第21話 返事
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頭を撫でられ少しずつ落ち着いてくると
『ごめん、八神さん、海藤さん。ありがとう・・・文也くんと話してみるよ』
海「おう、蹴り入れんなよ」
『入れないよ!』
クスッと笑いながら答える名前に八神も海藤も安堵する。
そこへ
ガチャ
杉「おはよーございまーす」
八・海「おーす」
『おはよう』
杉浦が軽い挨拶をして入ってくる。
扉を閉め、前を向く杉浦をじっと見る八神と海藤。
名前はチラッと見た後目を逸らす。
その異様な雰囲気にジト目になる杉浦。
杉「・・・なに?」
海「いや、俺らはちょーーっと外で一服してくっからよ。留守番頼むわ」
海藤は名前をズイッと杉浦の前に押し、八神と共に事務所を出ていく。
『わっ!え、ちょ、待ってよ!』
杉「は?いっつもなにも気にせず他人の前で吸ってるじゃん」
2人の言葉は空を切り、階段を下りていく音だけが聞こえてくる。
杉「なんなの、あの人たち。
そういえば昨日はお疲れさま・・・
って、泣いてた?」
とりあえず杉浦がこの雰囲気を何とかしようと声をかけると、名前の頬に涙の跡があり、目も潤んでいることに気づいた。
『え、あー・・・うん。ちょっとね』
気まずそうに話す名前だが、覚悟を決め杉浦と向き合う。
『あのさ、文也くん。昨日の返事なんだけど』
杉「!」
杉浦は昨日の今日で返事がもらえると思っていなくて驚く。
『えっと・・・こんな私なんかでいいなら、よろしくお願いします』
杉「・・・はぁ」
『ため息!?』
渾身の返事をため息で返され唖然とする名前。
杉「名前ちゃんてさ。なんでそんなに鈍感で自分に無頓着で自信が無いの?喧嘩の時はあんなに堂々としてるのに」
『何で怒られてるの私』
杉「“こんな私なんか”ってなに。他にどんな名前ちゃんがいるのさ。
あの過去も、過去を頑張って受け入れようとしてるのも、喧嘩は強いけど心は弱いのも・・・
その他全部引っくるめて僕は名前ちゃんが好き。だから自分を卑下しないで。」
『!・・・・・・・ありがと』
杉「じゃ、改めて返事は?」
『私も、文也くんが好き・・・ん!?』
返事した瞬間大きな手で優しく頬を包まれ重なる唇。
名前は初めての感覚に驚くが、静かに目を閉じ受け入れていく。
数秒触れるだけのキス。
唇が離れて目を開けると近距離に杉浦の顔があり、名前は顔を赤くする。
杉「ぷっ、可愛い。でも良かった、改めてよろしくね」
『うん、よろしく』
杉「それにしても八神さんたち遅・・・・・げ!」
八神たちがなかなか帰ってこないと思い入り口の方を見ると、扉からこちらを見る4つの顔が。
上から海藤、八神、星野、東。
バレたとわかると、2人はニヤけながら、1人はホッコリした表情で、もう1人は杉浦を睨みながら事務所に入ってきた。
杉「いつから見てたの?」
海「“あのさ、文也くん。昨日の返事なんだけど”ってとこからだぜ」
杉「ほぼ最初じゃん!」
八「俺ら探偵だよ?静かに潜伏するのなんて楽勝だから」
星「名前さん、良かったですね!」
東「名前を泣かせたら許さねぇからな」
それぞれ話をして楽しんだ。
つかの間の休息。
一日でも早く事件を解決し、穏やかな日が再び訪れるように。
21話 終