第22話 ガサ入れ
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その時黒岩と名前の目が合う。
ズンズン向かってくる黒岩。
『(うわぁ、逃げたい逃げたい逃げたい)』
黒「八神探偵事務所の苗字だな?」
『・・・・はい』
黒「こういう遊びが好きなのか?意外だな」
見下したように見てくる黒岩。負けじと睨み返しながら返事をしていく。
『あなたは指揮する人でしょ?取り調べは他の警官にさせればいいじゃないですか』
黒「まぁまぁ。知らない仲じゃないだろ?」
『あ、あっちの警官優しそう』
黒「チッ・・・で、何でここにいる?」
『仕事ですよ、探偵の。素行調査です。』
ため息をつきながら正直に依頼内容を答える名前。
黒「そうか、じゃあ八神に確認を取る。事実確認ができれば解放だ」
『で、その後ボコボコにする?それとも口封じ?』
黒「そんな物騒なことを言うなよ」
鼻で笑いながら言う黒岩。急に耳元に顔を近づけ、
黒「必要があればそうするがな」
と脅してくる。
黒「じゃあ、八神に電話しろ」
八神に電話するよう命じる黒岩。
周りの人はもう既に解放されたか逮捕され、今この空間には黒岩と名前のみになっていた。
『はいはい。』
名前が八神に電話をかけると、焦った様子の声が返ってくる。
八《名前ちゃん大丈夫か!?さっき真冬から連絡があって、ラ・マンにガサ入れが入ったって!しかも黒岩もいるって聞いたけど》
こちらに向かっているのか、足音や周りの喧騒が声の奥から聞こえる。
『あー聞いた?』
八《綾部の裁判前にガサ入れに入って、裏カジノを仕切る悪徳警官だと周りに思わせることで綾部の心証は最悪だ。》
『そういうことね。でさ、今黒岩刑事に取り調べされてるんだけど・・・わっ!?』
八《はぁ!?っ名前ちゃん?》
スマホを奪い取られ驚く名前。その声に何があったと焦る八神。
黒「八神だな。黒岩だ・・・なぜ苗字が裏カジノにいるか知っているか?」
八神は、依頼の内容を答える。名前が言ったことと相違無いことを確認すると名前にスマホを返し拘束は無しだと言う。
そこへ、タタタタッと複数の足音が聞こえてくる。
『八神さん?』
黒「かもな」
名前が上の鯉女房に向かおうとすると
ガシッ
『なに?もう用はないでしょ?』
名前の腕を掴む黒岩。
黒「八神が来るなら広いところで待っていた方が良いだろ?」
不適な笑みで話す黒岩にゾクッと鳥肌が立つ。
しばらく腕を捕まれたまま八神を待っていると、カツン、カツンと階段を下りてくる音がする。
じっと階段の方を見ていると、やって来たのは八神と海藤、そして森田検事正だった。
八神は名前と黒岩を見つけると大声で名前を呼ぶ。
黒「やっと来たか」
『ぅわっ!』
腕を引っ張られ、八神の方へ放り投げられる。
八「名前ちゃん!」
八神は名前を受け止めると黒岩を睨む。
黒岩は以前叩きのめしたにも関わらず元気そうな海藤を見ると煽るように「手加減しすぎた」と話す。
煽る黒岩に海藤が歩きだそうとするが、八神に止められる。
八「手ぇ出さないでくれる?名前ちゃんも。
こいつは親っさんの仇だ。俺だって今までずっと我慢してたんだ」
その言葉に海藤は後ろに下がる。
それが戦闘の合図だった。
戦いは八神が優勢だった。
八神の猛攻が癪に触ったようで、
黒「いい加減に・・・!」
と言って拳銃を八神に向けた。
黒岩と八神が睨み合っていると、間に森田が入り、冷静になるよう話す。ここで殺人をしても揉み消せないと。
結局黒岩とは決着がつかず、鯉女房を後にすることにした。
『・・・心配かけたね、ごめん』
八「ん?ああ、なんともなくて良かった」
裁判のことで進展はあったか聞くと複雑そうな顔をする八神であったが、松金組でケンゴに組長の仇討ちは任せてほしいと言ったこと、大久保に「今度一緒に絵美の墓参りに行こう」という杉浦からの伝言を伝えたことを話す。
『・・・絶対負けられないね。色んなもの背負ってる』
八「ああ」
裁判まであと少し・・・
22話 終