第8話
夢小説設定
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2人はソーマの寝泊まりしている部屋で話していたため、扉の外から様子を伺う。
中からはセバスチャンの落ち着いた説教の声が聞こえる。
セバ「ここは英国で、ファントムハイヴ伯爵のお屋敷です。あなたの国でも城でもない。ここではあなたは私に何一つ命令する権利を持たないただの餓鬼でしかない」
ソーマがセバスチャンに強く何か言ったのだろうか。セバスチャンは今のソーマの立場を伝えていた。
セバ「アグニさんがいなければ何もできない無力な子ども。その頼みの綱のアグニさんにも裏切られてしまいましたけどね」
ソーマ「そうだ、俺にはもう何もない。みんな失ってしまった・・・」
セバ「クス、失う?呆れた被害妄想ですね。
あなたは失ったんじゃない。最初から何も持っていないじゃないですか」
『こわぁ・・・』
ナマエは身震いする。丁寧に敬語で話しているのもまた精神的に追い詰めていそうだ。現にソーマは言葉を失っている。
セバ「親から与えられた地位、親から与えられた城、親から与えられた使用人。初めから貴方のものなど何一つありはしない。そうでしょう?
アグニさんのことも薄々感づいていたんでしょう?けれど1人で確かめる勇気もなかった」
ソーマ「違うっ」
セバスチャンの話を聞いているうちにソーマはだんだんと俯き始め、終いにはセバスチャンの言葉を否定し、もう聞きたくないと言うように部屋から出ようとする。
バァン!
扉を抑え、ソーマが外へ出ていかないよう通せんぼする。
セバ「違わないでしょう?いざ事実を突きつけられたら今度は悲劇の主人公気取りですか?本当にどうしようもない餓鬼ですね」
ソーマ「でもっ、でも・・・みんなずっと一緒にいてくれるって・・・」
セバ「社交辞令に決まっているでしょう」
『シエル、どうする?』
シエ「・・・はぁ」
劉「可哀想になってきたね」
セバスチャンの躾という名の責めに絶望の色を見せ始めたソーマ。シエルとナマエも、ソーマの気持ちもわからなくもないため、助け舟を出すことにした。
セバ「見返り無しに誰かに仕えたりするはずがない。スラム街なら3歳児でも知ってますよ。
誰も貴方を愛してたわけじゃない」
『セバスチャン』
シエ「そのへんにしてやれ」
シエルとナマエは部屋に入り、セバスチャンの話を止めた。
シエ「僕だってそいつと同じだったかもしれない。
あの1か月が無ければ」
シエルとナマエは、ファントムハイヴ家が襲われてからセバスチャンと契約した日までのことを思い出していた。
シエ「僕らは、家族を殺され、家を焼かれ、家畜にも劣る屈辱を味わわされた。僕は無力で、子どもだった・・・」
『っ・・・』
シエルは指輪を付けている手を握りしめ、ナマエは服の裾を掴んだ。
シエ「だから僕は僕らをそんな目に合わせた奴らに同じ屈辱を味わわせるためにこの場所に戻って来た」
3年前に先代たちを殺した人物にとってファントムハイヴが邪魔なのであれば、シエルが当主の椅子に座り続ければまた狙ってくるため、ずっと待っていると言う。
ソーマ「なんで、そこまで・・・」
大事な人を失っているにも関わらず強くいられるのかと問うソーマ。シエルは、悲観して嘆いて立ち止まっても何も変わらないと話す。
シエ「例え地獄のような場所で絶望の淵に立たされたとしても、そこから這い上がれる蜘蛛の糸があれば諦めずにそれを掴む。
僕ら(人間)はその強さを持っている。掴むか掴まないかは本人次第だがな」
シエルはまっすぐソーマを見て話すと、踵を返し去っていく。ウエストの件でもう少し話をするようだ。
ナマエもセバスチャンもそれに続いていく。
階段を降りたとき、後ろからソーマが追いかけてくることに気づいた。
ソーマ「シエル!俺は恥ずかしい。俺は17にもなるのにお前よりずっと馬鹿で世間知らずだ」
周りの人のことなど考えていなかったと嘆くソーマ。そしてアグニとミーナに直接会って何故自分のそばを離れたのか聞きたいと話していた。
ソーマ「だから頼む、俺も一緒に・・・」
シエ「断る。お前のような世間知らずのお守りはごめんだ。
・・まぁ、談話室のドアには最初から鍵はついてないがな」
ソーマ「シエルッ!」
談話室に鍵がついていない、その意味を理解したソーマは嬉しくてシエルに抱きついていた。
そして、八つ当たりしてカップを割ってしまったことを謝罪する。セバスチャンにも怯えながら謝っていた。
『ふふ、良かったね。お友だちだ』
シエ「誰がだ」