第3話
夢小説設定
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葬儀屋の話でだいぶ的は絞れた。
一度屋敷に戻って情報を整理しようとシエルは立ち上がる。セバスチャンはシエルとナマエに上着を着せる。
シエ「姉様」
『うん』
シエルがナマエに手を出すと、ナマエはゆっくり手を取り、立ち上がる。
シエ「邪魔したな、葬儀屋」
『ありがとう』
葬儀屋の店を出ると、馬車に乗り考えを話し合っていた。
事件の犯人はだいぶ絞れ、“医学、解剖学に精通する者”、“事件前後にアリバイが無い者”そして“秘密結社や黒魔術に関する者”も挙げられる。
アン「どこが絞られてんのよ」
ロンドンに人が集まる社交期に、それらを満たす者を探すのは時間がかかるというマダム・レッド。
アン「1週間もしないうちに社交期も終わってみんな地方に帰ってしまうわ」
セバ「では、それまでに調べれば良いのです」
セバスチャンは不敵に笑って、社交期が終わるまでに全員のアリバイを確認すると言っている。
そんなこと不可能だと言う劉とマダム・レッドだが、
セバ「ファントムハイヴ家の執事たる者、それくらいできなくてどうします?」
自信満々なセバスチャンを見て呆然としていた。
セバ「では早速容疑者名簿を作り、全ての人物をあたってみようと思います」
そう言うと、セバスチャンは走っている馬車から下りた。劉とマダム・レッドが焦って外を見ると、そこにはすでに誰もいなかった。
アン「はぁ・・・。セバスチャンはああ言ってたけど・・・」
シエ「セバスチャンがやると言ったんだ、必ず何か掴んで帰ってくるだろう」
アン「偉い信頼してるのね」
『・・・・セバスチャンは私たちには絶対に嘘をつかないから』
しばらく馬車に揺られ、やっと屋敷に着く。
マダム・レッドの執事グレルが何度も道を間違えてしまい、遠回りをしていたのだ。
劉「さて、午後の紅茶でも飲んで一息入れようじゃない・・・・か・・・」
劉が屋敷の扉を開けると、驚愕する光景が。
セバ「お帰りなさいませ、お待ちしておりました」
屋敷の中には既にセバスチャンがいたのだ。
しかも、午後の紅茶の準備とおやつができていると言うではないか。
シエルとナマエは当たり前のようにセバスチャンに帽子や上着を渡してズンズン進んでいく。
2人の頭には今おやつのことしか無かった。
アン「ちょっと!何であんたココに!?」
セバスチャンは、用事が終わったから屋敷に戻っていたと話す。マダム・レッドはもう名簿が作れたのかと驚いていたが、セバスチャンが終わらせたのはそれだけではなかった。
名簿を作り、その全ての人に直接話を聞いてきたという。
いくらなんでも無理があると疑うマダム・レッド。
しかしセバスチャンは、持っていた書類を広げながら調べてきたことを全て読みながら報告した。
シエルとナマエは“当たり前だ”というように笑い、劉も流石だと笑う。グレルは顔を赤くし、マダム・レッドは唖然とする。
三者三様の反応。
それを満足そうに見ると、容疑者は1人に絞れたと話す。
続きはお茶にしてからにしようと、応接室に向かうことにした。
おやつを食べながらセバスチャンの話を聞く。
容疑者である1人の名前は“ドルイット子爵アレイスト・チェンバー”だという。
ドルイット子爵は、医師として働いてはいないが医大は卒業しており、社交期には自分の家でパーティーを開くことも多い。
さらに、親しい者だけが参加できる秘密のパーティーが催されているとのこと。
マダム・レッドはドルイット子爵を知っているようで、黒魔術にハマっているという噂を聞くと話す。
劉「つまり、その“裏パーティー”で儀式的なことが行われていて、娼婦たちが供物にされている可能性があるってことか」
ドルイット子爵は今夜も19時からパーティーを開くようだ。もうすぐ社交期も終わるため、潜り込めるチャンスは今夜が最後かもしれないという。
シエルは、マダム・レッドにそのパーティーの招待状を手に入れられるか聞くと、自信満々に手に入れられると答えていた。
『ファントムハイヴの名前は出さないほうが良いよね』
シエ「ああ。取り逃すことになりかねん。
チャンスは一度きりだ」
ーーー
無事、夜会の女王であるマダム・レッドの力でドルイット子爵の主催するパーティの招待状を手に入れた一行は、準備を進めていた。
“ファントムハイヴ”ということがバレてはいけない。
そのため、シエルは女装、ナマエも髪色をブロンドに変えて変装をすることに。
しかし、女装すると決めたにも関わらず、シエルはドレス選びに苦戦(わがまま)していた。
アレも嫌、コレも嫌。
『シエル、ちょっとわがままし過ぎ』
シエ「ぅぐ・・・」
ナマエの一言にシエルは押し黙った。
いつも優しくしてくれる姉に言われてしまったらそれは聞かなくてはならない。
渋々ピンク地、胸元に大きいリボンのドレスになった。
しかし、シエルの苦悩はドレス選びだけではなかった。
舞踏会に参加するため、苦手なダンスをしなければならない。しかも女性の動きを。
20曲近く踊らなければならず、その中でワルツやポルカなど様々な踊り方がある。
セバ「話し方に歩き方、ダンスや仕草や誘惑の仕方まで家庭教師(わたし)とマダムが1日でみっちり身体に叩き込んで差し上げますよ。
お嬢様・・・?」
シエ「いやだぁあ!」
シエルとセバスチャンが問答を繰り返している間、マダム・レッドはナマエに話しかける。
アン「そういえば、葬儀屋の所で男に触れられるの苦手って言ってたけど、社交ダンスとかは大丈夫なの?」
『ダメだよ』
社交ダンスも腰に手を回されたりする仕草がある振りの場所はいつも鳥肌を立てていた。
アン「でもダンスが苦手なシエルに代わって舞踏会では踊ってるんでしょう?」
『・・・シエルのためだから』
小さく言ったつもりだったのだが、全員ナマエの声に耳を澄ませていたようで静まり返った空間にナマエの声が響いてしまった。全員の視線がナマエに向けられる。
『だ、だって、シエルは普段当主として頑張ってるでしょ?だから、姉の私も、できるところは協力しないとって・・・』
恥ずかしさから早口になるナマエ。
そんなことを言われたらシエルはなおさらイヤイヤ言っている場合ではない。
現にセバスチャンにも黒い笑みで見られている。“坊っちゃんも我慢なさい”と言っているように思え、ため息をついてからダンスのレッスンに取り組んだ。