最終話 最後の戦い
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ーーー
『ん・・・』
名前が目を覚ますと、白い天井が見える。
東「名前、目ぇ覚ましたか?」
『東・・・私・・・』
離れたところで椅子に座っていた東が近づいてくる。
ナースコールを押すと名前が気を失った後の事を教えてくれた。
『アドデック9は完成しなかった・・・。
綾部さんの裁判は無罪・・・』
事件は終わったんだと息を吐き、頭に巻かれた包帯を触るとハッと気づく。
『みんなは大丈夫?文也くんは?』
東「杉浦は無事手術も終わって寝てる。数日入院すりゃ大丈夫だろうってよ。
八神と兄貴は治療も済んで、八神はすでにセンターでのことと裁判の後始末を始めてる」
『そっか。みんな無事で良かった・・・』
ほっと胸を撫で下ろす名前。
検査も終えて入院の必要なしということで自宅に帰って来た。
10日後・・・
八神、名前、杉浦は大久保の面会に来ていた。
釈放がもうすぐになるらしい。
名前は特に大久保と面識があるわけではなかったため拘置所の外で待つ。
途中、八神が1人で出て来て
八「名前ちゃん、今日はもうアガリでいいよ。杉浦とゆっくりしな」
『!・・・うん、ありがとう』
創薬センターの事件の後、タイミングが合わずに杉浦と会えていなかった名前。
それを知った八神が気を利かせてくれたようだ。
しばらくすると、杉浦がスッキリした顔で出てきた。
杉「あれ、名前ちゃん。八神さんは?」
『事務所に戻った、私はもうアガリで良いって』
杉「そうなんだ。名前ちゃん、この後用事ある?」
『ううん、無いよ』
2人は近くの公園に行くことにした。
公園のベンチに座り話し始める。
『元気になったみたいで良かった』
杉「名前ちゃんもね。
大久保さんと話してきた。今度一緒に絵美の墓参りに行こうって」
『絵美さんも喜ぶと思うよ』
杉「・・・いつか名前ちゃんの生まれた場所にも行きたいな」
『そうだね、私もなんだかんだあの事件の後行ってないから、一緒に行こうか』
杉「天国にいる名前ちゃんの家族に挨拶しなきゃね。あ、松金組のお父さんにもかな?」
『ふふっ、楽しみだね』
杉「名前ちゃん」
『ん?』
杉「みんなの分も、幸せになろうね」
『うん』
心に傷を負った2人は大切な仲間とともに前を向くことができた。
付いた傷は完全に癒えることは無い。
しかし2人一緒なら乗り越えていける、そんな確信を持ち1日1日を大切に生きていく。
傷を負いし者たち
第一部 完
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