第8話
夢小説設定
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ーーー
黒の教団本部
教団嫌いのクロスが子どもを連れて帰ってきたという話は瞬く間に本部中に広がった。
その様子を見ようとやってきた野次馬はクロスの眼力によって固まり、そのまま自分の持ち場に戻っていく。
クロス「チッ、だから来たくなかったんだよ」
クロスはナマエの手を引いてヘブラスカのもとへ向かう。
「クロス元帥、その子どもは?」
クロス「チッ」
上の人たちには誰にも見つからないように、と思ったがそうはいかず、コムイが就任する前の室長が前からやってきてクロスに声をかけた。
『元帥・・・』
クロス「お前は黙ってろ。イノセンスに適合したガキだ。今からヘブラスカの所に行く予定だ」
クロスは、ナマエがフィオラの娘だとは話さなかった。
できる限りバレないようにしようとしているらしい。
「・・・・・」
室長はナマエをじっと見た後、クロスを一瞥して脇にずれた。通って良いということだろう。
クロスは足早にその場を立ち去ろうと、ナマエの手を引く。ナマエは緊張していたようで、ふぅ、と息を吐いていた。
室長「ナマエ」
『え?』
クロス「!?」
クロスは一瞬で理解した。室長は既にその子どもがフィオラの娘であるナマエだと気づいていて、自分をわざと泳がせたのだと。
ホッとして油断したナマエの名前を呼び、自分の名前を呼ばれたと振り返るのを待っていたのだ。
「やはりな。その子どもはフィオラとソウヤの娘だな」
クロス「チッ・・・・・・そうだ」
ここに来て何度目かわからない舌打ちをしてクロスは答えた。
「生きていることをなぜ直ぐに言わなかった」
クロス「別に言う必要が無いと思ったからだ。
ただの“エクソシストの娘”ってだけだろう?急いで報告する必要性は何だ?」
クロスと室長は睨み合い、腹の探り合いのようなものをしていた。
「“ただのエクソシスト”ではない。“天使のエクソシスト”の娘だ」
クロス「天使であることがそんなに重要だったのか?」
「・・・・・神の結晶であるイノセンスと、神の遣いである天使は関わりが深いかもしれない。大事な人材になると思っている」
クロス「“大事な”ねぇ・・・じゃあ俺に任せるんだな。フィオラとソウヤは俺にナマエを“託した”」
クロスの思ったように話が進んでいるのか、強がりなのか、ニヤリと口角を上げながら話す。
室長は何を考えているかわからない無表情のままだ。
「・・・・いいだろう。ただし、怪しい動きをしたら即座に教団に連れ戻す」
クロス「怪しい動きはお互い様だろう」
クロスはナマエに行くぞと言って歩き始めた。
室長も教団の責任者として、エクソシストになる者のことを知らなければいけないとついてくる。
またクロスは舌打ちをし、勝手にしろと歩き続けていく。
『・・・・元帥、ごめんなさい』
名前を呼ばれ、振り返ってしまったことに責任を感じていた。クロスに小さく謝ると、気にするなと言ってくれた。
クロス「それに、大体わかったからな」
『?』
何のことだと首を傾げると、クロスはどこか寂しそうに笑うだけだった。
ヘブラスカのいる空間に到着した。
ヘブ「お前は・・・・ナマエ、か?」
ナマエは大きな人のような不思議な形をしたヘブラスカに目を丸くする。
クロスを見ると、敵ではないと教えてくれた。
『えっと、あの、はい』
ヘブ「消えたと、聞いていたが・・・無事で良かった・・・それは、フィオラのイノセンス、か・・・」
ヘブラスカはナマエのポシェットに入っている指輪の気配を感じ取り懐かしさを感じていた。
ヘブ「フィオラの、イノセンスを継ぐとは・・・・これも・・・運命か・・・」
ヘブラスカはナマエに手を伸ばす。
ヘブラスカに抱き上げられると、若干の違和感を感じ目を瞑る。
『っ・・・』
ヘブ「驚かせてすまない、私はナマエと・・・イノセンスとの、シンクロ率を測れる・・・そのままじっとしていてくれ」
『う、うん・・・』
ヘブラスカはナマエのポシェットからスルリと指輪を出すと、ナマエに持たせた。
ヘブ「32・・・50・・・69・・・89。
ナマエ、お前とイノセンスのシンクロ率は89%だ」
「やはり母のイノセンスだからか、既に高いな」
いずれ臨界者になれるかもしれないと言う室長。
クロスは無表情で室長を見ていた。
ストっとナマエがクロスの隣に下ろされる。
ヘブ「ナマエ、お前は・・・“終焉の鍵”となる、そんな予言が出た・・・お前に神の加護があらんことを」
『うん・・・?』
あまり意味がわからず、一度は頷くが直ぐに首を傾げるナマエ。
「やはり“終焉の鍵”か。
千年伯爵との戦争を終わらせる鍵になるか、世界の終焉に繋がる鍵か・・・」
クロス「フン・・・ナマエ、行くぞ」
もうここにいたくないと言うようにナマエの手を引き、この場を去ろうとするクロスに室長は声をかけた。
「月に一度本部に連絡すること、半年に一度本部に帰ってきて状況を報告すること。
これが条件だ」
クロス「・・・・・ナマエの部屋はフィオラの場所でいいな?まだあるだろ?」
「条件を飲むということだな」
クロスは室長を一瞥するとそのままナマエとともに去った。
クロスは本部の中を簡単に説明しながらナマエが使う部屋へ向かう。
クロス「ここがお前の部屋だ。ここで少しだったがお前は母のフィオラと生活していた」
部屋の中に入ると、最低限の家具しかなかった。
もう5年も前のことだ、流石に使っていた形跡は無くなっている。
『ここが・・・』
記憶は全く無いが、どこか懐かしさを感じる。
ボーっと部屋を見ていると、クロスが声をかけてきたためそちらへ向かう。
もう出発するとのことだった。
ここからクロスとともに修行しながら任務の手伝いをする日々が始まった。