第33話
夢小説設定
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通話を終了すると、治療を始めた。
毒は既に消えてきており、身体の傷のみの治療になった。
硝「名前のことも心配してたな」
『うん・・・』
名前は治療を受けながらずっと俯いていた。
そして治療が終わりしばらくすると夜蛾が戻ってきた。
今までにあったことを伝え、今迎えを要請しているところだと話すと近場まで一緒に行くということになった。
迎えをお願いした場所で少し待っていると、目の前に車が停まった。そして
椿「名前様っ!」
車から椿が降りてきて勢い良く名前を抱き締める。
『椿さん・・・』
椿「良かったです、ご無事で・・・本当に」
『・・・なんで、責めないの?』
当主が封印されたのに、その場に一緒にいたのにと椿に問う。
椿「なぜ名前様が責められるのですか、責められるはずありませんよ!
名前様がお辛いのはみんなわかっています。家は混乱していますが、どうにかすると剣様が動いております」
『・・・本当に帰って、良いの?』
椿「みんな名前様の帰りを待っています。
誰1人、悟様の件を名前様のせいにする人はいません」
『・・・・ふっ・・・ぅう、ぅぁあ・・・
ぁぁああぁっ』
ついに声を上げて泣き出す名前。
椿「頑張りましたね。お一人で悟様の件を背負い込もうとしていたのですね」
泣いている名前をあやすように抱き締めている椿に、夜蛾が声をかける。
夜「悟のことはこちらでも色々封印を解く方法を考えていきますので、お任せいただけますか?」
椿「承知いたしました、前当主に伝えさせていただきます。何か手伝うことがあればいつでも言ってください」
椿は、失礼しますと言って泣いている名前と一緒に車に乗り込んだ。
車内では名前のすすり泣く声だけが響いている。
ーーーー
五条家
椿「参りましょう、名前様」
『うん・・・ぁ・・・』
椿「名前様!」
椿が先に車から降り、名前の降車の補助をする。
名前は脚が震え、崩れ落ちそうになったため咄嗟に椿が支えた。
『ごめん、椿さん・・・』
椿「いえ、大丈夫ですよ」
椿が名前の肩を支えながら玄関に向かう。
運転手をしていた人が先に玄関を開け、五条父に状況を報告しに行ってくれていた。
五条父「おかえり、名前」
屋敷の中から五条父が出て来て優しい笑みで迎えてくれた。
『お父さん・・・私・・・』
五条父「大丈夫、何も言わなくていい。
悟は昔から呪詛師に狙われていたからね。最強になってからこんなことになるとは思わなかったが、きっと悟なら大丈夫だと思っているよ。
名前だって、悟の教え子たちだって動いてくれるんだろう。心配してないさ。」
『絶対に、悟を助けるから・・・』
五条家に着いてからも全く責められることがなく、労われ身体を心配された。
その代わり、悟を解放しなければという気持ちはどんどん大きくなっていく。
ーーー
翌日
呪術高専
夜「名前・・・」
『あ、おはようございます夜蛾さん』
高専の敷地内に入り、とりあえず学長を探そうとしていたところ丁度夜蛾が目の前から現れた。
しかし、どこか浮かない顔をしている。
夜「名前、今から俺と一緒に上層部の所に行く」
有無を言わせない言い方に息を飲み、頷いて踵を返す夜蛾の後ろを追った。
会話がないまま上層部のいる暗い場所に着く。ここには良い思い出がない。
「来たか」
夜「要件を」
上層部はそこで今後全術師に出す通達について話した。
「まず、夏油傑は生存していたとして、再度死刑を宣告する」
『な!?違うっ違います!!傑さんの身体を乗っ取った呪術師が「静かにしなさい」
夏油は既に亡くなっているのは事実だ、呪術師の術式で動かされているだけだと主張するも聞く耳を持たれず黙るしかなかった。
亡くなってからも夏油に辛い思いをさせたくないのに、と拳を握りしめた。
夜「今は聞いておいた方が良い。お前のためにも、周りのやつのためにもな」
『・・・はい』
夜蛾に言われ、拳をさらに強く握りながらも怒りに耐える。
「そして五条悟だが、渋谷事変共同正犯として呪術界から永久通報、かつ封印を解くことも罪とする。
その五条悟と夏油傑を唆した夜蛾正道は死罪に」
『!!?ふざけ「名前!」
夜蛾に静かにしておいた方が良いと言われたが限度がある。
上層部の言葉に怒りの言葉をぶつけようとした時、夜蛾に強い口調で名前を呼ばれ、口をつぐむ。
しかし、受け入れることなどできなかった。大好きな人たちが犯罪者に仕立て上げられ、さらに夜蛾は死罪だと。
上層部はこの日本、世界の危機に、未だに保身と邪魔な人たちの処分しか考えていない。
『最低・・・』
「さらに、苗字名前。お前も共犯として本当は死刑にしたいところだが、宿儺にも夏油傑にも殺されないそうだな。
お前は不問とし、前線に出て危険な任務をこなしてもらう。ただし、宿儺や夏油に同調した場合は迷わず死刑だ」
“盾になれ”ということだろう。
いざというときには死んでもいい都合の良い駒。
「まぁ、その宿儺の器である虎杖悠仁も死刑の保留を取り消しになるがな」
『っ・・・・・』
悔しくて唇を噛み締める。
五条がいなくなっただけでここまで上層部が好き勝手するようになるとは。
「以上だ。夜蛾正道、お前は今から拘束する」
今からだなんて急すぎる、と言うようにバッと夜蛾を見上げると、夜蛾は対照的に落ち着いていた。
夜「・・・名前。高専のやつらを頼む」
『夜蛾さんっ!』
夜蛾は名前に一言伝えると奥に入っていき、完全に見えなくなった。
「話は終わりだ。下がれ」
名前は上層部がいるであろう場所を睨み付けるとその場を去った。