第12話
夢小説設定
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『げほっ・・・はぁ・・・はあっ』
ナマエはなんとかダメージを軽減させながら着地することに成功した。
しかし、咎落ちになった暴走しているイノセンスに無理矢理干渉しようとしたからか、スーマンに刺した剣を持っていた右腕はガクガクと震え、身体も思うように動かなかった。
『“光の指輪”・・・無理させて、ごめん・・・ね』
ナマエのイノセンスは指輪に戻っていた。いつもの輝きを失っており、イノセンスにもダメージが入っていたようだ。
『アレン・・・スーマン』
ナマエは辺りを見回すが誰もいない。遠くに飛ばされたのだろうか。
耳を澄ますと、小さく聞こえる物音。
パキ、パキキ
足音だ。
アレンだとしたらこんなにスムーズに歩けない。
スーマン・・・もあり得ない。
『・・・』
誰なのだと音のする方を睨む。
すると、前から来たのは灰色の肌、額に十字架があるスーツを着た男だった。
『・・・ノア・・・』
「お、知ってる?ああ、前にロードに会ったんだっけ?」
ナマエは震える手で剣を作り、ヘラヘラしている男に向ける。
「んな睨むなって。スーマンと戦ったのか?剣がボロボロんなってるけど」
ナマエは、男がスーマンの名前を出したことに驚く。
スーマンを知っているのか聞くと、知っていると答えた。
「さっきコイツのエサにしちまったよ」
男の手には蝶が乗っていた。ティーズというらしい。
エサ、というのは、まさかと思っていると、男はナマエの考えていることが分かったようで、クククッと笑う。
「コイツらに喰わせた。跡形も無くな。
あと、一緒にいたアレン・ウォーカーの心臓にも穴を開けさせてもらったぜ」
ブォンッ
「おっと!っぶねぇ」
ナマエは剣を思い切り薙いだ。しかし男にギリギリ避けられ傷一つ付くことはなかった。
パシッ
『っ、放して!』
振った腕を捕まれ、顔を近づけられる。
「仲間が死んで悲しいなぁ」
『放してよっ!アレンの所に・・・』
ガンッ
『あぅっ』
ナマエは腕を掴まれたまま反対側の肩を強く押され、男に押し倒される形になる。
勢い良く倒されたため、頭を強く打ち付けた。
「アレン・ウォーカーはもう死んでるよ。だってさ・・・」
ズッ
『!?』
身体に男の腕が突き刺さる。
しかし痛みはない。
男は、自分には触れたいと思ったもの以外通過する能力があると言う。
「これで心臓だけに穴を開けたからね」
感覚は全く無いのに心臓を握られているような気持ちになり、不快感に顔を顰めた。
男はその顔を見て満足そうに手を抜いた。
しかし相変わらず押し倒す形は変わらない。
『私も、殺すの?・・・元帥、狙ってるんでしょ』
「ククッ、“狙ってる”の意味は違うけどな」
男はナマエの背中にあるボロボロの翼を撫で、「千年公からのメッセージは見なかった?」と聞く。
“楽園から逃げた天使の子 帰っておいで”のトランプのことか、と頭に思い浮かべた。
「行こうぜ、一緒に・・・うおわっ!??」
『っ・・・“光の指輪”・・・?』
男がナマエを抱え上げようとしたその時、今まで震えてうまく動かなかった腕が突然持ち上がり、イノセンスである指輪から強い光が立ち昇った。
「眩しっ」
『!?っぁあ、ぁぁあ・・・ぅうっ』
ズキン、ズキンと耐え難い痛みが右腕を襲う。
何が起きているのだ、痛い、なぜ勝手に身体が動くのか、この光は何だ、痛い。
様々な思いで頭が壊れそうだ。
「なんか辛そうだけど、まぁ、ツイてる?このまま連れてくか」
バチバチッ!!
「んあ?」
指輪から出る光が男を拒絶する。
まさか、イノセンスは自分を守ろうとしてくれているのではないか。ノアの手に落ちないように。
男は何度かナマエに手を伸ばそうとするが全く受け付けられなかった。
「ハハッ、おもしれぇ。“イノセンスには”守られるのな。
ま、今日は要人の暗殺ができれば良かったし。また迎えに来るわ。あ、俺の名前はティキ・ミックね。よろしく」
『ぁああ・・・う、ぁ・・・』
男、ティキは言いたいことを言って闇の中に消えていった。
イノセンスの光は、役目を終えたとばかりに収まっていく。しかし腕の痛みは緩和されない。
翼の力があればイノセンスの治癒は少しできるが、そんな余裕は今の自分にはない。
『(ごめんね、守ってくれて、ありがとう・・・)』
ナマエは指輪を一撫ですると、意識を飛ばした。
「ナマエ・・・」
「ナマエっ・・・・ナマエ!」
遠くで自分を呼ぶ声を聞きながら。