第6話
夢小説設定
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『・・・・』
ナマエは一人で歩くシエルに何も言えずついていく。
自分はシエルの役に立てるのだろうか、シエルに尽くすと言っていたが自分は迷ってばかりだ。
シエルの足手纏いにはなりたくない。
番犬の、伯爵の姉として気丈に振る舞ってはいるが、シエルのように強くもない。
「・・・様」
『・・・』
シエ「姉様!」
『っ、あ、なに・・・?』
急に大きな声で呼ばれてビクッと身体を震わせる。
声がした方を見るとシエルが心配そうにこちらを見てきていた。心配をかけてはいけない。
シエ「馬車に」
『あ、うん』
もう馬車を待たせていた場所に着いていたようだ。シエルが手を伸ばし、手を取るように促している。
ニコリと微笑むとシエルの手をギュッと掴み、馬車に乗り込んだ。この手が離れないように、自分も強くならなければ。
シエ「・・・」
馬車の中にシエルと2人で入る。
すると
ギュッ
『え・・・・』
シエ「姉様、心配事があるなら言ってほしい」
シエルに抱きしめられた。
セバスチャンは2人の様子がわかっているのか、まだ馬車を動かさなかった。
『・・・・私、シエルの役にたってる?邪魔じゃない?』
シエ「なぜ?」
『ほら、シエルは迷ったら命取りだって言ってたけど、私はシエルほど判断力もないし行動力もない。
だから、一緒にいることで、シエルを危ない目に、合わせるかも、って』
シエルはナマエの顔を覗き込もうとするが、今自分の顔を見られるわけにいかない。とても情けない顔をしているだろう。
シエルの肩に顔を埋めた。服に皺がついてしまうとセバスチャンに後で怒られるだろうか。
シエ「姉様、僕はファントムハイヴ伯爵、女王の番犬だ」
『うん』
シエ「あの出来事も相まって、誰も信じることができない。信じられるのは姉様だけだ。」
“あの出来事”・・・ファントムハイヴ家が襲撃された時のことだろう。
シエ「葬儀屋は、姉様の首輪が僕に付いていると言っていたが、僕も姉様から離れることはできないし、離したくもない。何があっても。
だから、不安に思わなくていい。姉様は姉様にできることを最大限してくれてる」
『・・・うん』
シエ「最期まで僕らは一緒だ・・・」
『そうだね・・・』
その様子を馬車の外から伺っていたセバスチャン。ニヤける顔に手を当てて隠していた。
セバ「・・・あんなに弱いのに強がって・・・」
2人のタイプの違う主。
どちらも自分を楽しませてくれる存在だ。
契約を守ることが悪魔の美学。
契約には“2人を守り抜くこと”とある。
契約だから守るのか、あの主だから守りたいのか・・・。
セバ「お嬢様・・・」
セバスチャンは馬車を動かした。
ーーーーー
12月14日
メイリン「おはようございますですだ、起きてらしたんですね」
『おはよう、メイリン』
今日はメイリンが起こしに来る前に起きていた。
何故なら今日は、父の妹であるフランシス叔母様が来るからだ。
厳格な叔母のため、だらしない姿を見せられない。
『それに今日は、特別な日だから』
メイリンが失敗しないように手伝いながら洋服を着ていた。
『・・・セバスチャン、遅いなぁ』
フランシスが来るというのに、まだシエルの支度が終わっていないのか。まさか午後から来ると聞いていたからまだ余裕があると思っているのだろうか。
フランシスは時間よりも早くに来て伯爵の様子や仕事ぶりなどを確認することが多い。早く準備しておくに越したことはないのだ。
朝の紅茶が飲みたいわけでもセバスチャンがいないと支度ができないというわけでもないため、自分でできるところはやってしまおう、と軽く髪を整えているとコンコン、と扉が叩かれる。
返事をすると、少し焦った様子のセバスチャンが入ってきた。
セバ「お嬢様、ミッドフォード侯爵夫人とエリザベス様がお見えですが、お支度はお済みですか?」
『え、もう?』
流石に早すぎだろう。
シエルに会って挨拶もしていない。
だいたい支度は終わっていると言うと、ホッとした様子で頭を下げた。
セバ「お手伝いできず申し訳ありません」
『ううん、コルセット以外は自分でできるもん』
セバ「・・・坊っちゃんにも自分で色々やっていただきたいんですがね・・・」
ぼやくセバスチャンに、客人が来ていることを伝えると急いでシエルのところに戻っていった。
ナマエは苦笑いを浮かべると、フランシスの待つ客間へ向かった。
『シエルおはよう、え、寝起きすぎない?』
階段でシエルに会う。シエルは髪もまだ跳ねておりリボンも曲がっている。
シエ「仕方ないだろう、フランシス叔母様が来るのを忘れていたんだ」
『もう・・・』