第9話
夢小説設定
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翌日、昼食の席でセバスチャンから神のカリーが作れたと報告があった。
セバスチャンなりに、味を変えずにコクを出す方法を考えたのだと。
セバ「どうぞご賞味ください」
コト、とソーマやシエルたちの前にカリーが置かれる。ソーマに一番に食べてもらおうと、シエルたちは黙ってソーマの様子を見ていた。
ソーマ「これはアグニの・・・神のカリーじゃない。だがインドカリーのスパイスによる複雑な旨味はそのままに、英国人にしかできない味付けで新たな深みを出している。
このカリーも神のカリーに相応しい。美味かったぞ、執事」
懐かしそうに微笑みながら感想を述べるソーマ。セバスチャンも笑みを浮かべて応えた。
しかし、一晩でどうやってここまで辿り着いたのだろうか、とソーマが不思議に思っているとセバスチャンは懐から何かを出した。
それは
「『チョコレート!?』」
ファントム社のチョコレートだった。
チョコレートにはカカオや油脂、ミルクなどが入っており、カリーに濃厚なコクを与えるらしい。
シエルたちのガトーショコラの皿を片付けているときに思いついたとシエルを見ながら言うセバスチャン。
カリー作りの邪魔をしてやろうと思ってガトーショコラを頼んだシエルは、悔しそうに舌打ちをしていた。
これでアグニに勝てるかもしれないと喜ぶソーマ。
『でも、まだ勝てると決まったわけじゃないよね』
シエ「そうだな。“追いつくこと”と“勝つこと”は違う」
アグニの、神のカリーに追いついただけであって抜かしたわけではない。このままでは勝つことはできないだろう。
そう話すシエルに、セバスチャンは全く焦っていないような表情で「現時点ではそうなる」と答えた。
劉「その顔は何か秘策があるんだね、執事くん」
セバ「ええ。ファントムハイヴ家執事の名にかけて、必ず我が社にロイヤル・ワラントを!」
ーーーー
品評会当日
シエルたちは使用人一同を連れ、会場に来ていた。使用人たちは象や蛇使いなど、英国では珍しいものに目を輝かせていた。
劉「やぁ、伯爵、お嬢。とうとう本番だね」
応援に来ていた劉は、膝に女性を乗せていた。
シエルがジト目で見ると、血の繋がっていない妹だという。本日の品評会は、観客にもカリーが振る舞われるから食べさせてあげたかったと。
シエル、ナマエ、劉とセバスチャンが話していると、後ろから声がかけられる。
「これはこれは、ファントムハイヴ伯爵とご令嬢じゃありませんか」
声をかけてきたのは、アグニを脅して味方につけていたウエストだった。
シエ「ああ、ウエスト殿」
『お久しぶりです』
ウエ「またお目にかかれて光栄です!相変わらず仕立ての良いコートとドレスをお召しだ」
『・・・』
シエルとウエストが話している間にチラ、とソーマの様子を見る。ウエストがいるとわかり、しっかり物陰に隠れたようだ。
ソーマはウエストの屋敷で顔を出してしまった。いることがウエストにバレたら大騒ぎされるだろう。
ウエ「カリーの品評会に出場なさるとは驚きましたよ。我が社も負けていられません。凄腕のシェフを雇っているんです」
シエ「へぇ・・・」
ウエ「それより、今日は女王陛下がいらっしゃると小耳に挟んだのですが・・・」
シエ「さぁ?陛下はアルバート公が亡くなられてから、あまり公の場にいらっしゃらないから」
ウエストは、ロイヤル・ワラントを頂くのだから、自分の会社のカリーを女王陛下にも食べてもらいたいと話す。
ウエ「おっと、長話が過ぎましたね。ではまた後程!」
機嫌良く去っていくウエストの背中を見ながら、シエルはロイヤル・ワラントをもらう気でいる奴が負けるのを見るのが楽しみだと話す。
セバ「御意。では私もそろそろ出場者控室へ行ってまいります」
セバスチャンが控室に向かうと、シエルたちも客席に向かった。すでに客席にはたくさんの人がいる。全員カリーを食べるのを楽しみに来たのだろう。
少しして、司会の男性が大きな声で話し始めた。
司会「さあさあ、ロンドン味自慢カリー店によるカリー品評会のお時間です!本日は特別に観客の皆様にもカリーのサービスがございます!お楽しみにお待ちくださいませ!」
司会の煽り方が上手く、会場が盛り上がった。
次に審査員の発表があった。
宮廷料理人のハイアム料理長、
徴税官としてインドに派遣されていたカーター、
そして
芸術と美と食を愛するドルイット子爵
シエ「『!!?』」
シエルとナマエはドルイット子爵を見た途端鳥肌を立てる。周りの観客たちはキャーキャー黄色い声援を浴びせていたが、シエルたちには良くない思い出がある。闇オークションの件で逮捕されていたが、お金で出てきたようだ。
司会「そして本日の出場店はこちら!」
様々な店のシェフたちが名前を呼ばれていく。
ファントム社の名前が呼ばれると、やはりざわつく会場。出場するセバスチャンが料理人ではなく執事だったことや、菓子会社なのにカリーの品評会に出ることに驚かれていた。