第2話
夢小説設定
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少女「女の子が追いかけて来てる」
グゾル「あの近道を使おう」
少女とグゾルもそれに気づき、捲こうとする。
そして、とある角を曲がった時に下に落ちる穴に入った。
ナマエは2人の後を追って角を曲がるが、そこには誰もいない。
しかし、地面には穴。
そこを覗くと、2人が着ていたマントが風で靡いているような音が聞こえる。
『まさか、落ちた?』
見るからにかなり深い穴。
ここに入った者への罠なのか秘密の通路なのかは定かではないがこの穴に落ちていったのは間違いないだろう。
『怪我とかしてないよね?』
ナマエは迷わずその穴に飛び込む。
ヒュォオオ・・・
しばらく落ちると、人影が見えた。
ガガガガガガ!
きっと少女だろう。
壁に手を押し当てて落下の衝撃を抑えようとしている。
『行けるかな・・・』
バサッ
ナマエの背中からは片翼が出てくる。
翼で落下速度を上げ、2人に追いつく。
少女「え・・・」
『あっ!』
少女は上からナマエが来ていることに驚き手を離してしまった。この高さから衝撃を抑えずに落下したら大怪我するだろう。
『掴んでっ!』
ナマエが叫ぶと少女はナマエに向かって手を伸ばす。少女の腕を掴むと引っ張り、自分が2人の下に行くように速さを調節した。
そして
ドサァアア
『わっ!ゴホッケホッ!!』
少女「大丈夫!?」
少女は、2人の下敷きになったナマエに声をかけた。
『ゲホッ・・・大丈夫。これで衝撃抑えたから』
ナマエは翼を背中に回し、緩衝材にしたのだ。
少女「羽根・・・?」
『そ。まぁ、片方しかなくて飛べないからこんな使い方しかできなかったけど。
貴方は大丈夫?手、怪我してるでしょ』
翼をしまい、少女の手を見るとあらぬ方向に指が折れ曲がっていた。
腕にもヒビが入っている。しかし血は出ていない。
グゾル「ララ、手を潰してしまったか」
『ララって言うんだね。やっぱり貴方が人形だったんだ』
ナマエはマントが脱げた少女、ララを見る。頭には人間には無い機械が付いていた。
ララ「・・・お願い、まだ心臓は取らないで」
『ユウ・・・さっきの長髪の人も言ってたけど、すぐには取らないよ。
でも、イノセンスは敵に渡してはいけないの。だから、いざとなったら・・・』
2人が安心できるように優しく話すナマエ。
その時、グゾルが激しく咳き込み吐血する。
『グゾルさんっ』
ララとナマエはグゾルの背中を擦る。
ララはグゾルを見ながら、もう長くないことを悟る。
ララ「もう、あまり時間はないのね。
私に何かできることはない?」
グゾルを抱き締めるララ。
グゾルは歌ってほしいと話す。
ナマエは任務前に読んだ資料を思い出した。
マテールの民は絶望を忘れるために歌い踊る快楽人形を作ったと。
その通りだと思った。ララがグゾルのために歌っている声を聞き、心が浄化されるようだった。
『きれい・・・』
ララ「ありがとう」
歌い終わると、ララはグゾルの方へ向かった。
グゾルはララの歌が悲しんでいるように聞こえたと話す。
自分にはわからない、長い間一緒にいるとわかる歌声の変化なのだろう。
それは、グゾルの死期が近づいているからか、それとも自分の心臓が取られてしまうからか。
ララ「どうして自分が人形だなんてウソついたの?」
ララはグゾルに気になっていたことを聞いた。
グゾルはしばらく沈黙している。
グゾル「私はとても・・・醜い人間だよ。
ララを他人に壊されたくなかった。ララ・・・ずっと傍にいてくれ。そして私が死ぬ時、私の手でお前を壊させてくれ」
『・・・』
2人は種族を越えて想い合っている。
醜くなんて無い。人間であれば持つ当然の感情だ。
むしろ、誰よりも綺麗な心を持っているのだろう。
他人に醜いと言われ続けたのだろうか。自分を卑下することしかできないグゾル。
『(ユウの説得が大変だな・・・)』
抱き合っている2人を見て、離したくないと思ってしまった。残り少ない命を自由に生きてほしいと。