第12話
夢小説設定
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ケルヴィン男爵は、5年前の夜会で先代のファントムハイヴ伯爵とその子息、令嬢に会った日のことが忘れられないと話す。
見た目もさることながら、その親子が醸し出す雰囲気に惹かれたと。
その後ファントムハイヴ伯爵邸が襲撃され、子どもたちが儀式の子羊として買われたとの情報を得たが、ケルヴィン男爵は身体が不自由になっており見に行くことができなかったと。
そして“あの日”、儀式をした人たちはみんないなくなってしまった。
ケル「君たちだろう?伯爵、ミス・ナマエ。彼らを殺してあげたのは」
『っ・・・ぁ・・・』
ガタガタ震え始めるナマエ。隣のシエルも少し震えていた。
ケル「なんて羨ましい。冷たい月に看取られて逝く美しい最期・・・お願いだよ!僕も仲間に入れてくれ!見て!ちゃんと準備したんだ!
この儀式の間も、子羊たちも、そして最後は伯爵とミス・ナマエ、君たちだよ!」
パンッ
ケルヴィン男爵が話している途中で銃声が鳴る。そしてケルヴィン男爵の腹部から飛び出る血液。
シエ「フー・・・フー・・・」
シエルがケルヴィン男爵を撃ったのだ。
ジョーカーはそれに気づくと、セバスチャンの拘束から逃れ義手に付いていた隠しナイフを持ちシエルに突撃しようとする。
しかし、トン、と先回りしたセバスチャンにナイフを持っている腕ごと切り落とされ床に倒れ込んだ。
ケルヴィン男爵は、シエルにしがみつき、殺すならあの日の皆とお揃いの殺し方をして欲しいと言う。
シエ「あいつらとお揃いに?なら芋虫のように跪いて、悪魔にでもお願いするんだな」
ケルヴィン男爵を見下し、自分の手でとどめを刺そうとするシエルに、ジョーカーは叫ぶ。
そんな人でも自分たちの恩人だと、貧救院にはまだ幼い妹や弟たちがいて、ケルヴィン男爵の援助が無いと生きていけないと話す。
『・・・だから、子どもたちを、攫ったの?自分が助かるために・・・この人の言いなりになって他人を犠牲に・・・』
ジョー「・・・そうだ、間違っていることなんかはじめから分かってた。でも俺は・・・」
シエ「お前は間違ってない」
シエルはジョーカーの話を遮る。自分の世界を守るために戦ったのであればそれで良い。正義など所詮建前で、人間には奪うものと奪われるものの2種類がいると。
シエ「そして、今日お前たちは、僕に未来を奪われる」
ジョーカーはその言葉に諦めたように笑い出す。
ジョー「けどな、お前らも今夜大事なモンを失うことになる・・・団員たちがお前の屋敷に向かっている」
子どもたちが攫われたことに誰も気づかないのは、幼馴染であるサーカスの一軍メンバーが目撃者を消しているからだと話す。使用人も含め、全員。
『・・・リジー・・・!』
シエ「使用人が?」
よりによってエリザベスが来ている時に、と思うが、残してきた使用人のことを思い浮かべるとフッと笑みがこぼれる。
シエ「あいつらを誰だと思ってる。ファントムハイヴ家の使用人だぞ。
あいつらは僕と姉様、執事が選び雇用した私兵だ」
何があってもファントムハイヴ家の秘密と誇りを守る私兵。そんな使用人たちが負けるはずがない。
と、その時ガチャッと儀式の間の扉が開き、誰かが入ってくる。
「追加おまちどうさま」
全員声のした方を向く。そこにはサーカス団で医師をしている男がいた。
『先生・・・?』
医師「マリアに、ブラックにスマイル・・・ああ、そうか。ジョーカーが言ってたことは本当だったわけか」
車椅子に乗っていた医師は話しながら立ち上がり歩き出す。
ジョーカーが歩けるのかと医師に問うと、本当は何ともなっていない、ああしていた方がジョーカーらのような人たちには警戒されないから車椅子にしていたと答えた。
医師「ケルヴィン男爵!?」
医師は倒れているケルヴィン男爵に気づき、走り寄る。
身体を見ると血が大量に出ており手遅れだとわかる。
医師「やっと僕の理想を理解してくれるパトロンに出会ったのに」
セバ「理想?」
医師は良い笑顔で話し出す。
完璧な義肢を求めて開発を続け、究極の素材に出会うことが出来たという。
セバ「確かに貴方のお手製の義肢はとろけるような手触りでしたね。まるでボーンチャイナのような・・・」
医師「わかるかいブラック!この美しさが!
だけど実に惜しい。牛の骨なんかを混ぜて作るボーンチャイナなんかと一緒にしないでくれるかな。
僕の義肢はココでしか手に入らない素材を使ってるんだ」
ココでしか、という言葉にシエル、ナマエは気がつく。
ケルヴィン男爵の享楽、美しさのために連れてこられた子どもたち。ショーに参加させられ命を落とした子どもたちはどこへ行ってしまったのだろうか。
『まさ、か・・・』
医師「どこかに捨てる手間もいらなくなるし、最高のリサイクルだと思わないかい?」
医師は儀式のために檻に入れられていた子どもたちを指差しながら言い放つ。
そこでジョーカーも自分の義手が何でできているか気づいたようで、反射的に嘔吐する。
医師「ほらまたそうやって拒絶する。真実を知らなきゃ皆素晴らしいって褒めそやすくせに」
ケルヴィン男爵はそこを理解してくれ、材料と費用を湯水のように用意してくれたと話す。
そしてその手は檻の扉を開き中から少女を引きずり出していた。その少女もすでに廃人のように反応を示さず、されるがまま医師に引き摺られていく。
そして医師が向かったのは、儀式用の台。
そこに少女をドサッと乗せた。
『っあ、あぁ・・・』
シエ「あ・・・・」
シエルとナマエの目には3年前のあの日の光景が浮かぶ。
儀式台に無理矢理乗せられる光景、
ギラリと光るナイフ、
絶望
『お願い、やめて・・・』
医師「牛の骨は良くて人間はダメ?
誰が決めたんだい、そんなこと!」
医師はナイフを少女に向けて振り降ろす。