第28話
夢小説設定
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2人とも入浴が終わると、先ほどと同じ場所で先ほどと同様2人並んで涼んでいた。
悟「名前、任務の時何があったの?」
『・・・呪詛師の領域の中に閉じ込められた話はしたよね』
悟「うん」
名前は、ぽつりぽつり任務でのことを話した。
領域の中には昔の集落が広がっていて家族が出迎えてくれたこと、
罠だとわかっていてもどうしようもなく寂しくなって、術中にはまってしまったこと、
思い出の中で幸せに暮らしたいと思ってしまったこと、
そして宿儺に助けられたこと。
『私、宿儺に大切にされてるかもって話だったでしょ?』
悟「うん。妬いちゃう」
『ふふっ、宿儺もね私が悟を大好きだって分かってはいるみたい。』
悟「宿儺が?」
宿儺の今回の行動や言動には驚かされることばかりだと目を丸くしている悟。
『領域から助けてくれるとき、“悟が待ってるんじゃないか”って言ってくれた。舌打ちはしてたから不本意かもしれないけど』
だから正気に戻れたと話す名前。
悟「そっか、早めに助かって良かったよ。」
『うん。でね、一番辛かったのがさ・・・家を、集落を焼かなきゃいけなかったこと』
、
家や昔の思い出、寂しさが名前の弱点だと思われているのであれば、あの場所があったら利用され続けてしまう。
だから、全てを焼いて灰にしてきたと話す。
『ボロボロだったけどさ、悠仁くんと歩いてた時に懐かしいなぁって、大きくなったら再建できるかなとか、色々思ってたのに』
悟「うん」
『禁術を使った場所、悟たちに助けられた御堂は大切にしておきたいなぁとか思ってたのに・・・
全部っ・・・全部、燃やしちゃった・・・』
嗚咽を漏らす名前を抱き締める悟。
今回の任務は想像していた何倍も精神的に辛いものだったようだ。
ホテルで宿儺との距離が近かったことや無防備過ぎることを怒ろうと思っていたが、そんな話などしていられなかった。
悟は、泣き続ける名前の背中を静かに、優しく撫で続けていた。
そして名前を助けた日のことを思い出していた。
十数年前に助けた日の夜もこんなことがあったと。
しばらくして落ち着いてくると名前が顔を上げた。
悟「?」
『ごめん、また、いっぱい泣いて迷惑かけた・・・』
この期に及んで悟の迷惑を考える名前に呆れ返っていた。
悟「名前はさ、強いし大人に囲まれてるから忘れられがちだけどまだ16歳なの。
16歳は一般的には未成年と呼ばれてて、まだまだ大人に頼るべき年齢。
わかる?」
『・・・忘れてた』
呪術師界では当たり前のように大人の手を離れて任務をし、一般の大人よりも強いからと頼ることなどほとんど無かった。
悟「困ったら何でも相談すること。僕がいなかったら硝子でもいいし学長でもいい。五条家の人、椿さんだって。
みんな名前に頼られたら嬉しいと思うよ」
『・・・』
悟「寂しいから抱っこしてーとか、悲しいからヨシヨシしてーとかさ」
『そ、そんなに子どもじゃないっ』
悟「みんなはそれくらい思ってるってこと。
椿さん悲しそうに言ってたよ、自分じゃ寂しさ埋めてあげられないって」
そんなことを椿に思われていたのかと名前は驚いた。
悟「名前はみんなに愛されてるんだよ。敵味方関係なくってところが複雑だけどね」
宿儺に言われたことを思い出す。
巫女もみんなに愛されていたと。
悟「家とか集落はなくなったかもしれない。
でも居場所ならここにあるでしょ。高専にも仲間がたくさんいる。」
『・・・うん、ありがとう』
名前は微笑んで悟を見、抱きついた。
どのくらいそうしていただろうか。
名前は一度悟から身体を離した。
『そろそろ寝ようかな』
悟「わかった、1人で大丈夫?椿さん呼ぶ?」
きっと任務でのことで眠れなくなると思ったのだろう。
しかし大丈夫と笑いながら言って1人で自室へ向かっていった。
ーーー
翌日
五条と名前は一緒に高専に向かった。
『あ、みんなだ』
2人の前では、2年生が楽しげに話しながら歩いていた。
棘「!明太子」
狗巻が後ろを歩く2人に気づき、手を振って挨拶をした。
『おはよう!』
真希「お、元気になったか?」
真希は名前の顔を覗き込んでそう聞いてきた。
名前が頭に“?”を浮かべていると、パンダが昨日任務後に教室に来た名前の顔が死んでいたから皆心配していたと話す。
『え、そんな顔してた?』
真希「ああ。ヤバかったぞ」
棘「しゃけ」
パ「ま、何があったかは言及しねぇけどよ、名前は笑顔が一番だからな」
『ふふっ、何それ』
ポン、と頭の上に何かが乗った感覚がして五条の方を見ると、頭に乗せていた手をヒラヒラさせ微笑んで先に校舎へ向かっていった。
真希「なんだぁ?スカしやがって」
『悟がスカしてるのはいつものことだよ』
棘「しゃけ」
パ「そうだな、あ、やべぇ!遅刻するぜ!」
『急げ!』
棘「高菜!」
パ「あ!白虎はずりぃぞ!棘は普通に速ぇ!」
真希「言ってる場合か。走るぞ」