第33話
夢小説設定
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フラフラと上層部のいる空間から出る名前。
外に出るとペタンと座り込んでしまった。
そして涙を流しながら地面に爪を立てる。
『なんで・・・なんでっ!』
周りの人がみんないなくなっていく。
なぜこんなことになってしまったのだろうか。
呪術師という道に進んだ時に、たとえ仲の良い人であっても突然の別れが来ることは覚悟していた。
しかしこんな別れは納得できない。
固いコンクリートに涙の跡とともに赤い染みができていく。
「名前ちゃん!?」
『・・・・・・憂太くん』
自分を呼ぶ声がして顔を上げるとそこには乙骨がおり、走ってこちらへ向かってきた。
名前の目の前に来るとしゃがんで目線を合わせる。
『憂太くんっ・・・・悟が、夜蛾さんが・・・悠仁くんが・・・』
乙骨は事前に五条が封印されたことは聞いていた。
そして五条が一度乙骨のもとに訪れた時に“自分にもしものことがあったら名前と高専の1、2年を頼む”と言われていた。
憂「五条先生から色々頼まれてるから・・・・・って、手!血出てる!」
『え・・・・あ。』
乙骨が視線を下げ、名前の指先の出血に気づいて声をかける。それまで気づいていなかったのか、名前はゆっくり自分の手を見て驚いていた。
憂「硝子さんのとこ行こう!」
『大丈夫だよこのくらい。絆創膏貼る』
手の平を見ながらボーッと話す名前に、乙骨はあたふたする。
結局、乙骨も上層部に用があるためここで待っていてもらうことにした。
憂「絶対動かないでよ、お願い!」
『・・・うん』
乙骨は急いで上層部のいる場所へ向かった。
このまま1人で名前を待たせて何をするかわからない・・・わけではないが、いなくなるのではないか、また怪我をするのではないかと心配していた。
乙骨が戻ってきた時、名前はまだ手の平を見つめていた。ホッとしたが悲しくもなった。
何を見て何を考えていたのだろう。
憂「名前ちゃん、お待たせ。硝子さんに絆創膏もらったら日下部先生のとこ行こう?
今の状況を聞きたいんだ」
『うん』
乙骨は名前とともに歩いていく。
医務室に着くと、家入は既に夏油のことや夜蛾のことを聞いていたのか、冷静だった。
「まったく・・・」と呆れられながら指先全て反転術式で治してもらう名前。
『ありがとう、硝子さん』
憂「ありがとうございます、じゃあ行こう名前ちゃん」
2人は日下部がいるであろう場所まで向かった。
ある部屋を覗くと、昨日から働き詰めなのかソファに座って仮眠を取っている日下部がいた。
憂「先生、帰りました」
篤「あ?おー、乙骨と苗字か。
どうだった、海外での任務は」
乙骨はあまり手応えがなかったと答える。
海外で探し物をしていた乙骨。手柄無しで帰ってきたのだ。
憂「で、本題なんですけど今回の、渋谷事変の被害等を教えていただきたいです」
日下部は人的被害のことを話していく。
狗巻は宿儺の領域展開により左腕がなくなったこと、猪野や真希が重傷を負ったこと、釘崎、七海の死亡などを聞く。
憂「そんなに・・・」
『野薔薇ちゃんまで・・・』
2人は日下部に挨拶をし、外へ出た。
憂「名前ちゃん、僕が虎杖悠仁の死刑執行人になれるよう上層部に話つけてきた。」
名前は困惑していたが、五条から言われた作戦のことを伝えると納得していた。
しかし、五条の教え子だったため息がかかっているのではと当然疑われた。そのため、渋谷事変後に夏油が出した呪霊を大量に狩ることで信用してもらおうということになった。
憂「名前ちゃん、一緒に来てくれる?
そしたら上層部の言う前線にも出られるし、僕も名前ちゃんを守れる」
『うん、行く』
憂「良かった・・・断られたらどうしようかと」
安堵したように肩の力を抜く乙骨。
『みんなのためだもん』
憂「ふふっ、そうだね」
調子が戻ってきた名前に微笑み、乙骨と名前は東京内の呪霊を祓いに出発した。
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