第29話
夢小説設定
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バカカッ
その時ホームドアが開いた。
ググググ・・・
支えを無くした人の波がバリアに押し付けられている。
一般人とはいえ、何百人もで体重をかけられたら呪力の消費は多大なものになる。
『わっ、すごい圧・・・。
上もどうなってるかわからないね』
もしかしたら上の階の人も封鎖している木の上に敷き詰められたかもしれない。
下手に戦う場所を変えないための作戦だった。
いきなり漏瑚が五条に向かっていき、脹相は赤血操術で血を鞭のようにし、薙いでいく。
しかし五条の術式で拳や血の鞭は寸前で止まり、当たらなかった。
花御はというと名前のバリアに向かって拳を向けていた。
『(絶対人は狙わせない)・・・!』
五条と名前は、漏瑚と花御がニヤッと笑っていることに気づいた。
漏・花「“領域展延”」
『なっ!?』
ゴリゴリゴリゴリ
“領域展延”は相手を閉じ込めるのではなく、自分を包む領域。
それが術式とぶつかれば領域をお互いに出し合った時のような押し合いが行われる。
必中効果は薄まるが、確実に術式を中和してくる。
ということは
バリィイン
『ああっ』
玄武のバリアが割られ、人が線路に次々に落ちる。
パニックになった人が走り出し、名前にぶつかっていく。
倒れるほどではなかったがふらつき、チャンスと見た花御が名前に向かって拳を振り上げる。
咄嗟に自分にバリアを張る名前。
先ほど同様、押し合いになり確実に負けるとわかっていたが、押し合いの間に体勢を整え横に跳んで避けた。
代わりに一般人が数人犠牲になってしまった。
悟「名前っ!」
同じく無下限呪術を中和され、攻撃が当たりそうになる前に移動してきた五条が名前の横に立つ。
悟「“領域展延”が使えるのは聞いてないね」
『そうなると私足手まといだね。
白虎は行けそう、でも玄武は一瞬で壊される。何枚も張り続けたら少しは持つかもだけど』
悟「仕方ないさ。引き続き名前は一般人をできる限り守る、あと自分もね。
戦闘は僕が引き受ける」
『わかった』
漏「逃げるな、と言ったハズだぞ。
こうでもせんと分からんか?」
漏瑚は、近くにいた人の頭をちぎり、燃やす。
五条が一般人の死で戦意が変わると思っているのだろう。
悟「・・・正直驚いたよ」
漏「なんだ?言い訳か?」
悟「違ぇよ、ハゲ
この程度で僕に勝てると思ってる脳みそに驚いたって言ってんだよ」
『早くっ、上に上がって』
名前は漏瑚らが話をしている間に線路にいる人を玄武で作った光の板に乗せ押し上げて逃げるよう促していた。
チラッと脹相を見る。脹相もこちらを見ているがあまりやる気がないのか攻撃してこなかった。
悟「そこの雑草、会うのは3度目だな?ナメた真似しやがって。
まずはオマエから祓う」
五条は花御を睨み付けながら話す。
悟「ほら来いよ、どうした?
逃げんなっつったのはオマエらの方だろ」
五条は漏瑚と花御の間に一瞬で入り、戦っていく。
漏瑚の手を引きちぎり、花御へ蹴りを入れる。
五条は漏瑚を追いかけていく。
そして無下限の術式を解いて花御を油断させ、展延を解いて術式を出そうとした花御の脆い目の部分を引き抜いた。
悟「やっぱりな、展延と生得領域は同時には使えない」
『ちょ、待っ』
人を避難させていた名前はいきなりのスピード感に焦っていた。
それに気づいた漏瑚は脹相に名前を狙うよう目配せをする。
『!』
名前の元に血の玉が飛んでくる。
術式の技のため玄武で防ぐことができたが、周りの人が血の弾丸を食らっている。
『くっ・・・』
漏瑚の展延より、脹相の赤血操術の方が広範囲に被害が及ぶ。脹相の近くにいる人たちを守るように玄武を出した。
広範囲への術式の展開を繰り返し、さすがに名前の呪力も少しずつ減ってきている。
『(あと、半分ってとこかな・・・)』
五条を見ると展延をしている花御に出力を上げた術式をぶつけ続けている。
そして花御は押し負け、五条により祓われた。
漏瑚は一旦ホームに乗り、五条から距離をとりながらヒット&アウェイ作戦に出ていた。
『離れてみんな!』
ホームにはまだ人がいた。
先ほどよりはぎゅうぎゅう詰めではなかったが、こちらを見て困惑し、離れていっている。
悟「名前、一般人守りながらそっちの九相図も行ける?
ヒット&アウェイと九相図の連携がウザくて」
近くに来ていた五条が名前に声をかけた。
『たぶん行ける』
片目を薄水色にし、白虎を出す。
脹「百斂、穿血!」
バシュウッ!
勢い良く血の鞭が伸びてくるが白虎で素早く避け懐に入る。
そしてそのまま腕を掴み脹相を投げ飛ばす。
脹「ぐっ・・・」
脹相は体勢を立て直し、血で作ったナイフで名前を刺そうとする。
ギィン!
玄武を目の前に出し刃を止めると、周りの人がフリーになったと思ったのかそちらに血の弾丸を降らせようとする。
ズドドドドドド!
『舐めないで、バリア2つくらい余裕』
弾丸が人に辿り着く前にバリアを張り、守りきった。
脹「チッ」
どこかやる気の無い脹相を不思議に思っていた。
彼は何のために戦っているのだろうか、漏瑚をカバーするでもなく五条や名前を本気で殺しにかかっているわけでもない。
その時
ギィィイイイイイ!!
悟「『!!!』」
漏「来たな!!」
電車がすごい勢いでホームに停まる。