第8話
夢小説設定
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談話室に戻り、片付けをするとウエストについての話し合いが始まった。
ウエストの計画は、カリーの品評会に出て英国王室御用達(ロイヤル・ワラント)を取ろうとしているのではないかと推察した。
ロイヤル・ワラントをを貰えた店は、売上が確実に伸びるため、それを狙っているのではないかと。
そして、そのために品評会に出場するライバルを潰そうと、アグニを使って逆さ吊り事件を起こした。
『アグニさんは、ミーナさんをダシにこの事件の片棒を担がされたってことかな』
シエ「ああ。自分の“神”のためにな」
現場に残されていた貼り紙には、偽装以外にも意味があった。舌を出しているようなイラスト、これはアグニにとっての神であるソーマに祈りと謝罪の気持ちを表しているようだ。
セバ「アグニさんは貴方から離れたあとも、貴方を信仰し貴方のために生きている、良い執事を持たれましたね」
しかし、この事件は表の人間のもののため、市警に任せれば良い。ファントムハイヴ伯爵の出る幕ではないとソーマに伝えると、アグニとミーナはどうなるのだと狼狽えていた。
ソーマ「・・・確かにこれは俺の問題だ。俺1人でなんとかする方法を考えてみる」
シエ「良い心構えだ。じゃあ僕は僕で仕事をするとしよう」
ぐぐ、と伸びをしながら話すシエル。
ウエストに勝つついでにファントム社もロイヤル・ワラントを貰おうという話になった。
『食品にも手を広げたいって言ってたもんね』
シエ「そうだな。最初に品評会で御用達をいただけば話題になるのも間違いない」
劉「でも今から食品事業部を作るったって1週間しかないんだよ?カリーの専門家やら機材やら店舗やら間に合うのかい?」
シエ「そんなもの必要ない、そうだろうセバスチャン」
シエルとナマエはセバスチャンを見る。悪魔であるセバスチャンにはそんなこと造作も無いだろうと。
セバスチャンもそう思っていたようで自信満々に答えようとするがソーマに「それは無理だ」と遮られた。
ソーマ「あっちにはアグニが、神の右手があるんだ」
シエルたちは、セバスチャンと戦ったアグニのことを思い出していた。互角の戦いを見せるアグニの右手がカリー対決と何の関係があるのかと。
ソーマは、アグニが“神の右手”を持つと言われている理由を話し始めた。
本物のカリーは何百という種類のスパイスを調合し最高のカリーを目指す。スパイスの分量が少しでも変わればカリーの味も香りも変化する。
アグニは指先一つで無数のスパイスの中から最良のスパイスを最適な分量で調合し、奇跡のカリーを作り出すと。
シエ「つまり、“神の右手”とは」
劉「神レベルの“強さ”じゃなくて、神レベルの“カリー上手”ってこと?」
『だそうよ、セバスチャン』
セバ「それはそれは、手強そうですね」
言葉とは裏腹に笑みを浮かべながら答えるセバスチャンだった。何か考えがあるのだろうか。
ーーーー
翌日、朝早くから厨房に立ち、セバスチャンはカリー作りを始めていた。参考書やレシピを見ながらチキンカリーを作り上げ、昼食に出すと
ソーマ「まずいッ!!」
一口食べただけで顔を青ざめさせていた。セバスチャンが気に入らなかったのかと聞くと、またセバスチャンに責められるのではないかと狼狽える。
セバ「結構ですよ、そのまま続きを」
セバスチャンはファントムハイヴ家のためならストイックになる。それすらも美学なのだろう、ソーマに自分のカリーに足りないものを聞いていた。
ソーマ「まず味が薄いし香りが全然ない。粉っぽくて口当たりも悪いし、こんなのカリーじゃない」
セバ「おかしいですね、最高級のカリー粉を使用したのですが・・・」
ソーマ「カリー粉?何だそれは」
『知らないの?』
ソーマは、カリー粉は本場には無いと話す。カリー粉は、スパイスの調合が大変な英国人に合わせてすでに挽いて調合したもので、英国独自の文化だったようだ。
インドのカリーを作るためには、カリー粉を使うなど論外。品評会でも勝てないだろうという話になった。
貿易会社支店長である劉に協力を仰ぎ、スパイスを取り寄せることにした。