第34話
夢小説設定
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「・・・名前・・・ん・・・」
ドンドン
「・・・ちゃん・・・名前ちゃん!」
ドンドンドン!
『っ・・・』
大きな声と扉を叩く音で目を覚ます。
『あれ・・・』
床の上で寝てしまったようだ。
頭痛はなくなっていたが、どこか頭が重い気がする。
しかし、理由がわからなかったためとりあえず音のする方へ向かう。
この声は乙骨だろう。
起きたらいなかったから焦って探してくれたのかもしれない。
ガチャ・・・
憂「良かった、名前ちゃんいた・・・。
なんともない?心配したよ、目が覚めたらいなかったから」
『・・・ごめん、憂太くん』
やはり探してくれていたようだ。
頭痛がしたから薬を飲んでそのまま寝てしまったと話すとヘニャヘニャと肩の力を抜いていた。
憂「また知らないうちに上層部の所に行ったんじゃないかとか色々と考えたんだからね」
『ごめん』
何か夢を見ていた気がするが、全く覚えていない。
胸が熱いのは疲れからだろうと自分に言い聞かせ、部屋を出た。
憂「虎杖くんの処刑執行人になれたよ」
『良かった、今のところ作戦通りだね』
憂「うん、うまく行くと良いけど」
そう話しながら、今後の出方を考えるべく高専内を歩いていると
恵「乙骨先輩、名前さん・・・」
伏黒が前からやってきた。
『恵くん。真希は?』
伏黒は真希とともに家入に治療されていた。そして動けるようになってからは重傷を負った真希を見ていてくれていた。
恵「さっき意識が戻りました」
憂「良かった・・・」
ホッとする乙骨を睨み付けるように見る伏黒。
名前は頭に?を浮かべる。
恵「・・・先輩が、虎杖の処刑執行人になったって聞きました。
名前さんも連れてって、どうするつもりですか?」
伏黒は乙骨が五条に頼まれたことを知らないのだろう。
信頼する先輩だが、五条が封印されてからは予想外のことばかりだ。
このままでは本当に乙骨が虎杖を殺すかもしれないと、そして名前もあわよくば、と思っているのではないかと臨戦態勢だ。
憂「あー・・・ちょっと事情があってね」
場所を移し、事の経緯を説明した。
恵「五条先生に・・・すみません、知らなくて」
『あまり言いふらすと危険だからね。私も少し前に憂太くんから聞いたからさ』
恵「・・・先輩、お願いがあります」
真剣な顔で乙骨を見る伏黒は、虎杖を高専に戻してほしいと話していた。
これから敵と戦う、五条を助けるためには虎杖の力が必要だと。
『それは多分恵くんが直接行った方が良いと思うな』
恵「何でです?」
『最後に悠仁くんと話したの、私なんだよね。
その時に高専に戻らない選択をしたのを承諾しちゃった。
“自分がいなければ”っていうこと、私にもあったから、止められなかった・・・』
乙骨は寂しそうに話す名前を静かに見る。
百鬼夜行時に人知れず1人で高専の奥に拘束されに行った名前のことを思い出していた。
『それにさ、恵くんの言葉の方がきっと説得力あるよ。憂太くんは初対面だし』
とりあえず一緒に虎杖を探しに行くことにした。
伏黒が説得してみて、ダメならまた考えると。
憂「じゃあ名前ちゃん」
『うん、青龍だよね。しかもバレないように』
憂「ごめんね、ずっと発動し続けてもらっちゃって。よろしく」
名前は青龍を出す。
虎杖のことだ、あまり大きく移動はしていないだろうと東京内に探索範囲を絞った。
とはいえ、決して狭くない範囲で1人の人間を探すのは難しい。
青龍に注ぐ呪力を上げ、感知能力を上げるしかない。
『行ってらっしゃい青龍』
青龍を見送り、自分たちも23区内に入ろうと動き始める。
少し歩いた後、ずっと目が青い名前を見て心配そうにする伏黒。
恵「大丈夫なんですか?」
ずっと青龍に集中しっぱなしということは呪力の消費も多く、戦闘にも参加できないだろうと話す。
憂「僕たちのフォローが必須だよ。
まぁ、弱い呪霊なら戦闘もできるだろうけど、他の神獣は呼べないからね」
『ごめんねー、代わりにできるだけ早く見つけるからさ』
近くにいる呪霊を祓いながら進む。
公共の交通機関は機能していないため、なるべく近道になりそうな歩きやすい場所を探しながら進んだ。