第11話
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その後も中国国内で聞き込みをすること数日。
やっとクロスを見たことがある人を発見した。
中国語を話せるリナリーが情報をまとめると、妓楼の女主人がクロスの居場所を知っている可能性があるとのことだった。
リナ「最近その女主人に出来た恋人がクロス元帥なんだって」
『本当の恋人とか作るんだ。しかも妓楼・・・』
ちょっと意外、と思っているナマエ。
クロスに特定の恋人がいたのかと。
ナマエに甘くダメな姿を見せないようにしてはいても、愛人がたくさんいたのは知っていた。その愛人からお金を借りて生活することが多かったからだ。
そしてその情報を頼りに1つの店に辿り着いた。
とても大きな店に目を丸くする。
ラビ「ついにクロス元帥を見つけたんか・・・」
『良かった』
「長かった」「見つけられると思わなかった」など、思ったことを口々に話す。
アレンに至っては「見つけてしまった」とどんよりしていた。
店の中に入って女主人に会おうとすると、
ヌッ
「待てコラ。うちは一見さんとガキはお断りだよ」
指をポキポキ鳴らしながらやってくる屈強な女性が前を塞いだ。
アレンとラビは女性の体格に怖気づき、英語で何故か謝っている。それでも女性は指をさらにボキボキ鳴らしてアレンとラビをヒョイーっと片手で持ち上げた。
アレ「わーーーっ!リナリー!!」
『アレンっ!リナリー、中国語っ』
ナマエも焦りながらリナリーを呼ぶ。
リナリーは、中国語で自分たちは客ではないと主張してくれた。
その時、アレンの耳元で女性が呟く。
「裏口へお回りください」と。しかも英語だった。
女性は自分たちは教団の協力者(サポーター)だと話す。
女性に続いて裏口から見せに入ると、先程聞いた女主人が待っていた。
「いらっしゃいませ、エクソシスト様方。
ここの店主、アニタと申します。はじめまして」
それはとても綺麗な品の良さそうな女性だった。
エクソシストたちは全員見惚れている。
しかし、次の一言を聞き、赤らめていた顔を一瞬で青くした。
アニ「クロス様はもうここにおりません」
「『え?』」
アニ「旅立たれました、8日程前に。
そして、旅立たれたクロス様を乗せた船が、海上で撃沈されました」
あのクロスが撃沈させられるなんて信じられないと思ったのは全員一緒だった。
ブックマンが確証があるのか確認するも、救難信号を受けて他の船が救助に向かったところ、辺りに船も人もなく不気味な残骸と毒の海だけが広がっていたという。
『元帥はどこに向かっていたんですか?』
ナマエの言葉に、アレン以外の全員が何故そんなことを聞くんだ、クロスはもういないのでは、という視線を向ける。
ナマエもアレンも、クロスがやられるわけがないと確信していた。
アレ「僕たちの師匠はそんなことで沈みませんよ」
『絶対に生きてます』
アレンとナマエの真っ直ぐな目に、「そう思う?」と涙を流すアニタ。
アニタもそう思いたくて仕方がなかったのだろう。きっと安堵の涙だ。
アニ「マホジャ、私の船を出しておくれ」
アニタは、母の代から教団のサポーターをしていたようだ。クロスを追うのであれば案内すると言う。
アニ「行き先は日本・・・、江戸でございます」
『日本・・・・』
ナマエは一瞬だけ目を見開く。日本に何の用があるのだと。
リナ「日本って、ナマエが昔住んでた所よね」
『うん。江戸ではなかったけどね』
幼かったためどこに住んでいたのかの記憶はないが、江戸という地名ではなかったと思う。
アニ「あなたがナマエちゃん?」
『え?あ、はい』
急に呼ばれて声が裏返ってしまった。アニタはクロスがよくナマエの話をしていたから話したかったと言う。
これからの動向を教団本部に伝える電話をリナリーに任せ、ナマエはアニタと小さい部屋に入った。
アニ「突然ごめんなさいね」
『いえ。それで、元帥は私のことを何て?』
クロスの気持ちを聞ける機会は少ない。
実際にクロスに会って過去のことや父母のことを聞いてもいつもはぐらかすばかりで何も言ってくれない。
自分がどう思われているのか、聞いてみたかった。
なぜ一緒にいてくれたのか。
アニ「あ、ごめんなさい。そんな神妙な顔しないで。
ただ、素敵な女の子って言ってたわ」
『・・・・・・』
きっとクロスは“素敵な女の子”なんて言い方はしない。“良い女”とでも言ったのだろう。
自分からすると赤の他人、しかもクロスからすると恋人に何を話しているのだろうかと目を細める。
アニ「ふふっ、
“美人だし大事な友人の1人娘だから可愛がってるっていうのもあるが、自分があの時近くにいたらと後悔してる。だから罪滅ぼしのためにも一緒にいる”
って、いつも話してた」
『・・・後悔?』
あの人がそんなことをするのだろうか、と思ってしまった。それが顔に出ていたのかまたアニタに笑われる。
アニ「ええ。詳しくは教えてくれなかったけどね。
でも酔うとナマエちゃんの可愛いエピソードをたくさん聞かせてくれたわ。
同じ年齢のエクソシストの男の子と恋仲のようになってきてる、自分より弱い男にナマエちゃんは託せないとか。」
『は、はは・・・』
楽しそうにクロスとの会話を教えてくれるアニタに苦笑いしか出てこなかった。
『クロス元帥に会ったら、後悔の理由を聞いて、元帥より強い男はなかなかいないってことを話さなきゃですね』
アニ「・・・そうね」
アニタはクロスのことをとても心配しているのだろう。
寂しそうに笑っていた。
それから2人も船の準備などに向かい、明朝出発することになった。
『あ、リナリー!電話ありがとうね』
ナマエは、荷物を運んでいるリナリーを見つけ声をかけた。
リナリーの顔を見ると目が少し赤かった。きっと泣いたのだろう。
リナリーは荷物を床に置くとナマエに飛び付いた。
一瞬よろけるがしっかり支え、話を聞くことに。
『・・・電話で何か話したの?』
リナ「・・・リーバー班長とだけどね。
たくさん死んじゃったって。探索部隊も・・・エクソシストも」
『!?』
自分たちも安全な旅ではなかった。しかし、誰も欠けず再起不能の怪我も負っていないため実感が湧いていなかった。
他の元帥の所に向かっていた班で合計6人ものエクソシストが犠牲になったという。
『デイシャも!?・・・ユウは!?マリも・・・』
ティエドール元帥のもとに向かっていた神田、マリ、デイシャの班も敵に襲われ、デイシャが亡くなったと連絡を受けた。
リナ「2人は無事が確認されてるみたい」
『そっか・・・・私たちは全員生きて帰らなきゃね』
リナ「うん」
ナマエの胸の中で涙を流すリナリー。
背中を撫でて落ち着くまで一緒にいた。