第5話
夢小説設定
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『人間の仕業じゃなかったんだ』
シエ「ああ」
翌日、朝食を食べ終えてからシエルは昨夜セバスチャンと話したことをナマエに伝えていた。
そして次に犠牲になる女性もわかったと。
数日後、
ロンドンの端にある貧民街にシエルたちは来ていた。
この近くの長屋に住む娼婦が次のターゲットのため、入口近くで犯人が来るのを待っていたのだ。
シエ「寒い」
『大丈夫?一枚服貸す?』
シエ「いや、いい」
貧民街で張り込みということでいつもの紳士の格好は目立つ。そのため、薄手、ボロボロの服でカモフラージュしていたのだ。
この季節、さらに雨も降りそうで芯から冷える夜だった。
セバ「お嬢様は寒くはないですか?コートお貸ししましょうか?」
『いらないよ、引き摺っちゃうし』
シエルは長屋の入口を盗み見て、本当に次に狙われるのは“メアリ・ケリー”で間違いないのか聞く。
セバ「ええ」
シエルは、被害者の娼婦たちの共通点などを再度確認し、すでに犯人だと確信している者を待つ。
シエ「“奴”が殺す必要性はどこにある?それに僕は・・・
って聞いてるのかセバスチャン!!姉様も!」
怒るシエルの視線の先には、猫と戯れるセバスチャンと、セバスチャンに猫の肉球を触らせてもらっているナマエ。
『あ、ごめん。可愛くて』
セバ「すみません、稀に見る美人でしたので」
猫アレルギーのシエルは、飼わないから放しなさいとピシャリと伝えた。
その時
「ギャァアアアア」
と叫び声が聞こえる。
『!!』
シエ「な、誰も部屋にはっ・・・」
セバ「行きましょう!」
長屋の入口へ走る。
ダダダダダ
バンッ
扉を開けるシエル、後に続くナマエ。
セバ「いけません!」
セバスチャンは中から香る鉄の匂いにすぐに気づき、シエルとナマエの目を抑え見えないようにした。
しかし、シエルとナマエはすでに目に焼き付けてしまった。
血溜まりの上の凄惨なモノ。
雨も降ってくる。
シエ「あ、ぅ、ぐ・・・ぇっ」
『ぅっ・・・』
えずくシエルとナマエを支えながらセバスチャンは目の前にいる人物に話しかける。
セバ「随分と派手に散らかしましたね、“切り裂きジャック”・・・いや、
グレル・サトクリフ」
そこにいたのは、返り血で血まみれになったマダム・レッドの執事、グレル・サトクリフだった。
グレルは自分はやっていない、自分が来たときにはもう亡くなっていたと主張する。
しかし、ずっと前からシエルたちがたった一つの入口までの通路を張っていたのだ。見つからずに入ることなどできはしない。
セバ「もういいでしょう、グレルさん。
いや、“グレル・サトクリフ”でさえ仮の姿でしょうが」
セバスチャンが、グレルが上手く“それらしく”振る舞っていたことを褒める。
人間ではない者が人間らしくしていたということだろう。
グレ「お、上手・・・?
ンフッ♡そーーーーお?」
もう誤魔化せないと思ったのか、グレルはガラリと雰囲気を変える。
そして今までの執事の格好から本当の自分の姿に変わっていく。
髪は艶のある真紅、つけまつげをして眼鏡を変えた。
グレ「アタシ女優なの。だけど貴方だって“セバスチャン”じゃないでしょう?」
セバ「坊っちゃんとお嬢様にいただいた名前ですから、“セバスチャン”ですよ、今はね」
グレ「それじゃ、改めましてセバスチャン、いえ、“セバスちゃん”♡
バーネット邸執事、グレル・サトクリフでございマス★執事同士どうぞヨロシク♡」
んばっとセバスチャンに向けて投げキッスをするグレル。
セバスチャンは全身に鳥肌を立てていた。
しかし、気持ちを切り替えてグレルに話しかける。
セバ「私も結構生きていますが、“貴方のような方”が執事をしているなんて聞いたことがありません。
神と人との中立であるはずの存在・・・
死神!」
なぜ曲がりなりにも“神”であるグレルが執事をしているのかと聞くと、一人の女に惚れ込んだと言う。
セバスチャンがその“女”とは、と聞こうとした時、ヒールの音が響く。
落ち着いてきたシエルとナマエがセバスチャンの手を退かすとそこにいた人物は赤い服を身に纏っていた。
シエ「マダム・・・」
『アン叔母様・・・』
アン「計算違いだったわ。まさかグレルの正体を見破れるヤツがシエルたちの傍にもいたなんてね」
最初に出した容疑者リストにはマダム・レッドもいた。
しかし、アリバイは完璧だったからとリストから除外していたのだ。
マダム・レッドは最初から自分も疑われていたのかと表面上は困ったような表情になる。
それを一瞥するとグレルに目線を向けた。
『死神が共犯なら、話は変わってくる・・・』
今のように一瞬で誰にも気づかれずにメアリを殺害できるとなれば、子爵邸に行った日、子爵邸から殺人現場まで一瞬で行くことも可能だったはずだ。
シエ「つまり、切り裂きジャックでありえるのはお前達しかいない。
マダム・レッド、そして、グレル・サトクリフ!」