第2話
夢小説設定
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深々と頭を下げる燕尾服の男が登場したことでアズーロは驚いていた。
ただの使用人ではないだろうと、雇われた殺し屋か何かかと問う。
セバ「いえ、私はあくまで執事ですよ。ただのね」
アズ「そうかい・・・とにかく俺ぁあんたとヤリ合うつもりはねぇよ、執事さん。
降参だ・・・・・だがな」
ドカッ
グイッ
ナマエの身体に足を乗せ、シエルを掴んで頭に銃口を向ける。“手に入れたブツだけは置いていけ”と。
アズ「可愛い坊っちゃんと嬢ちゃんの頭の風通しを良くしたかねぇだろ?執事ならどうしたら良いかわかるよな?」
セバスチャンは渋々懐からアズーロの求めているものを取り出す。
その時
バシンッ
『っ・・・』
シエ「セ・・・」
セバスチャンの頭から血が噴き出る。頭を銃で貫かれたのだ。
そしてさらにドパダダダダダ、といくつもの銃声が響きセバスチャンの身体から血飛沫が舞う。
絵画だと思っていた場所から銃弾が飛んできた。
絵画の裏は人が入れるスペースになっており、そこに何人ものマフィアの仲間が隠れていたのだ。
アズ「は、はは・・・悪ぃな、優男。このゲーム、俺の勝ちだ!
せっかくお迎えが来たのに残念だったな。
何が“うちの使用人を舐めないでー”だ。」
グイッとシエルの髪を引っ張って顔を上げさせ、ナマエを踏んでいる足に力を入れた。
シエ「ぐ・・・っ」
『ぅっ・・・』
アズ「後は伯爵、お前を消して俺達の方法で天下をとってやる。この英国でな」
だが・・・と言いながらアズーロはシエルの顔をまじまじと見、眼帯を取った。
アズ「あんたは解体するには勿体ない顔してるな、おチビさん。アンタなら内臓じゃなくても値段がつくだろう。
姉ちゃんと一緒ならさらに高くなるか?なぁに、変態に引き取られる頃には何もわからないようにしっかり漬けてやるさ」
シエ「おい、いつまで遊んでる」
アズーロが下卑た笑みを浮かべながらシエルとナマエを見下ろす。シエルがいい加減聞きたくない、という様子で話しかける。
話しかけたのはアズーロにではない。
シエ「床がそんなに寝心地が良いとは思えんがな」
『いつまで狸寝入りしてるの?』
シエルとナマエの言葉に、何十発も銃弾を受けていたセバスチャンの手がピク、と動きアズーロは信じられないという顔で見ていた。
セバ「やれやれ・・・最近の銃は性能が上がったものですね。百年前とは大違いだ」
ゆら・・・と立ち上がり、受けた銃弾を全て口から取り出した。
アズーロが仲間に、すぐに殺すよう命じるが時すでに遅し、セバスチャンは銃弾をマフィアに向かって拳銃のような速さで飛ばし、脳天を貫通させていく。
それを見たアズーロは口をパクパクさせ絶句している。
セバ「嗚呼、何ということだ・・・“服が”穴だらけになってしまいましたね」
シエ「遊んでいるからだ、馬鹿め」
セバ「私は坊っちゃんの言いつけを忠実に守っていただけですよ。それらしくしていろ・・・とね」
それに、なかなか良い格好をされているとシエルを小馬鹿にしたように話すセバスチャン。芋虫のようでとても無様で素敵だ、小さく弱いあなたによくお似合いだと。
セバ「しばらくその姿を眺めているのも悪くないと思ったんですが」
シエ「誰に向かって口をきいてる」
シエルたちの方に歩きながら話すセバスチャン。アズーロは「来るな」「止まれ」と怯えながら小さい声で訴える。
セバ「さすがにお嬢様にその汚い足が乗せられ続けるのは良い気持ちはしませんね」
『だから早くやってほしいの』
アズ「止まれぇえ!!」
今まで歩いていたセバスチャンは、アズーロの怒号でピタッと固まる。
アズ「それ以上近寄ったらブチ殺すぞ!」
本当に拳銃をシエルの頭に向かって撃ちそうな雰囲気のアズーロに、セバスチャンは困ったようにシエルに問いかける。
セバ「さぁ、どうしましょうか」
シエ「早くしろ、腕が痛い」
アズ「うるせぇ!黙れッ!!」
セバ「ですが坊っちゃん、私が近づけば殺されますよ?」
アズーロが叫んでいても無視を決め込み、話し続ける。
セバスチャンはニヤニヤしている。シエルとナマエのピンチを楽しんでいるかのように。
『セバスチャン、“契約”、忘れたの?』
セバスチャンはニヤケた顔から一転、爽やかに微笑みながら自分は“あの日”から2人の忠実な下僕だと話す。
セバ「捧げられた犠牲と享楽を引き換えに」
アズーロには3人の会話が意味不明なように聞こえ、「変人ども!」と罵声を浴びさせている。
シュル・・・・
その隙にシエルは後ろにいるナマエのチョーカーのリボンを外した。
セバ「坊っちゃん、お嬢様・・・
おねだりの仕方は教えたでしょう?」
『命令よ』
シエ「僕たちを助けろ!」
キィイと、シエルの右目とナマエの喉元にあった印が光る。
アズーロは恐怖のあまり「黙れぇぇええ!!」と叫びながら発砲する。
ズガァアン・・・
しかし、シエルに変わった様子はない。
アズーロがなぜだとキョロキョロしていると、目の前に差し出される弾丸。
セバ「お探し物ですか?弾丸、お返し致します」
セバスチャンは、シエルに弾丸が当たる前に掴んだのだ。
震えることしかできないアズーロ。
セバ「こちらは主人たちを返していただきましょう。まずはその汚い手足をどけていただけますか?」
セバスチャンが指先を少し動かすと、アズーロの手足があらぬ方向に曲がっていた。
アズ「ぎぁぁああああ!」
シエ「今回のゲームもさして面白くなかったな」
セバスチャンはシエルとナマエを起き上がらせ、拘束していたベルトなどを取り外していく。
その間に、アズーロはセバスチャンに向けて今の何倍も給金を出すから自分の仲間にならないかと交渉していた。
セバ「・・・残念ですがヴェネル様、私は人間が作り出した硬貨等には興味が無いのです。
私は、悪魔で執事ですから。
坊っちゃんとお嬢様が“契約書”を持っている限り、私は彼らの忠実な下僕。
“犠牲”、“願い”そして“契約”によって私は主人に縛られる。
その魂を引き取るまで」
セバスチャンからは黒い靄が出てくる。
シルエットが変わっていき、悪魔であることを裏付けるかのようだった。
シエ「残念だが、ゲームオーバーだ」
ーーー
『大丈夫だった?シエル』
シエ「ああ、身体中が痛いがな」
セバ「ああ、いけない。お嬢様、額から血が出ております。レディは傷など付けてはいけないというのに」
セバスチャンはナマエの額から流れる血をタオルで拭っていた。
シエ「・・・・・行くぞ。腹が減った」
姉ばかり心配するセバスチャンを一睨みするとクスッと笑われてさらに苛立つシエル。
おやつを食べそこねたため、だいぶ空腹だった。
セバスチャンに2人とも抱えられ、屋敷に向かった。