第3話
夢小説設定
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一同が向かったのは、看板に“Undertaker”と書いてある不気味な店だった。
ここはどこなんだと困惑する劉たちに、主人たちの知り合いが経営する葬儀屋だと伝えた。
早速中に入り、葬儀屋(アンダーテイカー)を呼ぶ。
葬儀「ヒッヒ・・・そろそろ来る頃だと思っていたよ」
声はするが姿が見えない。
キョロキョロしながら店の中に入っていくと
葬儀「よぅ〜こそ、伯爵、ナマエ嬢・・・やっと小生特製の棺に入ってくれる気になったのかい?」
ギィイーー、とシエルたちの横の棺が開き、顔に傷跡のある銀色長髪の男が出てきた。登場の仕方にセバスチャン以外唖然としている。
シエ「そんなわけあるか。今日は・・・」
葬儀「言わなくていい」
ピト、とシエルの口元に葬儀屋の人差し指が乗せられる。何故来たか分かっているから皆まで言うな、と。
葬儀屋は話をするからその辺に座ってお茶でも飲もう、と話す。しかし、近くにあるのは棺桶ばかり。ここに座れと言うのだろうか。
なるべく綺麗な場所を選び座る一同。
その間に葬儀屋はお茶の準備を終えたようで、実験用のビーカーに淹れて持ってきた。
葬儀屋も椅子に座り直すと、骨の形のクッキーを取り出しながら話し始める。
葬儀「聞きたいのは切り裂きジャックのことだろう?今頃になってヤードは騒いでるけど・・・小生がああいうお客を相手にしたのは今回が初めてじゃないよ」
『今までも、あったってこと?』
葬儀「そう。ただ、どんどん手口が派手で残酷になってる」
最初はそれほど残酷ではないため警察も気づいていなかったが、ホワイトチャペルで殺された娼婦たちには皆共通点があるという。
シエ「共通点?」
葬儀「さてねぇ、なんだろう?なんだろうなぁ、気になるねぇ」
葬儀屋はニヤニヤしながら勿体ぶるように話す。
ただでは情報はくれないようだ。
シエルとナマエはこの情報の貰い方が嫌でここに来たくなかったのだ。
葬儀屋が求めるのはお金などではなく
葬儀「さぁ伯爵・・・小生にアレをおくれ・・・
“極上の笑い”を小生におくれ!そうしたらどんなことでも教えてあげるよ」
“笑い”だった。
想像しただけで気持ちが昂っている葬儀屋を見てドン引きの一同。
まずは自分が、と出たのは劉だった。地元では新年会の眠れる虎と呼ばれていたらしい。
劉「ふとんがふっとんだ」
静まり返る店内。
そこへカツン、とヒールの音を立てて現れたのはマダム・レッド。次は自分が葬儀屋を笑わせると言って話し始める。
アン「でねー、そいつったら《ピーーー》が《ピーーー》だったの!」
下ネタ満載の話で大笑いするマダム・レッド。
セバスチャンはナマエの耳を両手で塞ぎ、ナマエはシエルの耳を両手で塞いでいた。
1時間後、劉もマダム・レッドも✕マークのついたマスクを付けられ、喋るなと言われていた。
葬儀「さて、残すは伯爵とナマエ嬢のみだよ。
前回はちょっとオマケしてあげたけど、今回はサービスしないよ・・・」
シエ「くそ・・・」
『うぅ・・・』
シエルとナマエが悔しそうな、困った顔をしていると、セバスチャンがスッと前に出た。
セバ「仕方がありませんね」
キュッと手袋を締め気合を入れると、葬儀屋以外外で待っているよう伝える。絶対に中に入らないように、と一睨みしてから。
言われたとおり、セバスチャン、葬儀屋以外のメンバーは店の外に出た。
少しの沈黙のあと、
ギャハハハ!
アハハハハハ!
ブフォ!
と大きな笑い声が響く。
中で何が起きているのか気になったが、呆然と立っていることしかできなかった。
ガチャ
セバ「どうぞ中へ。お話していただけるようです」
ドアを開けたのは爽やかに笑みを浮かべるセバスチャンだった。葬儀屋を大笑いさせた後とは思えないほどの清々しい表情だった。
葬儀「さて、話の続きだったね・・・何でも教えてあげるよ・・・」
至極ご満悦そうな葬儀屋。
ずっと思い出し笑いをしている。
『何したの?』
セバ「いえ、たいしたことは」
葬儀「昔からねぇ、ちょくちょくいるんだよ。“足りない”お客さんがね。ぐふっ」
真剣な話にも関わらずまだ笑っている。
セバ「足りない?」
葬儀「そう、臓器がね」
人体模型を触りながら言う葬儀屋。
お客さんには綺麗な状態で棺に入ってもらいたいから、ちょっとだけいじらせてもらうのが葬儀屋の趣味らしく、その時に知るのだという。
葬儀「それは娼婦・・・女の子じゃなきゃ持っていないもの、“子宮”がね、ないんだよ」
シエ「!」
最近急に子宮が無く、さらに血化粧(メイク)も派手になるお客さんが増えて大忙しだと話す葬儀屋。
いくら人通りの少ないとはいえ、路上で、夜中に的確に子宮のみを切除するのは難しいのではないかとセバスチャンは問う。
葬儀「鋭いね執事くん。小生もそう考えてるんだ。
まずは首をかき切り、次に腹を切り裂いて大切なものを奪うのさ」
葬儀屋は立ち上がると、ナマエの近くに寄り後ろから片手を首に、もう片方を下腹部に持っていき撫で回す。
『っ・・・・・』
葬儀屋は身振りで説明した方が早いと思って行ったことだろうが、ナマエは顔を青くしている。
それはこの切り裂きジャックの残酷さにではなかった。
震えるナマエにいち早く気づいたセバスチャン。葬儀屋の手を取り、ナマエの身体から離す。
セバ「申し訳ありません。お嬢様は男性からのそういう接触が苦手でして。少し離れていただけませんか?」
ふと全員がナマエを見ると、目をギュッと瞑りカタカタ震えていて、何かに怯えていることが伺えた。
葬儀「そうだったのかい?」
『・・・ごめん、なさい』
ぱっとすぐに離れてくれた葬儀屋に小さく謝るナマエ。
シエルは話を変えて気持ちを切り替えられるよう、切り裂きジャックの話題に戻した。
葬儀屋は、この一連の事件の犯人は裏の人間ではないかと推測していた。ためらいの無さや手際の良さから素人ではありえないと。
だから伯爵が来ると分かっていたと話す。
葬儀「きっとまた殺されるよ。ああいうのはね、誰かが止めるまで止まらないものさ。止められるかい?
悪の貴族、ファントムハイヴ伯爵」
シエ「裏社会には裏社会のルールがある。理由なく表の人間を殺めず、裏の力を以って侵略しない。
女王の庭を汚す者は我が紋にかけて例外なく排除するどんな手を使ってもだ」