第16話
夢小説設定
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ザザン・・・
ちょめ助「着いたっちょ」
ちょめ助に小舟で運ばれ、着いた所は日本の伊豆。
桜の花びらが舞っていた。
『桜かぁ・・・久しぶりに見たな』
ラビ「ここが・・・」
ちょめ助「ようこそ、日本へ」
舟の中である程度怪我の手当をし、寒さ対策などでマントを羽織っている一同は日本列島へ降り立った。
リナリーはまだ脚がうまく動かないため、船員の1人におぶられている。
ラビ「そういや、ナマエの腕は大丈夫さ?」
スーマンとの戦いで消耗していたイノセンスと右腕。船上ではミランダの刻盤のおかげでいつも通りの動きができていた。
刻盤の発動が止まったため、ラビが心配していたのだ。
ナマエは右手を何度か開閉し笑顔で答える。
『うん、もうほとんど違和感無く動かせるよ』
ラビ「なら良かったさ」
鳥居が並ぶ道を進んでいく。
ブックマンに日本についての話を聞きながら。
ブック「日本国は、もう300年近く他国との貿易、干渉を一切拒絶した“閉ざされた国”として東の果てに存在してきた。
“誰も入れず誰も出てこれない”と」
『私のお父さん、日本人って言ってたけど・・・』
そんな状態の日本にどうやって住んでいたのだろう、と思っていると、日本人自体は大陸に移って生活をし血筋は残っているとブックマンが教えてくれた。
しかし、もう純日本人は希少な存在となっているらしい。
ブック「人間もほとんど大陸に移り、うってつけの隠れ家になったわけだ。おそらく300年の歴史の裏には伯爵が潜んでいたのではないか?」
ちょめ助「そうだっちょ、伯爵様は日本を拠点に世界へ魔導式ボディを送り出してたんちょ。
日本にも人はいるけど、人口の9割はオイラたちアクマで、国の政は全て伯爵様が行ってるんだっちょ」
そう話すちょめ助は、人間の身体になっていた。可愛らしい長髪の着物の女性の姿だった。
リナ「300年も・・・」
船員「伯爵とアクマの楽園っすね、まるで」
『っ・・・・そう、だね』
船員の“楽園”という言葉に肩を震わせる。
“楽園から逃げた”とは、日本のことなのだろう。
やはりアクマに育てられていたのは偶然などではなく、伯爵の意図があったのかもしれない。
ちょめ助「この国に人間が安心して息できる場所なんて無いんだっちょ。
まぁ、それはオイラたちアクマにも言えることだっちょが・・・・」
意味深な発言をするちょめ助に、ラビは不思議がりどういうことか聞こうとするが、ちょめ助が動きを止め会話も止まった。
ちょめ助「何かいる・・・」
登っていた階段の先に人影が見えた。
その人影は、「サチコ・・・」と呟く。
ちょめ助「!」
ちょめ助はその人物に見覚えがあったようで笑顔になりその人物に駆け寄った。
ちょめ助「川村!」
ラビ「“サチコ”って・・・」
ちょめ助「オイラのボディ名だっちょ!あれは仲間の“川村”!
同じマリアンの改造アクマだっちょ!!」
ちょめ助は川村の眼の前まで行き、肩にポムと手を置いた。
ちょめ助「迎えに来てくれたっちょか川村!助かったっちょーー。オイラもそろそろヤバくなってきてて・・・」
ちょめ助が話しかけるも、川村は返事をせずブルブルと震え始めた。目線もどこかおかしい。
『ちょめっ・・・!』
ナマエは川村の不審さに気づきちょめ助を呼ぼうとする。
よく見ると川村の後ろにはクモの巣のようなもの。
ちょめ助「!?」
ちょめ助は即座にエクソシストらの方へ戻り、隠れるよう叫ぶ。意味を理解したナマエはちょめ助ととともに一同を押し、物陰に隠れさせた。
川村はクモの糸から逃れられず、機械音を出しながら藻掻いている。
そこへ何者かが歩いてきた。
「♫」
ラビ「(レベル3!?)」
歩いてきたのは、レベル3のアクマ3体だった。
どれも船上で戦ったアクマと同じような装甲を身に纏っている。
『(さすがにこの状態で戦闘は分が悪いなぁ、他にもいるかもしれないし・・・)』
ちょめ助「(いくらナマエでも無理だっちょ!
今は気配を消せるだけ消すっちょ!!)」
狭い場所で仲間を気にかけながらレベル3を3体相手にするのはナマエでも難しい。
今は様子を見ることにした。
ラビ「(おい、どういうことさ?あの川村ってアクマは・・・?)」
ちょめ助「(川村はお前たちを迎えに来たんだっちょ。でも3体のレベル3に捕まったんだ、もうダメっちょ)」
レベル3たちは、クモの糸に絡まっている川村をジロジロ見、そして齧り付いた。
一同「『!!?』」
バキョ、ブチ、ぐちゃっとレベル3は川村を貪っていく。
ちょめ助「地区内でのアクマの密度が異常に濃いとこういう現象が起こるんだっちょ。殺人衝動を抑えるために他のアクマを吸収し能力を奪う・・・・」
ちょめ助と川村はレベル2だから敵わないと話す。
日本では人もアクマも関係なく強い存在だけが生き残れると。
レベル3は川村を食い尽くすと満足そうに歩いていった。
エクソシストたちはそっと物陰から出てきて再度歩き始めた。
ラビ「うぇ・・・吐きそうさ、気分悪ィ・・・」
エクソシストたちは、先程見た光景が頭から離れず不快感を露わにしていた。
リナ「・・・っ」
船員の背中にいたリナリーも気分が悪くなったのか眉間にシワを寄せている。
船員「大丈夫っすか?気持ち悪いなら水でも・・・」
リナ「いいえ、大丈夫。ありがとう、えっと・・・」
リナリーは船員の名前が分からず困っていた。
すると船員は自己紹介を始めた。
リナリーをおぶっている人物はチャオジー、後ろを歩く糸目の人がマオサ、金髪がキエだと話す。
チャオジーは、自分たちの命をなんなりと使ってほしいと言う。
リナ「いいえ、みんなで生き残って帰りましょう」