第32話
夢小説設定
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由「覚えているかな?世界から呪霊をなくす方法。
どんな手段をとるにしろ、人間を1つ上の段階へと進めることになる。人間の未来、それは
呪力からの“脱却”だよ」
傑「違う、呪力の“最適化”だ」
それを近くで聞いていた虎杖は、どちらもさっぱりわからないと言っていた。
九十九は夏油の言う“最適化”のプランには穴があると話す。
日本以外では術師や呪霊の発生が極端に少なく、天元の結界が必要不可欠であること。
天元は日本を守っているため、“最適化”のプランで術師になれるのはこの国にいる人間に限定されることになる。
そうなれば、“最適化”でエネルギー源となったこの国の生身の人間は他の国から良く思われない。
次に何が起きるかは想像に易いだろう。
由「現に自分の大量の呪力を人に譲渡できる名前はいろんな奴らに狙われてる。
それは私が描く理想とはかけ離れた世界だ」
夏油はそれを聞き、目的がそもそも違うと話していた。
呪霊のいない世界でも牧歌的な平和も望んでおらず、人間の可能性の先にある新しい世界を創り上げたいと。
傑「既に術式の抽出は済ませてある」
由「『!』」
九十九と名前はあることに気づく。
由「真人とかいう呪霊がいたろう!!魂に干渉できる術式を持ったやつ!!」
『・・・取り込まれました』
呪霊操術で、真人の“無為転変”を使えるようになったら、人の肉体をいい様に作り変えることができるようになってしまう。
それを理解し、悔しそうに顔を歪めながら話す。
由「マジんがぁー!!?」
そしてそれを狙っていたかのように
傑「無為転変!!!」
ズァアアアア
夏油が地面に手を付くと、地面と空に紋様が浮かぶ。
由「術式の遠隔発動!?」
傑「礼を言うよ、虎杖悠仁」
取り込んだ呪霊の術式は取り込んだ時点で成長が止まるが、先ほど虎杖と戦った時に成長したことを話していた。
由「何をした?」
傑「マーキング済みの2種類の非術師に、遠隔で“無為転変”を施した」
2種類とは、呪物を取り込んだ者と術式を持ってはいるが脳の作りが非術師の者。
それぞれを術式が使えるよう脳を整えたと言う。
傑「そして」
夏油は結んである紐のような物を取り出すと、
バキィ
結び目をほどいた。
傑「今、その呪物たちの封印を解いた」
そして封印を解かれた者たちには、呪力への理解を深めるため殺し合いをしてもらうと話す。
傑「私が厳選した子や呪物たちだ。
千人の虎杖悠仁が悪意を持って放たれたとでも思ってくれ」
由「千人か・・・控えめだな。
それに人間の理性をナメすぎだ。力を与えただけで人々が殺し合うとでも?」
疑問に思ったことを聞くと、そんなことは承知していて考えがあると言われ煽られる九十九。
由「ムカつくから皆であいつボコろう」
悠「いや、今動けないんだけど・・・」
『同じく』
バシャッ
その時、虎杖の身体の氷が溶ける、と同時に全ての氷も勢い良く溶けた。
脹相の穿血を受けたときに身体に毒が入ったようだ。
桃「待って、真依ちゃんの援護がない。あっちにもまだ仲間がいるのかも」
いつの間にか真依からの援護が無くなっていたことに気付き、西宮はダメージを受けた身体に鞭を打ちながら起き上がり焦って話す。
由「葵と銃の子、あとスーツの子は私の仲間が保護してるよ。場違いだからね」
氷が溶け、動けるようになったパンダと加茂が夏油に向かおうとするが、夏油は話の途中だと制止する。
傑「私が配った呪物は千年前から私がコツコツ契約した術師たちの成の果てだ。
だが、私と契約を交わしたのは術師だけではない。
まぁ、そっちの契約は、この肉体を手にした時に破棄したけどね」
『え・・・』
由「まさか」
傑「これが、これからの世界だよ」
そう言うと夏油の下から大量の呪霊が湧いて出てきた。
先ほど言った契約を破棄した呪霊なのだろう。
傑「じゃあね虎杖悠仁。君には期待してるよ」
夏油は懐にいれていた獄門疆を見せつけるかのように持ち、虎杖たちに声をかける。
悠「五条先生!!」
『悟っ!
え、きゃぁあ!!』
周りの仲間が呪霊や獄門疆に目線を奪われていると、一体の呪霊から勢い良く手が伸び名前の身体を掴んで連れ去ろうとする。
契約を破棄した多量の呪霊の中に夏油が調伏していた呪霊を紛れさせていたようだ。
悠「先輩!!」
スパッ!!
ドサッ
篤「間に合った・・・・一応俺の教え子なんでね、連れていかれたら困るんだよ」
名前が夏油のもとへ行く前に、日下部によって助けられた。
名前は日下部に抱えられ、地面に激突することなく着地する。
篤「進級するときに五条に口煩く言われててな。
“自分が離れてる間に名前に何かあったら暴れる”ってな」
悠「世界が崩壊するやつじゃん」
『先生・・・ありがとう、ございます・・・』
その様子を見ていた夏油。
思いどおりにならなくても笑っていた。
傑「くくっ、残念。また迎えに来るよ。
名前、お前は呪力を分け与えるという、新しい世界でも類い稀なる能力を持っているからね。
呪霊に殺されないことを願っているよ」
『絶対一緒になんて行かないから。
悟を解放して傑さんの肉体を返してくれるなら考えるかもしれないけど』
日下部に支えられながら夏油を睨み付ける。
傑「難しい条件だな。
まぁいいさ、また会おう」
そう言って夏油は裏梅とともに去っていった。