第9話
夢小説設定
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司会「そして本日の出場店はこちら!」
様々な店のシェフたちが名前を呼ばれていく。
ファントム社の名前が呼ばれると、やはりざわつく会場。出場するセバスチャンが料理人ではなく執事だったことや、菓子会社なのにカリーの品評会に出ることに驚かれていた。
司会「では、料理はじめ!!」
司会の号令とともに包丁の音が響く。
一際目を引くのが、やはり神の右手を持つアグニ、そしてセバスチャン。素早くスパイスを選び取り、鍋の中に入れていく。
シエ「今回も簡単には負けそうにないな」
『こうなるだろうとは思ってたけどね』
カリーが煮立ってくると、ついにセバスチャンは鍋にチョコレートを入れ始めた。
観客たちは驚き、困惑していた。
ウエストもファントム社の宣伝の仕方は斬新だと言っていたが、アグニにはチョコレートに含有されるスパイスが目的だとわかっていた。
アグニ「(ですが、私も負けられないのです。私の神のために!!)」
そう言って取り出したのは青くて大きなエビだった。青い貴婦人(オマールブルー)と呼ばれる貴重なエビだという。
ウエスト社は高級な希少価値の高い食材を使い、優勝を狙っていたのだ。
一方セバスチャンは、パン生地のようなものを作り始めていた。
ナーンを作るつもりなのだろうか。しかし、この会場には本格的な壺はない。
ソーマはカリーだけが完璧でも勝てないと確信した。
アグニ「(ナーンだけではない、カリーを煮込む火加減が強すぎます。このままではあっという間に煮詰まり、せっかくのカリースープが台無しだ)」
アグニもまた、自身の勝利を確信していた。
そしてついにタイムアップ。いよいよ審査に移る。
最初の3社はカリー粉を使用しており、プロの料理人がカリー粉を使うなど言語道断だと言われ、次の料理人はスパイスからブレンドしているようだが辛さのみが強くて風味が飛んでいると言われた。
次はアグニの番。
アグニは審査員の前にプレートを置き、蓋を取った。
アグニ「オマール海老と7種類のカリーのターリです」
一枚のプレートの真ん中に大きなエビとライス、その周りを囲むように七枚の小さい皿にカリーが入っていた。
もちろん審査員は絶賛。
ドルイット子爵は「最高のカリーだ」と褒めている。
褒めちぎられるアグニのカリーに、ロイヤル・ワラントをもらう気でいるウエストはフッと口角を上げた。
司会「さぁ、これで優勝は決まってしまうのでしょうか!?最後に控えしはファントム社です!」
セバ「私のカリーはこちらです」
審査員の前に行き、蓋を取る。
審査員「これは!!」
プレートの上にあったのは、白くて丸い塊。
そしてそれを油で揚げた。
ドーナツでも作る気かとソーマやバルドが叫ぶが、シエルとナマエは至って冷静だ。
セバスチャンに考えがあるとわかっているからだろう。
全面茶色に焼色がついたら完成だ。
セバ「完成しました、これが我が社のカリーです」
審査員「だからカリーはどこに・・・」
ドル「お待ちください!これは・・・!」
ドルイット子爵はなにかに気づき、揚げ物の真ん中にナイフを入れた。すると中から溢れるカリー。
セバスチャンがカリーを煮詰めていたのは、パンの中からカリーが滲み出てしまわないようにするためだったのだ。
セバスチャンはこれを“カリーパン”と言っていた。
審査員「と、とにかく試食だ」
審査員はサクッと子気味の良い音を立ててカリーパンを食べる。表面だけでなく、内側のパンとカリーとの食感のグラデーションを絶賛していた。
ドル「おお・・・夜会で出会った2人の可憐な美少女。昼間は子どもっぽく囀る悪戯な駒鳥。でも夕暮れの君たちは真実の顔を覗かせる。仮面の下の蠱惑的な微笑、そこにいたのは少女ではなく女(レディ)。
私は君たちを・・・抱き締めてしまいたい!!」
ミュージカルのような動き、台詞のあとに冷静になって斬新なアイデアだったと褒めていた。
『なんか鳥肌が・・・』
シエ「僕も・・・」
劉「?」
司会「さあさあお待ちかねのご試食タイムです!お好きなカリーをお召し上がりください!」
観客がカリーに群がっていく。審査員が絶賛したアグニとセバスチャンのカリーがやはり人気のようだ。カリーを求め長蛇の列ができている。
観客が試食している間に審査員たちが話し合い、優勝者を決めていた。
数十分後
司会「お待たせいたしました、話し合いを重ねた結果、此度の品評会の優勝者は・・・・
ハロルド・ウエスト社、ファントム社、両者の同時優勝とさ・・・」
司会が話している途中で、持っていたトロフィーが何者かに奪われる。