第2話
夢小説設定
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『!・・・アレン』
人の気配がしてそちらを向くと、アレンがいた。
アレ「あ、ごめんなさい。立ち聞きするつもりはなかったんですけど・・・キミが人形だったんですね」
『ユウ!!トマさん!!』
アレンの両腕には怪我を負ったであろうトマと神田が担がれていた。
ナマエが駆け寄ろうとすると、ナマエの横をすり抜けアレンたちの方に飛んでいく石柱。
ドンッ!!
『わっ、ちょっと!アレンは私の仲間だよ!』
アレ「ままま待って待って!!落ち着いて話しま・・・わっ!!!」
次々にアレンの方に石柱を投げるララ。
アレンは仲間だと主張しても話を聞いてくれそうにない。
アレ「ナマエ、2人を頼みます」
自分に攻撃してるからとアレンは神田とトマをナマエに託し、ララと対峙する。
アレンはイノセンスを発動させ、ララが飛ばした石柱を掴む。そしてララの上を目掛けてブーメランのように飛ばした。
アレ「それっ!!!」
ババババババン!
アレンが投げた石柱は、近くの石柱を破壊していく。
ララの周りは瓦礫だらけになった。
アレ「もう投げるものは無いですよ。お願いです、何か事情があるなら教えてください。
可愛い子相手に戦えませんよ」
『出た、エセ紳士』
アレ「ナマエ?」
『とりあえず安全なとこに行こうか。ユウたちを休ませよう』
ナマエたちは壁に囲まれた小さな部屋に入った。
『ユウ、かなりの大怪我してる』
トマ「ウォーカー殿のイノセンスをコピーして、それで切り裂かれました」
『・・・・』
ナマエは神田の傷口に布を巻いて止血しながらトマと話す。トマもダメージは負ったようだが動けるレベルではあった。
その間、ララは自分たちのことを話していた。
グゾルは昔から顔が奇形だった。そのため迫害され住んでいた村から追い出されてマテールに捨てられた。
そこでボロボロのララと出会った。
ララもまた、400年以上も動き続けたため劣化し、マテールに迷い込んだ人間には化物だと言われ暴力を受けていたのだ。
お互いに自分を受け入れてくれる存在と一緒に生きていくことを決めたと。
ララ「グゾルはね、もうすぐ動かなくなるの。心臓の音がどんどん小さくなってるもの。
最後まで一緒にいさせて。最後まで人形として動かさせて!」
ララの悲しみの篭った瞳にアレンは言葉を無くしていた。
そこへ「ダメだ」と否定する声が響く。
『ユウ・・・』
ググ・・・と身体を起き上がらせながら声の主である神田は続けた。
神「その老人が死ぬまで待てだと?この状況でその願いは聞いてられない。俺たちはイノセンスを守るために来たんだ!
今すぐその人形の心臓を取れ!!」
ララ「!?」
神田の言うことにも一理ある。先程ナマエがララに言ったとおり、イノセンスは敵に渡してはならないものだ。
このアクマたちとの戦争に勝つためにはイノセンスの適合者を見つけて仲間を増やさなければならない。
だから負傷者が出ており、アクマもまだ倒せていない今、呑気にグゾルの死を待つことなどできないのだ。
ナマエがどうしようかと思案していると
アレ「・・・と、取れません。僕は、取りたくありません」
神「ナマエ」
神田はナマエに心臓を取るように目を向けた。
ナマエは辛そうに目を逸らして答える。
『ごめん、私も、無理』
神「チッ」
バシッ
神田は、舌打ちをしてから自分が枕にしていた団服をアレンに投げつけた。
神「その団服は怪我人の枕にするもんじゃねぇんだよ。エクソシストが着るものだ!」
そう言うと神田はララとグゾルの方へ歩いて向かう。
神「犠牲があるから救いがあんだよ」
『・・・・・』
神田はララに刀を向けた。
ララもグゾルも「やめて」と言っている。
アレ「じゃあ僕がなりますよ」
アレンは2人を守るように前に立ち、神田を睨みつける。
アレ「僕がこの2人の“犠牲”になれば良いですか?」
ララとグゾルは2人の望む最期を迎えたいだけだ。それまではイノセンスは取れないと話す。
アレ「僕が・・・アクマを破壊すれば問題無いでしょう!?
犠牲ばかりで勝つ戦争なんて虚しいだけですよ」
アレンと神田は考え方が真逆であった。
それもそのはず。
大事なものをすでに失っているアレン。
大事なもののために死ねない神田。
2人の間には絶対に相容れない生きてきた中での経験の違いがあるのだ。
案の定、アレンは神田に頬を殴られた。
神田はまだ傷が癒えておらず、殴った拍子にフラついて座り込む。
『ユウッ』
ナマエは神田に駆け寄り支える。
しかし、フラつきも気にならないほど神田は頭に血が上っているようだ。
神「お前に大事なものは無いのかよ!!」
『っ・・・・』
神田は非情のように思うが、神田なりに戦争に向き合っているのだ。
目の前のもの1つひとつに拘っていては大事なものを守れない、大事なものに辿り着けずに命を落とす可能性もある。
負けられないのだ、大事なもののために。
アレ「大事なものは・・・昔失くした。
僕はちっぽけな人間だから、大きい世界より目の前のものに心が向く。切り捨てられません。
守れるなら守りたい!」
その時、ララとグゾルが敵の手に貫かれる。
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