第28話
夢小説設定
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『ていうか、宿儺は女子どもを殺したり食べたりするのが好きって聞いたけど』
ジト目で見る名前。
反対に宿儺は笑いながら名前を見た。
宿「なんだ、やはり喰われたいのか。お前がその気なら大歓迎だぞ?」
名前の腰を撫でながら不適な笑みで話す宿儺。
『・・・待ってる人いるの知ってるくせに』
宿「五条悟か、そうだったな。
ククッ、今は手を出さないでやる」
宿儺は名前の身体を起こす。
そしてベッドに隣り合わせで座る。
驚くほど近い距離に、身体を反らしながら話した。
『悟に5m離れろって言われてるんだけど』
宿「知らんそんなもの。俺がこうしたいからしているだけだ」
『横暴』
名前はわかった、なぜこんなに普通に接することが出来るのか。
やはり五条に似ているのだ。
天上天下唯我独尊
そして、意外にも一途だというところが。
宿儺は呪いの王である、それゆえ残忍さや残虐さも持ち合わせているが、接していると意外と意志疎通ができ気さくな面もある。
宿「して、俺に用があったのではないのか?」
やっと本題に入れそうだ。
名前は深呼吸をして話し始める。
『苗字家のこと、宿儺はよく知ってるの?』
宿「知らん」
『・・・・・・え』
巫女の話をした時に苗字家に継承される四神の話を出していた。
だから苗字家のことをよく知っているのではないかと思ったのだが、違ったようだ。
『だって、四神とか、呪力が強いから低身長だとか、よく知ってたじゃない』
宿「ただ巫女から聞いただけだ」
それ以外は何も知らないと言う。
何のための時間だったのだ、と落胆する名前を楽しげに見つめる宿儺。
宿「ククッ、すまんな。役に立てなくて」
『ううん、大丈夫。ねぇ、巫女さんは四神を最初から全部持ってたの?』
宿「いや、家に伝わる禁術で受け継いだって言ってたな」
全て、同じだ。
そう呟くと「だから生まれ変わりと言っていたのだ」と宿儺が返事をした。
苗字家の禁術・・・きっと巫女の周りの人もたくさんいなくなったはずだ。
全て同じなら・・・と気になったことがあった。
『・・・巫女さんは、幸せに生きたの?』
宿「・・・お前と一緒だ。
命や強い呪力、その美しさを狙われ続けていてな。」
しかし、自分が守り続けたと言う宿儺に、当時は最強の護衛だったのだろうと名前は思った。
宿「一族は滅んでいなかったが、巫女の親きょうだいは皆禁術で消滅していた。それゆえに強い寂しさに苛まれることもあったが、周りに愛され、
そして最期は、笑っていた」
良かった、と思った。
やはり、家族が言った“生きて”という言葉は呪いではなかった。
『ありがとう、それを聞けただけで満足した』
宿「ふっ、“ありがとう”か・・・。五条悟を屠った後でもそれを言えるか?」
『悟は負けないから。
ただ、宿儺、あなた自身を嫌いになれないのは事実だよ。
だから、私が悲しむこと、しないでくれたら、嬉しい・・・』
隣に座っている宿儺を見つめる。
きっと宿儺はこれからも殺戮を続ける。それを少しでもくい止めるためのお願いだった。
縛りを設ければ良いのだろうが、代わりの名前への縛りが多大なものになる可能性もある。
それが結果的に世界を破滅に導くかもしれない。
そのため、お願いに留めるのが最善だろうと思った。
そんな名前を、宿儺も愛しい者を見るような眼差しで見つめ返す。
宿「約束はできないが、名前の頼みだ。善処しよう」
宿儺は名前の髪を指先で弄りながら優しく話す。
『・・・・』
安心したことや髪を弄られていることで少しずつ瞼が重くなってくる。
宿「何だ、眠いのか」
『そんなこと・・・』
名前は認めていないが、まばたきが増えてきていることに気づいた宿儺。
その時
~♪~♪
宿「?」
名前の横に置いてあった携帯が鳴る。
『悟、だ・・・・』
寝ぼけ眼で携帯の受話ボタンを押した。