ナマエ以外が集まっていた。
『なに?なにがあったの?』
メイリンが制止するが、見ないわけにはいかない。
押し退けて部屋の中に入ると、そこには胸に火掻き棒が刺さったセバスチャンが血まみれで横たわっていた。
『セバスチャン?』
驚きのあまり目を見開いたまま固まるナマエ。
しかし、頭の中は冷静だった。
セバスチャンは悪魔だ。こんなことで殺されるはずがない。きっとシエルもこうなることを見越して、昨夜暖炉のお願いをしたのだろう。
しかし、自分が冷静になればセバスチャンの死が偽装であることがバレてしまう。
自分だったらこんな時どうするか、頭を回転させた。
メイ「見ちゃ駄目ですだ!」
メイリンは固まっているナマエを抱き締める。メイリンも泣きじゃくっているようで涙が肩に落ちてきた。
『セバスチャン・・・何で、いや・・・』
ナマエも目から涙を溢れさせる。我ながら良い演技だ。
『いやぁああ!』
カクンと足を折り、崩れ落ちる。メイリンも一緒に床に座り込んで泣いていた。
落ち着きを取り戻したタナカが、シエルを起こしに行くと言い退室した。
『セバスチャンッ・・・セバス、チャン』
顔を手で覆い、泣くナマエのもとに、走ってシエルとアーサーがやってくる。
そして何事だと部屋を見ると絶句していた。
シエ「・・・・・いつまで遊んでいる。床がそんなに寝心地良いとは思えんがな」
シエルは現実を受け止められないという様子で、反応を示さないセバスチャンに問いかける。
シエ「いつまで狸寝入りを決め込むつもりだ」
バル「坊ちゃん・・・」
がっとセバスチャンを足蹴にし、火掻き棒を引っこ抜くと起きろと言うシエル。
セバスチャンが死んでいないと分かっている人間からすると面白い状況だ。
そして胸倉を掴み、怒鳴り散らす。
シエ「命令だ!セバスチャン!!今すぐ起きろ!!」
バシッ
『(指輪をしてる手で殴った・・・)』
セバスチャンは痛くないのだろうかと少し心配になった。
その後も何度も叩き続けるシエルに、バルドは腕を掴んでもう勘弁して欲しいと言う。
もう死んでるのだから、と。
シエ「死んでる・・・のか、セバスチャン・・・。
僕の執事であるお前が・・・お前は、お前だけは最期まで僕たちの傍にいるって・・・」
その様子を見ていたグレイは、ここに置いておくと傷むから地下に運ぼうと言う。
シエ「僕らをおいていくな、セバスチャン!!命令だ、命令だっ!!!」
叫ぶシエルと泣くナマエを、使用人たちは囲んで背中を擦ったりして気持ちを落ち着かせようとしていた。
グリ「一体どうなってんだ、この屋敷は!?一晩で2人も殺されるなんて!」
しかも、セバスチャンに至っては火掻き棒で刺すという酷い殺し方だ。セバスチャンの身体を見ると、後頭部に殴られた跡もあるという。
犯人はセバスチャンを確実に殺すために後頭部を殴った後胸を刺したのだろう。
アーサー「・・・おかしい」
アーサーは、後頭部を後ろから殴った後、前から胸を刺されていることに違和感を持った。
アーサー「もしかしたら・・・犯人は複数犯かもしれません」
アーサーはセバスチャンが殺された時の状況を推理する。それに便乗するように劉も考えを述べていく。しかし、そのどれもがセバスチャンの死をリアルに感じさせてしまうものだった。
フィニ「もうやめてよ!坊ちゃんとお嬢様がいるのにそんな話っ・・・!」
グレ「ま、確かにねー」
グレイは一度セバスチャンを地下に運び、食事でもしながら犯人が誰か話し合おうと言う。
使用人たちにセバスチャンの移動を頼むと、グレイは食堂へ向かっていった。
他の者もずっとここにいるのも、と食堂へ向かう。
残ったのはシエルとナマエ、そして使用人たちだけになった。
『とりあえず、セバスチャンを運ぼう』
シエ「ああ。取り乱してすまなかったな」
シエルは、セバスチャンが亡くなった今、タナカが自分たちの執事だと伝え、セバスチャンの胸についていた執事長のピンを渡した。
タナカはそれを受け取ると、凛とした表情になり使用人たちに指示を出していく。
タナカ「さぁ坊ちゃん、そのようなお姿ではお風邪を召されます。お嬢様も一度部屋へお戻りに」
『ええ』
タナカ「ファントムハイヴ家の当主たるもの、使用人ごときが死んだ程度で揺るがれてはなりませぬ。旦那様はその程度では決して取り乱したお姿は見せませんでしたよ」
2人に話しかけると、タナカはアーサーの方へ向かって行った。急いで寝室を出てきたため、客人にも関わらず裸足だったのだ。スリッパをスッと差し出す。
シエ「姉様、大丈夫か?」
『ええ・・・セバスチャンがいなくても、自分で何でもできるよ』
シエ「・・・」
ナマエはだいたいシエルたちがやりたいことは分かっているというような表情で答える。シエルも分かってくれたようで、小さく笑った。
タナカ「参りましょう坊ちゃん、お客様をお待たせするわけにはいきませんよ」
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