第48話
夢小説設定
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数分後
『わっ!?』
パンダ「どうした?」
『青龍が・・・悟に消されちゃった』
真希「どこでだ?」
ただ五条を探すだけだったため、青龍にあまり呪力をかけていない。強力な呪力での攻撃を受けたらすぐに消えてしまうレベルだった。
まさか五条に消されるなど思ってもみなかったからだ。
しかし、青龍の記憶はあり、頭の中でそれまでの映像を再生することも可能だったため五条の居場所と青龍を消した理由を探るため再生した。
憂「名前ちゃんの青龍を消すなんて・・・」
棘「おかか」
『・・・・・』
青龍の映像では、五条は高専の総監部のいる部屋の方に向かっていた。
青龍に気づくと、「来ちゃだめ」と言ってシッシッと手で払うポーズをし青龍に呪力を飛ばした。
『総監部・・・』
真希「あいつらを殺る気とかか?ほら、渋谷事変の後高専呪術師に色んな通達が来たろ。あれにムカついてとか」
憂「・・・みんなを守るためだろうね」
『行こう』
2年生たちは急ぎ足で五条の後を追った。
『悟っ!』
悟「来ちゃだめだって言ったでしょ。青龍の記憶見なかった?」
五条に追いつくと、後ろから大きな声を出して呼びかけた。五条は「何で来たの」という表情をしている。
憂「五条先生が宿儺に負けたら、その肉体を僕が貰い受ける話をみんなとしました」
悟「ん?どゆこと?」
乙骨は先ほど屋上でした話を五条にもする。
憂「嫌ですか?」
悟「別にぃ?負ける気ないし、自分の死体なんてどうでもよくない?硝子が反対しなかったのはちょっとムカつくけど」
高専時代の同期である家入はもう少し自分を大事にしてくれると思ったのだろう、「好きにすれば〜」と軽く返事をした家入のことを言っていた。
悟「まぁ、まずはその雑な呪力どうにかしな。いつも気をつけろって言ってんじゃん。
名前は1時間で反転術式のコツ掴んだからな?」
憂「ぐぬ。名前ちゃんは呪力のコントロール上手いですもん」
悟「俺の肉体使うんでしょ?そんくらいできなきゃ。名前におんぶに抱っこはダサいよー?」
『まぁ、そのために修行するんだし、悟もそのくらいにしてあげて』
煽り始める五条を止める。
五条は名前の頭に手を乗せると立ち止まる。
悟「はいはい。じゃ、みんな帰って」
話しているうちに総監部のいる部屋の前まで来ていた。
五条は2年生らに戻るよう伝える。
しかし、全員「嫌だ」と突っぱねる。
悟「帰れって。術師同士とはいえね、教え子に血生臭いとこあんま見せたくないのよ。特にこれは自分でも正しいやり方だとは思ってないからね」
自分が負けても、この先にいる総監部がいなくなれば、京都の楽巌寺が実質総監部のトップになる。
悟「そうなりゃ渋谷後みたいなゴタゴタはもうないさ」
五条は重い扉を開けながら「帰った帰った」と追い払おうとする。
『やだ』
憂「ここにいます。もう独りで怪物になろうとしないでください」
自分たちにも背負わせてくれと、真っ直ぐ五条を見ながら話す乙骨。
それに返事をせず、静かに扉の中に入っていってしまった。
ものの数分で扉から出てきた五条は返り血に塗れていた。服は黒くて分かりにくいが、液体が付いていて色が変わっている所がある。
『っ・・・・』
名前は思わず五条に抱きつく。
五条は汚れるから、と言ったが名前はきつく背中に腕を回し、離れないことを主張した。
真希「これで私らも共犯だ」
憂「僕たちのことも頼ってください」
棘「しゃけ」
パン「じゃあ、俺らは退散するか」
言いたいことだけ言うと、4人はその場を後にした。
五条と名前を2人きりにしたいと思ったのだろう。
悟「・・・・・」
『・・・・・』
悟「わかった、いなくならないからとりあえず着替えるよ」
自分に抱きついたまま動かない名前。その手はカタカタ震えていて何かに怖がっていることがわかる。
先ほど乙骨が五条に“怪物になろうとしないで”と言ったことが頭に過る。
名前は五条が人間性を失った怪物と成り果て、自分のもとから去ってしまうのではないかと不安だったのだ。
五条は震える名前を抱き上げると、総監部のいる間から出て高専の校舎内に入った。
まだ血塗れのため、他人に見つからないようにしながら。
着替えを終え、とある部屋に入る。
悟「・・・だから血生臭い所を見せたくなかった」
『・・・悟も・・・』
五条は小さく話す名前の言葉に耳を傾けた。
『悟も何かに焦ってる・・・・』
悟「!」
図星だった。
五条は、夏油が離反した日からずっと夏油の影を追ってきた。
自分は置いていかれた、追いつかなければと思い続けてきたのだ。そのためには怪物にだってならなければならないこともあると。
悟「やっぱ名前には敵わないね」
『悟も、傑さんも・・・お互いに無いものを求めすぎなんだよ。
悟は悟、傑さんは傑さんなのに・・・』
悟「・・・・」
わかっている、わかっているのだがどうしてもあの日新宿で夏油と別れたときの光景が目に焼きついていたのだ。
夏油の「君ならできるだろ、悟」の言葉とともに。
悟「ははっ、一種の呪いだよ」
『簡単には祓えないから、特級呪霊より厄介な、ね』
悟「いつか、その呪いを祓えるときが来るかな」
『来るよ。一緒に祓おうよ』
悟「そうだな、名前がいてくれたら心強い」
さて、と五条は時計を見る。もう次の修行の時間だ。
名前の頭を撫で、「ありがとうな」と優しい笑みでお礼を述べると立ち上がる。
『あ!憂太くんに結局お願いできてない!』
悟「行ってきなよ」
『うん、じゃあまた修行の後でね!』
タタタッと走っていく名前をしばらく目で追うと、五条は反対方向に歩いていった。