第8話
夢小説設定
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部屋の中ではまだ言い争いが続いている。
ウエストは、掴みかかってくるソーマを殴って黙らせるようアグニに命令する。
アグニは今ウエストを裏切ることができない様子。始めは躊躇していたが、目をぎゅっと瞑りソーマに向かって手を振り上げる。
ソーマに手が振り下ろされる瞬間
バシィ
何者かが2人の間に入り、アグニの手を止めた。
何者かが振り返ると、
「鹿?」
鹿の顔をしていた。
ウエ「なななんだコイツはぁあ!?」
叫ぶウエスト。鹿がくるっとウエストの方を向くとビクッと肩を震わせていた。
セバ「私、こちらの王子をお迎えに上がった鹿でございます」
深々と頭を下げる鹿に、再度肩を震わせる。
『セバスチャン、楽しんでる?』
劉「鹿の剥製を被ってくなんて、ナイスアイデアだよね執事君」
シエ「どこがだ」
部屋の外では3人がセバスチャンの奇行について話していた。その間も部屋の中ではウエストが大騒ぎしている。
鹿を敵のスパイだと思ったウエストは、アグニに鹿を殺すよう命令する。渋るアグニに「あの約束がパァになってもいいのか」と。
アグニは目から血を流す。そして神のためだけに使うと決めた右手の包帯を取る。紙を裏切ることに懺悔しながら。
アグニ「おおおおおおお」
ドッ!!!
アグニは物凄い速さで鹿に向かっていく。しかし、鹿はソーマを抱え避けた。そのためアグニの右手が破壊したのは鹿の後ろにあったチェストだった。
ウエストは、ブランド物のチェストが壊れたことに絶叫している。
その後もアグニはもう鹿しか目に入っていないようで、鹿に向かって拳をぶつけていくがどれも鹿に避けられ、ウエストの大事な家具だけが破壊され続ける。
劉「なんかヤバそうだね、先に脱出しよう」
『うん』
シエ「うわっ」
劉はシエルを抱き上げ、出口へ向かう。
さすがに劉はセバスチャンのように2人を抱えるのは難しいためナマエは1人で劉についていくことに。
シエ「この騒ぎじゃ人目につく!お前もそいつを連れて脱出しろ!」
セバ「御意」
セバスチャンの返事を後ろで聞きながら劉、シエル、ナマエは入ってきた場所から脱出した。
後ろから壁が破壊される音が聞こえたため、きっと強行突破したのだろう。
ーーーーー
屋敷へ帰り、先程の出来事について話していた。
アグニの目から血が出て身体能力が向上したことに対して、ソーマは“精神集中”だと言っていた。
宗教的な一種のトランス状態だという。信仰のために強大な力を出すことができる。アグニにとっての神であるソーマのために人間には持ち得ないほどの力を出していたのだ。
セバ「私達には持ち得ない、誰かを信じ愛することで生まれる“信仰”という力」
シエ「・・・・」
『・・・・』
誰かを信じ、愛する。
シエルとナマエは目を合わせるが、お互いに“アグニのようにはなれないな”と小さく笑って目を逸らした。
ソーマ「ならば何故、俺を裏切る・・・何故俺を勝手に置いていく!?」
ガシャァアン!
とテーブルにあったティーセットを八つ当たりのように払い落とす。
『きゃあっ!』
シエ「っ、お前!」
小さな正方形のテーブルだったため、全員のティーカップが床に散らばった。
ソーマは叫び続ける。何故自分の周りの人間ばかりいなくなるのか、と。
言いたいことを言い終えると、勢い良く談話室を出ていった。
セバ「皆様大丈夫ですか?」
劉「避けたから大丈夫だよ」
『私も』
セバ「嗚呼、せっかく坊ちゃんとお嬢様にお似合いだと思って取り寄せたティーセットが・・・。
彼は、少し躾直して差し上げたほうが良いようですね」
苛立ちや呆れもあるが、どこか楽しそうにそう呟く。
ツカツカ歩いていくセバスチャン。
『・・・追いかけたほうがいいかな』
劉「王子様、可哀想なことになりそうだからね。執事君怖いもん」
シエ「アイツも少しは痛い目を見たほうが良い」
しかし、セバスチャンの躾に、甘やかされて育ったソーマが耐えられるとは思わない。
3人はため息をついてセバスチャンを追うことにした。