第7話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーーーー
シエ「で?結局お前の探している女は何者だ?」
夕食の席でシエルがソーマに問いかけた。
その女性は生まれたときからいた侍女で乳母のようなものだったようだ。父にも母にも見てもらえず、宮殿で一人ぼっちだったソーマに姉のように優しく接してくれたという。
ソーマもミーナもお互いに愛していたのに、英国貴族が来て英国へ連れて行ったらしい。
シエル、ナマエは無表情でソーマの話を聞いている。
劉「どういうことだい?」
ベンガル藩王国に英国が派遣した政治顧問がソーマの王宮へ行った時に、ミーナを目にとめ無理やり英国に連れて行ったという。
しかもソーマが街の視察で不在だった時に。
『・・・・そっか』
シエ「つまり英国には女を連れ戻しに来たわけか」
ソーマ「そうだ!絶対に連れ戻して一緒に帰る」
シエ「そんな使用人の女1つで大袈裟な・・・」
ソーマ「大袈裟じゃない!!ミーナのいない王宮なんか中身の無い箱と一緒だ!」
立ち上がりシエルの傍まで来ると、ガっと胸ぐらを掴んで鬼気迫る顔で怒鳴る。
ソーマ「お前にはナマエがいるからわからないんだ!!お前にミーナと引き離された俺の絶望がわかるのか!!?俺がどんなにっ」
シエ「わからんな」
ソーマの言葉を遮り、シエルは依然として無表情で突っぱねる。その雰囲気にソーマは口を噤む。
シエ「その程度のことで感じることができる、“たかが知れた絶望”など僕には理解できないしする気もない。
どんなに足掻いても取り戻せないものもある、抜け出せない絶望もある。
僕と姉様はその絶望を味わった」
ソーマはナマエを見るが、ナマエは目が合うとすぐに逸らし部屋を出ていこうとした。シエルも後に続いてくる。
2人が扉に手をかけたとき、
ソーマ「それでも俺は・・・もう嫌だ、あの宮殿で独りになるのは・・・」
辛そうに手を握りしめながらソーマが呟く。その声は静まり返った部屋によく響いた。
それを聞くとシエルとナマエは静かに出ていく。
シエルとナマエの脳裏には、大切だった家族たちが浮かんでいた。
シエ「はぁ・・・僕は後でもう少しアイツと話してみる。姉様は休んでていい。セバスチャンに向かわせる」
『うん』
シエルと別れ、自分の部屋へ向かった。
湯浴みを済ませ、ベッドで本を読んでいるとノックが聞こえる。
セバ「お嬢様、起きていらっしゃいますか?」
『うん』
返事をすると、セバスチャンは部屋の中に入ってきた。先程シエルがセバスチャンを向かわせると言っていたため、来たのだろう。
ナマエは本を閉じるとセバスチャンの方を向いた。
『シエルは?』
セバ「ソーマ様と遊ぶ、とトランプを持って行かれました」
『そっか・・・』
なんだかんだ、生い立ちに親近感を持ったのだろうか。
セバ「お嬢様、夕食に手を付けずに退室いたしましたが、お腹はすいていないのですか?」
『・・・・すいてない』
ナマエはもともと少食の方だ、一食くらい抜いても平気なことが多い。
セバ「・・・執事の私が甘やかしてしまうのは本来いけないのですが、ホットミルクでも用意いたしましょうか?」
『いいの?』
寝る前に甘いものなど、虫歯になるからダメだといつも口を酸っぱくして言っているのに、良いのだろうかという目で見る。
セバ「お嬢様の心身の健康が大事ですから。身体の健康だけではいけないでしょう?」
『ありがとう』
お礼を述べるとセバスチャンは一度退室し、少ししてからホットミルクを持って来た。
セバ「お持ちしました、お嬢様」
『・・・・・あったかい』
ホットミルクははちみつが入っていたようで甘かった。
ほっと息を吐くと、頬が緩む。
セバスチャンも微笑んだナマエに安心したようだ。
ホットミルクを飲み終えると、ナマエは布団に横になる。
『セバスチャン』
セバ「?」
布団から顔を出し、セバスチャンを呼ぶナマエに頭に「?」を浮かべた。
『眠るまで、いてくれる?』
セバ「クスッ、“命令”すれば良いのでは?」
『・・・命令しないと、いてくれないの?』
その一言に目を見開くセバスチャン。
しかし、そのセバスチャンにクスッと笑ったのはナマエだった。意地悪な質問だったか、と。
『ごめん、困らせちゃった?大丈夫だよ、ひとりで・・・?』
突然ナマエの唇に人差し指が当てられる。
セバ「お嬢様がよろしければ、お休みになるまでお供したいのですが」
『・・・うん』
お互いに遠回りな言い方に笑い合う。
2人とも一緒にいたいのだろう。
ナマエはもぞ、と横を向き縮こまる。この体勢が一番落ち着くのだ。ちら、と前を向くとセバスチャンの燕尾服が見える。
ゆっくり目を閉じると「お休みなさいませ」と優しい声が聞こえてくる。
ホットミルクで身体が温まったのもあり、すぐに夢の世界に入っていった。
セバ「・・・クス、この私が人間の小娘なんかに振り回されるとは」
ナマエが寝入ったとわかると、ふぅ、と息を吐いて口角を上げた。
“命令しないと、いてくれないの?”
セバ「命令でなくても一緒にいたいと思うのは契約違反になるのでしょうか・・・」