第11話
夢小説設定
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それからも何人か患者が来たためテントから出ることは叶わず、そのまま夕方まで仕事をしていた。
医師「ただいまー。遅くなっちゃった、ゴメンね」
『おかえりなさい。先生が留守の間にジョーカーさんが腕の調子がって言ってました』
医師「ああ、さっき会ってね。そこで診てきたから大丈夫、ありがとう。僕の医学書見て勉強してたんだって?」
どのように自分のことを言ったのか気になったが、探りを入れてきている雰囲気は感じない。きっと純粋に褒めてくれたのだろう。
『はい、先生の技術がすごいなぁって。義肢とか義手とか』
医師「そうか、わかってくれるかい?僕の理想の義肢を」
うっとりするような表情で話す医師に、マッドサイエンティスト感を感じて若干引き気味のナマエだった。
医師は、ずっと仕事してくれていたから休憩して良いと言ってくれた。ナマエは外に出ることに。
『セバスチャン、今来られる?』
誰もいないようなテントの裏側に行き、小声でセバスチャンを呼ぶ。
するとすぐにセバスチャンはやってきた。
『今大丈夫?そっちの状況を知りたくて』
セバスチャンは、今の時間一軍が公演に出ている間にテントを調べることにしたが、空中ブランコ担当の一人が足を捻ってしまい自分が公演に出ることになったこと、そして自分の番までに手前に陣取っているスネークのテントにいる蛇を捕獲してきて今はシエル1人で調査していることを話した。
『ぅえ!?今忙しいじゃない。早く公演に行きなよ』
セバ「御意」
セバスチャンはダッシュで公演のテントまで向かっていた。シエルが1人で調査しているとは大丈夫なのかと心配になり自分も向かおうとしたが、
医師「あ、マリア!ゴメンね。休憩していいって言ったけど足を捻っちゃった人がいてさ、手伝い来られる?」
医師が車椅子に乗ってナマエを探しに来ていたようだ。セバスチャンとの会話は聞かれていないだろうが一瞬緊張が走った。
『(セバスチャンが言ってた人のことかな)はーい、今行きます』
しかしヘラっと笑ってすぐに行くと伝えると医師はUターンして救護室に戻っていった。
『(シエル、大丈夫だといいけど・・・)』
バレないことを祈るばかりだった。
ーーーー
『今日も無事公演が終わりましたね』
ガヤガヤし始めるテントの外の様子に、今日も大盛況だったのだとわかった。
医師「しかも怪我人も少ないかもしれないね。良かった」
怪我人が少ないのはナマエも嬉しかった。今からシエルたちのところへ急いで向かいたかったからだ。
『ちょっとお兄ちゃんの所行ってきます・・・!?』
医師に了承を得て救護室を出ようとすると、眼の前にはシエルとセバスチャンがいた。
しかもシエルはゼェゼェと苦しそうに息をしていた。
『スマイル!大丈夫!?スマイル!』
ナマエはシエルに駆け寄る。医師はシエルをベッドに寝かせるよう言うと様子を見た。
医師「喘息だね」
『喘息・・・』
セバ「3年ほど一緒に居りましたが、今日のような症状は初めて見ました」
『昔喘息になったことあるって前に聞いたことある』
シエルの昔のことを知っていると周りの人間が混乱するだろうと思い、本人に聞いたことがあるという設定で話すことにした。
医師は、3年症状が無ければ治ったも同然だが、寒さやストレスなどで突然ぶり返すことがあると話す。
その時、シエルが目を覚ました。
『スマイル!良かったぁ』
シエルは水を飲みながら状況を把握していた。そしてぼーっとしながら医師の話を聞く。
医師「スマイル、熱と咳が治まるまで絶対安静!いいね!」
『先生、私スマイルの看病しますね』
医師「ああ。でもマリアもきっと疲れてるから休みながらで良いからね。ずっと診てる必要はないだろうから」
そう言うと、救護室にはシエルとナマエだけになる。救護室内にはシエルの苦しそうな息遣いが聞こえている。
『シエル・・・無理しないでほしいのに・・・』
シエ「ゼェ・・・・ゼェ・・・」
シエルは一度ナマエに目を向けると、ゆっくり目を閉じた。
ナマエはその後もシエルが咳き込んだら様子を見たり、額のタオルが温かくなったら冷水で冷やしてかけ直したりしていた。