第9話
夢小説設定
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「お待ちを」
そう言ったのは、サングラスをかけ、ムチを持った人物、ジョン・ブラウンだった。
静まり返る会場。驚いていたのはシエルやナマエ、セバスチャンもだった。
ジョン「その勝ぶっ!!」
トロフィーを奪ったジョンは、後ろから来ていた馬の脚に潰される。それを見ると会場はざわざわし始めた。
そしてその馬に乗っていたのは女性だった。
バルド「誰だ?あのファンキーなバアさん」
劉「あれは・・・」
タッ
劉の横からシエルとナマエがいなくなる。
シエ「女王陛下!なぜこのような場所へ!?」
シエルとナマエはヴィクトリア女王のもとへ走っていたのだ。
焦るシエルたちを他所に、「ごきげんよう」と優雅に挨拶をしている。
ジョン「女王からお話があるそうです」
馬の脚の下から抜け出し、起き上がったジョンは出場者や司会者らに向かって話す。
女王「このカリー対決とても素晴らしかった。会場に満ちる香りにワイト島でアルバートと食べたカリーを思い出しました・・・・
アルバートォォオオ!!」
女王は亡くなった夫を思い出し、うずくまって大泣きしている。ジョンが慰めていたが周りはみんな引いている。
女王「この勝負、審査員として招待状をいただいた私にも一票はあるのよね」
落ち着いた女王は、涙をタオルで拭くとトロフィーを持って階段を登った。
女王「私が選ぶのは・・・
ファントム社の執事セバスチャン、あなたよ」
セバスチャンにトロフィーを渡す。しかしそれを受け入れられないウエストが声を上げる。自分たちのカリーが、カリーを詰めただけのドーナツに劣っているのかと。
女王「あれをご覧なさい」
女王は試食をしている観客の方を指差す。
そこには、一つのプレートの上にあるたくさんのカリーの小皿を上手く扱えずにこぼしてしまっている子どもとそれに焦っている母親、そして紙ナプキンを使ってカリーパンを持ち楽しそうに食べている子どもたちとフィニ。
子どもでも食べやすいように、さらに富める者も貧しい者もみんな平等に、という優しさが英国には大切で、その精神のあるファントム社を評価したいと話す。
女王「よって、この品評会の優勝者をファントム社といたします」
ガクッと膝から崩れ落ちるウエスト。アグニも愕然としているようだった。
ウエ「俺の計画が・・・ロイヤル・ワラントが・・・」
肩を落としながらフラフラと歩き出すウエストのもとへ誰かが走り寄る。
「だんな様!」
ソーマは横を通ったその人物に目を見開いた。なんと探していた女性、ミーナだったのだ。
ソーマがミーナに声を掛けると、驚いたような顔になっていた。
ソーマはすぐにミーナを抱き締める。連れ去られて心配した、会いたかったと。
ソーマ「もう心配いらない、一緒に城に帰ろう!」
ミーナ「馬っ鹿じゃないの?」
ミーナの顔は一転、ソーマを見下すような苛ついたような表情になっていた。
『(・・・ミーナさんは、自分から英国に来たのか)』
ミーナ「こんな所まで追ってきて人の邪魔して、何様のつもり!?一緒に帰る?笑わせないでよ!誰があんな所に帰るもんですか!」
ミーナはソーマに次々に罵声を浴びせる。アグニはこれをソーマに知られたくなかったのだ。
ミーナのことを愛していたソーマ。英国に連れて行かれたと思って必死に助けようとしていたが、ミーナはそうではなかった。
身分階級、召使という立場に嫌気が差し、英国貴族と結婚するという方法で自らインドを抜け出したのだ。
ミーナ「それにね、我侭なアンタの面倒を見るのはもうたくさん!」
『・・・・ひどい』
シエ「・・・」
ソーマがミーナの本性を知ってしまったことに絶望していた。純粋な王子がミーナの本性を知ったらどうなってしまうのだろうかと。
激昂するか、嘆き泣き叫ぶか・・・・
ソーマ「そうか、悪かった・・・」
ソーマは儚い笑顔でそう答えた。それにはアグニも固まる。
ソーマ「ミーナの迷惑も考えず英国まで追いかけて来てすまなかった。それから・・・今までありがとう」
そう伝えるとソーマは歩き出す。
ミーナの横を通り過ぎ、自分の不甲斐なさを嘆き後悔しながら歩き続け、そしてアグニのもとへ。
ソーマ「お前はこんな俺のそばに居てくれたんだな。俺から離れてもずっと。今まで迷惑をかけてすまなかった。
また俺の傍で、俺の執事でいてくれるか?アグニ」
アグニ「御意の、ままに・・・」
どこか大人になったような優しい顔でアグニに問いかける。アグニも、主のためとはいえ一度裏切ってしまった身だからと、ソーマの傍にいられなくなると思ったのか、涙を流しながら返事をしていた。