第11話
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3時間後
『さすがに遅くない?』
汽車を見てくるだけで3時間はかかりすぎだろう。
迷子になっているかもしれないと、探しに行くことにした。
ラビ「おーい、クロちゃんやーい」
まず後ろの車両を見てみようと歩き始めた。
車両と車両の間は外に出なければならず、ラビは寒さにくしゃみをしていた。
ガラッ
自分たちが乗っていた車両から数車両後ろのドアを開ける。
アレ「!」
クロ「!」
?「ん?」
するとそこには、パンツ一丁にされたクロウリーと、ニヤニヤしている男性3人、マスクをした無表情の子ども1人が通路を陣取っていた。
アレンたちを見た天然パーマのタバコを咥えた男が話しかけてくる。
天パ「悪いね、ここは今青少年立入禁止だよ」
クロウリーはこの男たちにもうひと勝負しようと誘われている。
呆然とするナマエたち。いち早くハッとしたアレンが、何が起こっているのかクロウリーに聞いた。
クロ「この者たちに、ポーカーという遊びに誘われて・・・そしたらみるみるこんなことに・・・」
『カモられちゃったわけね』
天然パーマの男の仲間と思われる男が、「逃げんなよ?」と煽ってくる。
天然パーマの男も、一度受けた勝負は最後までやっていけと言う。
『これ以上クロウリーは何を賭ければ良いの。パンツ?』
アレ「ナマエ!そんなこと言っちゃいけません!」
天パ「お嬢さんのパンツなら大歓げぶっ!?」
変態的な言動をしそうになる天然パーマの男の顔にコートが突きつけられる。ほぼぶつけている、だが。
アレ「このコートの装飾、全部銀でできてるんです。これとクロウリーの身包み全部賭けて僕と勝負しませんか?」
爽やかな、人当たりの良い笑みで天然パーマの男に話しかけるアレン。
天パ「お嬢さんが欲しい「ぶっとばしますよ?」・・・はは、冗談冗談。そのコートでいいよ」
ナマエを賭けの賞品にされそうになり、笑いながらドス黒いオーラを纏わせて天然パーマの男を見る。
天然パーマの男は冷や汗をかいて謝っていた。
30分後
アレ「コール」
バン
ニコニコしながら手札をオープンするアレン。
対象的に、相手の男たちは冷や汗を流しながら苦笑いしていた。パンツ一丁で。
天パ「ロイヤル、ストレートフラッシュ」
ロイヤルストレートフラッシュは、ポーカーで1番強い役だ。天然パーマの男たちは、協力してイカサマをしているはずなのになぜかアレンが勝ってしまうことに驚愕していた。
男「ちくしょう!もう一回だ!」
アレ「良いですよ」
クロ「すごいである、アレン!」
ラビは不審に思い、ナマエにコソコソ声をかけた。
なぜアレンはあんなに勝てるのかと。
『前に言ったじゃん、アレン強いって』
アレ「イカサマしてますしね(コソッ)」
ナマエとラビの会話が聞こえていたのか、アレンは表情を変えず依然ニコニコしたままシャッフルしながら会話に入っていた。
先にクロウリーに仕掛けてきたのはあっちだと。
アレ「ポーカーなら負ける気はしませんね。修業時代、師匠の借金と生活費を稼ぐために命懸けで技を磨きましたから。
博打なんて勝ってなんぼ・・・容赦はしません。あっちだって3人グルでやってんですからおあいこですよ」
『なんか、ごめん』
黒い裏のアレンが出てきて饒舌に語ると、修業時代に戦闘以外で大変な思いをしてこなかったナマエは申し訳なくなっていた。
結局アレンは一度も負けることなく天然パーマの男たちが下車する駅に着いてしまった。
男たちはパンツ一丁で降りていく。
アレ「はい」
そんな男たちに、アレンは窓から荷物を渡す。
クロウリーの荷物が取り返せたから大丈夫だと。
男たちの荷物が多かったためナマエも荷物を持って渡す手伝いをしていた。
天然パーマの男に荷物を渡そうとすると
ギュッ
『ん?』
天パ「今度デートしようぜ」
『へ?』
天然パーマの男の言葉にアレンは驚愕し、仲間の男たちは「またかよ」と肩を落としていた。
アレ「荷物返しませんよ。ナマエの手、離してください」
また黒いアレンが出てくると、天然パーマの男は「ごめんごめん」と平謝りをしてナマエの手を離していた。
天パ「いやぁ助かった。実は今日からこの近くの鉱山で外働きでね。死んじまうとこだった」
『どこから来たの?』
天パ「どこからも♪俺らは手癖の悪い孤児の流れ者さ♪」
ジリリリリリ、と発車を知らせるベルが鳴る。
仲間の荷物を返してくれたからだろうか、少年が「お礼」と言って何かを差し出してきた。
天パ「イーズ、それお前の宝物だろ!待て待て、礼なら俺がすっから!」
天然パーマの男は焦りながらズボンのポケットを漁る。
アレ「良いですよ気にしなくて」
汽車がゆっくり発車する。天然パーマの男は何か見つけたようでアレンに向かって投げつけた。
それはトランプだった。
それで勘弁して、と。
アレンとナマエは窓から顔を出し、見えなくなるまで手を振った。
『変な人たちだったね』
アレ「そうですね。ナマエを口説こうとするなんて100年早いですよ」
『はは・・・』