第33話
夢小説設定
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呪霊が放たれ夏油が去った後、放心していた名前。
由「大丈夫かい?」
『・・・え?あ、大丈夫です。身体もだいぶ動くようになったし』
九十九は困ったような顔をして名前を見る。
九十九に声をかけられたとわかると、ヘラっと笑いながら答えた。
由「違う、身体的なことじゃないよ。
五条くんと、夏油くんのことさ」
少しの沈黙の後、名前は目を伏せた。
『・・・・あー。それも、大丈夫・・・です。
だって悟とは“少し会えないだけ”ですから。私には仲間もいるし。
傑さんは・・・ちゃんと返してもらわないと』
五条が封印前に名前に言ったことを覚えていた。
本当は大泣きしたいほど、心を閉ざしたいほど不安で、悔しくて堪らない。
しかし、五条が言ったのだ。
信じて待つ、五条を助けるために必死に動くと決意していた。
由「そう・・・」
九十九は名前が必死に強がっていることを知りつつも深くは追及しなかった。
“仲間がいる”と言っていたため、その仲間に名前を任せようと思ったのだ。
昔から名前を知ってはいるが、あまり深い関わりはなかった。自分より名前が頼れる人はたくさんいるだろう。
そう思い、保護していた学生らのもとへ向かった。
悠「先輩っ、いろいろありがとうございました!助かったっす!」
『いや、今回は守られてるだけだったよ。
こっちこそありがとね。悠仁くんが皆に知らせてくれたんだって?』
悠「うん。
あ、そうだ・・・先輩には言わなきゃいけないことがあって」
虎杖は、七海が亡くなったこと、宿儺に身体を奪われ大量に人を殺めてしまったことを話した。
七海の死亡には目を見開いていたが、
『・・・わかった、皆の分、生きなきゃね』
強く前を見て言っていた。
虎杖との会話が途切れた頃、脹相が近づいてきて話す。
脹「苗字名前、すまない。身体は良くなったか?」
『あ、お兄ちゃんだ』
脹「!!!??」
名前は、脹相が“お兄ちゃん”に拘っていたことを軽くイジるように声をかけた。
その不意打ちに脹相に電流が走った。
脹「(受胎九相図のきょうだいでも、加茂憲倫の子どもでもないのに、なぜこんなに胸がざわつくんだ!?)
もう一度“お兄ちゃん”と言ってくれないか?」
『ヤだよ。
身体は大丈夫、動くようになってきた』
脹相は「良かった」と呟き謝ろうとする。
『謝んなくていいよ、だって弟たちの仇とりたかっただけでしょ?
呪霊側に付いても呪術師側に付いても良かったけど、呪霊側を選んでたってだけだもんね。』
脹「そんなに俺たちのことを分かって・・・!
血は繋がっていなくても名前のことを妹だと思ってもいいか!?」
『は?
まぁ、勝手に思うだけなら・・・』
楽しげに話す脹相と名前の間に虎杖が入ってくる。
悠「あのさ、先輩。
俺・・・高専戻らない。脹相と一緒にここら一帯の呪霊を祓い続けようと思う」
名前は、宿儺が大量に人を殺めたと聞いたときからなんとなくそんな気はしていた。
罪の意識が強く、自分のせいだと思っているのだろう。
悠「皆に会わせる顔もないし。それに、五条先生がいなくなったから宿儺が先輩に何するかわかんねぇし」
引き止めたい気持ちはある。しかし、自分がいると迷惑をかけるかもしれないという虎杖の気持ちもわかるため強く引き止められなかった。
『そっか・・・。まぁ、今はそういうことにしておく。気が変わったら教えて。
でもね、虎杖くんのせいじゃないから、それだけは覚えておいてね』
悠「っす」
きっとそう言われてもまだ心の整理がついていないのだろう。眉間にシワを寄せたまま悲しげに笑っていた。