第11話
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翌朝
ドール「んーー、おはよう」
『おはようございます』
シエルをずっと抱き枕にしていたドールは起きてすぐシエルの様子を確認する。悪化していないとわかるとホッとして朝食へ向かっていった。
それを見計らったように、セバスチャンが入ってくる。
セバスチャンはシエルの様子を見た後、ナマエの顔色を見るといつもより白く、隈もできていた。
セバ「本当に寝ずの看病をされていたのですね」
『うん・・・こんな酷い喘息久しぶりだからさ。シエルまで居なくなったらって不安になっちゃって』
セバ「屋敷に帰ったらゆっくり休みましょう」
『やることが終わったらね』
きっとシエルも解決するまで足踏みする気はないだろう。それなのにただの寝不足で立ち止まるわけにいかない。
セバ「では、すぐに終わらせなくてはいけませんね」
セバスチャンはシエルの額に手を当てた。その感覚で目を覚ます。
セバ「おはようございます。だいぶ熱は下がられたようですね。お加減はいかがですか?」
シエ「良くはないが昨日よりはマシだ。姉様がいてくれたおかげだろう。そんなことよりも、僕のお使いはちゃんとできたんだろうな」
セバ「ええ、もちろん。もうここにいる必要はありません。皆さんがお食事なさっている間に参りましょう」
セバスチャンはシエルを着替えさせようとする。するとナマエの目蓋が下がってきていることに気づく。
セバ「お屋敷に戻るまでお休みになってください」
『ううん、まだ大丈夫』
ぷるぷると首を振り、眠気を覚ますように動くと、セバスチャンが「急ぎましょう」とシエルに話して支度を急いでいた。
シエルの着替えが終わると、セバスチャンは2人を両手に抱え、救護室を出た。テントを出ると、ウィリアムがスーツとしてではなく死神として仕事をする格好で出迎えた。
セバ「私どもは用事が済みましたのでお先に失礼します」
ウィル「飼い主つきであればどこへ行こうが関係ありません。どうぞご自由に。これで私もやっと安心して移動できます」
ウィリアムも潜入が済んでいたのだろう。名簿のファイルと死神の鎌を持っていた。
ーーー
街屋敷
ソーマ「シエル!!ナマエ!!お前たち俺になんの連絡も無しに2日もどこへ行ってたんだ!」
街屋敷に帰り、まっ先に出迎えたソーマ。捜索願いを出すところだったと言っていた。
シエ「お前には関係ない・・・ゴホッ、ゲホッ」
咳き込むシエルに、ソーマは風邪を引いているのではないかと聞く。しかしシエルは何ともないと突っぱねた。
ソーマ「嘘つけ!それにナマエもフラフラしてる!」
シエ「ついてない」
『ちょっと疲れてるだけだから』
ソーマを押し退け、2人は部屋に向かった。
これからすぐに出かけるため、伯爵、令嬢としての服を着る。シエルの方に時間がかかりそうだったため、セバスチャンは先にナマエのコルセットなど簡単なものの手伝いをし、シエルのもとへ向かった。
数分後、ナマエが自分で着替え終えて部屋を出ようとすると
『え?』
眼の前には通せんぼをしているソーマがいた。
ソーマ「ナマエ!お前は風邪を引いてるシエルが心配じゃないのか!?」
『心配だけど、私とセバスチャンがついてる』
ソーマ「・・・わかったぞ。お前はシエルを看病して寝不足なんだ!」
反論したくなったが図星のためぐっと唸る。
ガシッ
『わっ』
ソーマ「俺はシエルの親友だ!だからお前の兄でもあるからな!お前がシエルのために身を削るなら俺もお前のために身を削る覚悟だ!」
『どういう理屈?』
肩を組まれ、良い笑顔で話すソーマに押されて何も言えなくなった。
ソーマ「ほら、シエルを説得に行くぞ!」
『無理じゃないかなぁ』
ソーマに引き摺られるようにシエルの部屋に向かった。
『アグニさんも、何してるの』
シエルの部屋の前にはアグニが待機しており、そしてそこにちょうどシエルとセバスチャンが出でこようとしていた。アグニは先程のソーマと同じように通せんぼをしている。
セバ・シエ「・・・・え?」
ソーマ「ふふふふ、甘いぞシエル。俺が守ってるこの街屋敷から簡単に出られると思うなよ!」
『ごめん、シエル』
ソーマはアグニの後ろから顔を出した。そしてナマエの肩を抱きながらシエルに話す。
ソーマ「お前は風邪を引いている!それをお前の親友である俺が見逃すはずがないだろう!それに、ナマエだってお前の看病で疲れているんだ、姉の優しさに甘えて酷使させるなどありえん!」
シエ「誰が親友だ、ふざけたことを言うな。それに姉様のためにも早く仕事を終わらせるつもりだ」
そう言ってソーマの脇を通ろうとするシエル。しかしそれを許すはずがなく、ソーマはアグニに部屋から出させないよう命令する。
それに対してシエルが怒り、ソーマも反論し続けた結果、シエルは強く咳き込んでしまった。
それでも仕事に向かおうとするシエルはセバスチャンにソーマとアグニをどかすよう命令した。
セバ「かしこまりました」
セバスチャンが力技で2人を退かそうとした時、アグニが叫ぶ。
アグニ「セバスチャン殿もセバスチャン殿です!!それでもシエル様とナマエ様の執事ですか!!」
セバ「・・・・え?」
アグニ「同じ執事として・・・いえ、友人として言わせていただきます。ご主人様のお身体こそ第一!今回はたとえ命令違反だとしてもお2人の体調を思い、辛くともお止めするべきだと思いませんか!?ご主人様にいつも朗らかで健やかでいていただく、そのために命をかける。
それが執事の美学というものではないのですか!?」
すごい剣幕で話すアグニに、セバスチャンはそういう考えも一理あると納得していた。
セバスチャンが自分たち寄りの考え方になったとわかると、満面の笑みでシエルとナマエの方を向く。
ソーマ「そうと決まれば2人は寝ろ!シエルは俺が直々に看病してやる!シエルの執事はまずナマエの世話だ!アグニはお粥と薬湯だ!」
セバ「かしこまりました、参りましょうお嬢様」
アグニ「かしこまりました!」
『わ、あ・・・』
ナマエはセバスチャンに手を引かれ、部屋まで逆戻りする。着替えをしている間にセバスチャンはベッドを整えている。
『・・・本当に寝ても大丈夫?』
セバ「坊ちゃんもお休みになりますので、安心してお休みください。お疲れでしょう」
『・・・ん』
ナマエはいそいそと布団に入り込む。
横になった瞬間、気が抜け目蓋が下りてくる感覚がする。
セバ「坊ちゃんの看病、ありがとうございました」
セバスチャンが頭に手を当て、ゆっくり撫でる。その心地良さにすぐに眠りについた。